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大谷石塀を撤去した廃材再活による、園路補修があらかた終了した。 重い石を抱え、運び、水平に設置する工夫--、独りで黙々と作業をした。 椿の花に見惚れても躓くなと、要注意個所には、さりげなく照明用の柱を立てた。 大谷石も、次代には解体され、誰かに再々活用されるに違いないから、割ったり削ったりしないように心掛けた。 ********** 200メートルは純大谷石で平坦にでき、既設の飛び石にも、砂を埋めて極端な凹凸を解消した。 しかし、身の回りには段差、階段があり、人との出会いも平坦な場ばかりではない。 日ごろ、その場、そのときに合わせて注意と配慮が必要なことを体得できる園路になれ。 恐慌などの暗いニュースは石の下に鎮座してもらい、明るい希望が湧く園路になれと、願いを込めた。 ********** 大谷石 春雨洗う 園路かな
2009年02月28日
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昨晩の晩酌の友は、葉ラッキョウである。 根が密生していたが容易に抜くことができ、鉛筆の太さの幼く真っ白な鱗茎が出てきた。 丹念に洗い、味噌を添えて小皿に入れた。 これには、焼酎でも洋酒でもなく、コップ酒が似合っていた。 ********** ラッキョウは一昨年の残りを菜園の片隅に放っておいたものである。 葉が20センチ以上も伸び、冬のエネルギーと春の滋養をタラフク含み、それを地下に貯蔵し始めたころで、気の早い食べ方ではある。 が、食べたい時に素朴に食べるのが菜園者の特権である。 無農薬、無耕起、無肥料、耐雑草、多年草、滋養強壮のキーワードに合致した春の菜園計画を練る立案過程そのものも、晩酌の友である。 ********** 無農薬 無耕起 無肥料 葉ラッキョウ
2009年02月27日
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ビオラが竜の髭などのグランドカバーの隙間に葉を伸ばし花をつけている。 他の植生との競争に打ち勝つべく、自分の居場所を確保することに躍起になっている様である。 花茎は短く、しっかりと地に足が付いて、過保護不要、水肥もいらないと言っている。 中には、枯葉を抱いているものもあったが、今は春の日をめいっぱい浴びようと拭い去った。 ********** これは、晩秋、ビオラの最後の入荷を待って70本ほど購入しアプローチ周辺に植えたもの。 背が低くコジレ気味であったが、何とか冬の寒気と乾燥を乗り越えた。 促成苗は花茎を長くし、春を待ついじらしさは感じられず、顕示欲もいやらしい。 良家の御曹司、健康優良児、必ずしも大成するとは限らないことを、国際政界が物語っており、ビオラの美の世界も同じだ。 ********** 芽立前 地を這うビオラ 花低く
2009年02月26日
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昨日も、冷たい雨がぱらついた。 それでも、菜園のワケギは緑の管を伸ばし始めた。 雨風に虐げられて地べたを這うようにして叢生している。 確実に春は来ると信じて、緑の管の中に希望を膨らませている。 ********** 希望の管は20センチになれば食べごろとなり、はち切れんばかりの希望を頂く醍醐味がある。 地下では、茶色の鱗茎が頂上を目指せと躍起になって指示している。 飲み友達は、この鱗茎が好きで、掘り起こして持ち帰り晩酌の友にしていた。 滋養強壮の鱗茎を食べていても事故には勝てず、去年、あっという間に逝った。 ********** 雨風に 打たれ地を這う ワケギかな
2009年02月25日
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昨日、午前中いっぱい、雨が満開の梅の花を叩いた。 冷たい雨のイメージで外へ出るのを躊躇したが、草木にとっては春躍動のための恵みの雨である。 目白は、花けぶる梅の木に戯れていた。 が、カケスが近くの万両を食べにくると枝の茂みに隠れて音を消した。 ********** 目白が梅の木を好むのは、花のせいばかりでなく、外敵が近寄った場合に咄嗟に小枝の茂みで身を守るためだと考えた。 高層マンションの転落事故多発は、幼児に発症する高所平気症が原因らしい。 小鳥でさえ食事中の一時も身の安全を忘れないのに、人間は安全配慮感覚が麻痺している。 事故ってから手摺が低かった、安全施設が不十分だったと他人のせいにするのも人間だけ。 ********** 白梅や 目白も雨も 白く染め
