越後屋ぺんさんの遠めがね

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2010年03月31日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
寒い日が続きますが、佐保川の桜は五分咲きとなり、そろそろ見物の人も出始めたようです。
佐保川桜1佐保川桜2

佐保川桜3佐保川桜4

江戸時代、奈良奉行の呼びかけに応じて植えられたとされる川路桜(当時の奈良奉行の名にちなんで命名)通称150年桜(と、呼ばれてから10年以上経っているので160年でもいいと思う)も今年も立派に咲いています。
川路桜1川路桜2

川路桜3

大仏鉄道記念公園の枝垂桜もまだ満開です
大仏公園桜

明日から雨模様なので、ライトアップが始まる時間に合わせて撮ってみました。

桜はこのブログをはじめた4年前から私にとっては悲しい花になってしまいましたが、今年は特に悲しい花です。以下は決して楽しくない話なので、そういう話を好まない方はどうぞ読み飛ばしてください。

4年前の今頃、私にとって親分のような存在の友人(だいぶ年上だけど、年を聞いたら怒られるので年齢は不詳)が入院したというのを知りました。胸騒ぎがして、病院へ行くと、友人はいつもと変わらないほど元気だったのに、やはり嫌な予感が消えず、「で、どこが悪いん?」と明るく切り出した私に友人は明るく「癌やねん」と答えました。



その時、すごく嫌な予感がしました。手術すると命が縮まると。
私のそういう予感というか感覚は気味が悪いほど当たるのです。
祖父や父など身内が亡くなる時期を誤差約1ヶ月で感じてしまったし、病院での診断が下る前に同僚の病気と残り時間も誤差約半年)言い当て、友人のお姉さんの病気も・・。
だから、手術は受けてほしくありませんでした。

でも、前向きで、手術に希望を見出している友人に「手術したらあかん!」なんてとても言えず、「うん。」と、友人の顔をじっと見ることしかできませんでした。
ひとしきり話すと、友人は、「これからちょっと薬入れやなあかんからちょっと待っといてな。痛み止め使うたら全然普通にしてられるねん。」と笑顔で言いました。
私は、当時、カメラを持ち歩いていたので、「そしたら、その間に桜の写真撮りに行って来るわ。」と、近くの桜の名所とされる神社へと歩きながら、頭の中を整理しようとしました。

桜の写真を撮り、虚しく思いつつも「病気快癒」のお札を買って病室に戻ると、友人は、
「桜、どうやった?」と問いかけ、私はデジカメのモニターで撮った写真を見せました。
すると、友人は、「これ、大きくしてプリントアウトしてや。カレンダーにして!」と言いました。自分の写真でカレンダーなんて作ったこともなかったのですが、カレンダーにすることを約束して帰りました。

どんなカレンダーにしようかと悩みながら、友人は今年の桜を見ることができないのだ、あと何度も桜を見る時間がないのだと思うと、堪らない気持ちになりました。カレンダーは4月から始まる年度カレンダーで、4月は普通に咲いている桜、5月は葉桜、6月は雨に濡れた桜など、今まで撮りためた写真を駆使して12ヶ月全て桜にして、友人がおもいっきり桜を堪能できるカレンダーにすることにしました。



しかし、4月の半ばに手術を受けてからというもの、腹水が溜まりカエル腹のようになり、日に日に体調は悪化し続け、頼まれた資料をなかなか渡せずにいたのですが、とにかく渡したいと思って、会えなければ看護士さんにでも託そうと病院を訪れると、病室が変わっていて、そこには息も絶え絶えでほとんど話すこともできない友人が横たわっていました。それが友人と会った最後でした。いつも気に掛けて可愛がってもらったというのに、私は友人に対して何もできませんでした。

4月の下旬、風もないのに壁から落ちるはずのないお札がハラハラと落ちてきて、友人の最期を感じました。
友人は二つの苗字を使い分けるなど、家族関係が複雑な様子で、私もプライバシーに踏み込むような付き合いを好まないので、友人の家族も連絡先も知りません。だから、それが本当に最期だったのかどうかはわかりませんが、5月のはじめにメールを送ると、すでに契約は解除されていました。

桜を見るたびにその友人のことを思い出して悲しくなってしまうのですが、これまではポチが慰めてくれていました。「お花見に行こう!」「ゆっくり写真撮ってもいいよ」「人がいっぱいでおもしろいね!」といつも底抜けに明るく私を慰めてくれました。しかし、今年はポチもいません。

昨年、ポチは体調が悪化してお花見には行けませんでした。そのころから中空の一点をじっと見つめることが多くなり、私もお迎えが近いことを感じていましたが、ポチは秋までがんばってくれました。たぶん、「もうちょっと一緒にいて!」と頼む私を置いていけないと思って「ポチはまだ逝きません!」とお迎えに向かって言っていてくれたのだと想像しています。


桜を観ることを望んで亡くなっていった人に遺された人は、春の訪れに歓喜する人々の中で毎年、ひっそりと悲しんでいるのでしょうか。ポチがいてくれたらどれだけ慰められたでしょう。





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最終更新日  2010年03月31日 20時59分19秒
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Re:佐保川の桜(03/31)  
Rosa Rossa  さん
ご友人のこと、お辛かったですね・・・
だけどぺんさんはその方のためにカレンダーを作ったりウィッグのことを調べたり
できる限りのことをなさったと思いますよ。ご友人もきっと感謝なさってると思います。
もちろんポチちゃんも。
・・・と、他人にいくら言われたところで悔いは残りますよね。
私も両親や祖母、幼い頃の親友と「何も出来なかった」と思うことが多くて
そのたびにまわりに「そんなことはない」と言われますがやはり後悔は残るものです。

桜って綺麗だけどどこか悲しげな花だとずっと思っていました。
ぺんさんのような経験をされた方にはひとしおでしょう。
私が奈良に行く頃には新緑の桜がとても綺麗でしょうから
ぜひ佐保川の葉桜見物をご一緒させてください。
ポチちゃんのように慰めるなんてことは私には絶対できませんが(第一おこがましいし)
せめてそばにいることだけは出来るし少しでも楽しい思い出になったら・・・と思います。
私自身佐保川は行ったことがないのでぺんさんとご一緒できたらとても嬉しいです。
(2010年04月01日 03時15分17秒)

Re[1]:佐保川の桜(03/31)  
Rosa Rossaさん
今年の桜には泣けてきます。
4月から始まるカレンダーを5月にすることなく、1年のはずが1月で逝ってしまったなんて。

友人は昼は仕事、夜は折り合いの悪い母親の介護とほとんど寝る間もなく頑張っていたのです。母親からは罵られ続け、「言葉の暴力やで。」「(母親が自分のことを悪く言うから)近所もおちおち歩けへん。」と明るく笑いながら嘆いておりました。自分の身体のことなんて省みずに頑張っていたのに。

恥ずかしい話ですが、私は、友人の病気を知って、生まれて初めて他人を憎みました。それも、友人の母親を憎んだのです。その母親を直接は知らなかったのが幸いだったと思います。後で考えると、私にはそれを聞くことしかできなかったけど、深入りしない付き合いだったから、こぼせたのかもしれませんね。

桜の花は上を向くことなく咲きます。人は下から見上げるので気がつきませんが、桜の花は陽に向かうことのない悲しい花です。

新緑のころにはこの悲しさへのトリガーである花もなくなって、初々しい緑がいっぱいのきれいな風景が見られます。隠れた名所ですので、是非、見てください。

(2010年04月01日 08時58分14秒)

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