2009年02月24日
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今年のサンシュユの開花の日は、2月22日と記録した。 サンシュユは、黄色い舌を出してもなかなか開かない思わせぶりな花である。 梅は八分咲きでも、気温が落ち着かず百花繚乱には程遠い。 サンシュユが、ほんとの春はどうしたのかと黄色い声で猛ぶっている。 ********** 一昨年、手首の太さのサンシュユを路地植えした。 もっと暖かくなってから幹巻きの縄を解くが、そのときに琥珀色にはげた幹の全容が 現れる。 花は春黄金花、果実は秋珊瑚と言われ、幹は琥珀色とサンシュユの魅力は深奥そのもの。 その上、どんなにいじってもしょげない強靭さを秘めている。 ********** 黄のたけび ほんとの春やと サンシュユ
2009年02月23日
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昨日、知人が朝取りの野生油菜を約束通り届けてくれた。 茎が小指の太さで、固いかと思ったが柔らかですぐ熱が通った。 毎朝、涸沼川の土手を散策するという話から、雄大な風景、久遠の息吹に浸って羨ましいと言った。 すると、山菜の話が出て、遠方から摘みに来る人が多いと言っていた。 ********** 涸沼川は、広い田園の真ん中を流れて、海魚と淡水魚が生息している涸沼に注ぐ。 貝、魚、穀類ともに豊穣の土地の関係から縄文、弥生のころから栄えた。 昨秋は、軽装の都会人のマムシ被害が多かったらしい。ゴム長靴がなかった太古の人も震撼していたろう。 また、当時は猛獣に狙われるリスクもあった。が、今は人に襲われる危険性があり、それを押して届けてくれた好意に感謝した。 ********** 常陸野の 若菜袋に 千古込め
2009年02月22日
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地震対策で大谷石塀を撤去し、その廃材を活用して園路を整備するのが春の計画である。 見た目を気にせず安心して歩行できるよう、全路をバリアフリーに改良する。 自分で通る道は自分で開拓し整備する。これ求道の究極の姿勢。 一日2時間、無我の境地の石との格闘。一つ間違えば死に至る病の発症につながる。 ********** 大谷石は奈良時代から採掘されたらしい。 細工と運搬のし易さが、古墳に活用され、生活用具や建材として全国的人気を博した。 その乱獲が影響してか、地表が崩落して住民に大きな被害と不安を与えている。 霊場磨崖仏の里の出来事であるが、これも冷厳たる試練の一つか。 ********** 紅梅垂る 園路に活きる 大谷石
2009年02月21日
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狂い咲きの薊は大寒を境に頭を垂れ、今は葉も幹も枯死して寒に耐えた雄姿は見られない。 が、決して倒れず、根元にロゼット状の葉を蓄えて次代の躍動に期待を込めている。 冬の陽をしたたかに取り入れ根に養分を送り続けた。 そして、生きる目的を果たして朽ちた。 ********** 正に、戊辰の役に活躍した各界の草莽の志士の生きざまに似ている。 それを土台にして現代の生活があると思うと、枯れた幹も無下には刈り捨てるに忍びない。 当地は、その当時、骨肉相食む唯の内乱に終始して、無駄死にという酷評がある。 でも、みんな、皆、一心不乱に生き、そして散った。 ********** ロゼットや 枯死花薊 草莽の志士
2009年02月20日
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昨日、花の終わったこだわりの梅と椿の鉢植えを路地植えした。 周りを軽く耕して金肥を埋め、囲いをし、支柱を立て、藁を敷いた。 「耕す」という字は、農具(左偏)で畑地を四角(右偏)に区切ることというらしい。 その昔、鉄が貴重な時代は耕す農具は、宝物のように大切にされていたのだろう。 ********** 蒙古襲来の弘安の役には、10万の江南軍は農具を携えての移民集団 だったという。農具は使いなれた武器となり、征服後の耕作の大切な道具であった。 しかし、異国の武士の刃で海の藻屑となった。決して神風のせいではなかったのだという。 その後も、強制移民の悲劇は後を絶たず、農具一つにも悲しい歴史が秘められている。 してみると、人間存在の原点は耕すことにあり、シャベルを片手に土いじりに生きがいを感じるのも、先人への思慕が深層にあるからかもしれない。 ********** 来春は 咲かずに休め 椿苗
2009年02月19日
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昨日は、全国的に冷え込んだが、一日中ワイシャツで過ごした。 法定講習会がホテルで開催され室内がムシムシしていたから。 ほとんどの出席者は、ホテルの弁当を1000円で買って昼食としていた。 弁当を買う長蛇の一人になるのが嫌で、出がけに無理やりおにぎりを作ってもらい持参した。 ********** 気恥ずかしさなど感ぜず、作ってくれる人がいることの幸せを広げて食べた。 イチゴ、ホタテガイの他に、自作菜園のアブラナの炒めも付いていた。 食べ終わって直ぐ、自宅へ美味しかったと電話したが、ただ笑っていた。 ホテルの結婚式用にわか教会の周りは、冬枯れのままで何の花も設えてなかった。 ********** 芽吹き前 教会花卉なし むすび食う
2009年02月18日
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昨秋、薊、笹百合、藪柑子の返り咲きが寒を越せるのかと関心の的であった。 薊、笹百合は、大寒ごろに完全にダウンしたが、依然として藪柑子は粟粒大の花をつけ梅の花を仰いでいる。 花ではなくて果実かと思うようになり、結局、果実であると結論づけた。 それが原因か、扇状の枝葉に藪柑子の実がビッシリと成っている黄金の夢を見た。 ********** その藪柑子は、梅の根締めの皐の株の根元から広がっている。 葉は赤みを帯び普通のものの半分程度の大きさで、竜の髭の根に支えられて広がっている。 お蔭で、端正になりがちな姫竜のグランドカバーにワイルド観が感じられ、自分の好みのコーナーとなった。 粟粒のように小さな実、庭の片隅にあっても、ひとかどの働きをし、人に黄金の夢を見させるほどに強烈に印象を与え、それに支えられて我が人生があるーー。 ********** 粟粒の 藪柑子の実 梅仰ぐ
2009年02月17日
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昨日は、初夏を思わせる暖かさで、ブラックベリーの若葉が3枚開いた。 よく見ると葉も黒く、幹も黒光りしていて、ラズベリーとはっきり識別できる。 他へ移植してブラックベリーだけのコーナーを作ることにしよう。 そうすれば、収穫期の違いによる、枝の剪定、誘導に悩む必要がなくなる。 ********** 今日は、亡知人の通夜で、妻は昨日から喪服の用意に忙しそうであった。 通夜には、一般人は平服で良いと解説してあっても、誰もが黒ずくめである。 黒に近い紺のスーツであっても黒の真直中にいると目立ち過ぎ、なにやら疎外感、コンプレックスを感じる。 正に、均一化、標準化の集団で、今日も、ホモジニアス集団とは何なのかを身をもって実感させられる日となりそうだ。 ********** 若葉 幹 実も黒づくめ ブラックベリー
2009年02月15日
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プランターの青梗菜に、背を伸ばし先端に蕾をもつものが現われた。 過密化して生育障害の結果、早熟の道を選択したのであろう。 過密でないところでは、葉がふっくらと膨らみ淡緑色である。 春まだ浅いのに蕾を食することができるのは、自家製ならではと思うと美味である。 ********** 食卓では、青梗菜が、ビタミンA、鉄分、カルシュームを多量に含んでいると、電子辞書を借りた話題に花が咲いた。 食べ物の話をしながら食することは味を引き立たせるが、小鳥も賑やかに食 べるから同じのようだ。 ただ、小鳥は学習をしなくても、羽を鍛えるには何を食べるべきかを本能的、先天的に知っている。 今の人間は、学ばなくては判らないから、電子辞書が離せず実に不便だ。 ********** 芽立ち前 青梗菜に トウが立つ
2009年02月15日
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昨晩は、音と雨をともなう春一番が吹きまくった。 自ずと気温が上昇するが、一番敏感に反応するのが金魚である。 水槽いっぱいに泳ぎまわり、餌の食いも進む。 同時に、日々の水温の激変についていけずに、死の病に陥るものも出てくる。 ********** 病気に罹った金魚は、屋外の水槽に移し、自然の環境の中で治癒させている。 羊歯の根を浮かべ雑草を生やし、そこから発生する自然のエネルギーで治癒し養生させる。 自然はホスピタルというが、現に1年前に鰓腐れ病で失明した黒蝶尾は、先の寒を見事に乗り越えた。 自分も、死の病を得たら大自然の治癒力の中に身を投ずることをモットーとしている。 ********** 寒の水 金魚の命 紡ぎけり
2009年02月14日
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サンシュユの蕾の中央に黄色い色がついた。 爪でガクに触れると好機到来と自ら開く素振りを見せ、中からオシベをのぞかせた。 植物の開花は、陽気のせいばかりではなく風、小鳥の啄ばみ、枝葉の接触等の外界からの刺激も相乗作用するのであろうか。 動物は、兄弟とのじゃれあい、恋のさや当て等を経て開花するが、花も、短期日に同様の経過をたどるのであろうか。 ********** 寒の間、黄花を誇示し芳香を漂わせていた蝋梅は、萎えて往時の見る影もない。 朽ちた花は落下せずに枝にしがみ付き、枝から離そうとしても落ちない。 加えて、実が詰まった鞘が茶色に変色して繊維だけになっても、鳥は啄ばもうとせず、ただぶら下がっている。 昨日、ある訃報に接したが、蝋梅の屍のような光景を見るにつけ、人の世の盛衰、生々流転が頭を過ぎる。 ********** 花萎えて 実も重たげな 蝋梅かな
2009年02月13日
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昨日、金魚の水替えをした。 水温5度で金魚に可愛そうであるが、濃いグリーンになってはもう待てない。 今まで冷水の水底に動かざる姿を見るに忍びなかったが、30匹全員、異常なく寒を乗り越えた。 寒の水は万象ことごとく浄化する働きがあり、金魚にとっても、病気を撃退する神秘性があったのであろう。 ********** 汲み置きの水は2槽分しかないので、不足分は井戸水を直接注いだ。 少量の新しい水、わずかの水温変化こそ、寒が明けたことを知らしめ、覚醒させる格好のカンフル剤。 環境の変化が気分一新の早道で、ほどなく金魚たちは水面に上ってきて挨拶した。 自分も、部屋の模様替えをして春を取り込み、躍動への気分転換を体に言い聞かせよう。 ********** 春の水 注いで目覚める 金魚かな
2009年02月12日
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チャイブが、枯れ葉の間から初々しい若芽を覗かせている。 かつては、当地なら大丈夫と思って屋外に放置したが全滅した。 そのため、軒の下に込み、防寒布を被せたところ辛うじて冬越えした。 今日は防寒布を脱がせ、1週間後には外へ出して耐寒性を身に付けさせよう。 ********** チェリーセージの鉢物は軒の下に入れてあるが、路地植えは何の手も施されずに立派に越冬している。 やはり、環境に慣れることで耐性が生じ自力で生きていけるように彼ら自身で自助努力している。 身近にある植生は、人間に過分な手当てをされなくとも自らの力で生育してもらいたい。 死して遺した植生のために、後世に負担をかけたくないから。 ********** 枯れ葉布団 抱かれて芽吹く チャイブかな
2009年02月11日
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昨朝、冴え返る冷気の中、電線の百舌鳥がけたたましく吠えた。 久しぶりに百舌鳥の勇ましい雄叫びを聞いた。 小鳥は声を失いあたりは震撼とした。 ただ、梅花だけは動ぜずに薫然としている。 ********** 百舌鳥が電線を離れると、相棒が飛び立ったのでつがいと分かった。 里山も、獲物が少なくなって夫婦で人里へ来たのだろう。 最近の人間社会、離職、転職で不如意が見込まれると、それだけですぐに夫婦離別の問題に発展する。 苦しくとも豊穣の春はすぐそこに来ている。人間に感化されずにガンバレ。 ********** 百舌鳥猛り 天地震撼 冴え返る
2009年02月10日
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駐車場の増設工事中、あちこちから石がごろごろ出てきた。 この一帯は、平坦の土地で石、砂利は産しない。 だから、これらの石は、建築、生活用材、それに園芸用材として集められたものであろう。 集めた先人たちは、石それぞれにどんな想いを込めたのであろうか。 ********** それらの石も業者の手に渡れば廃材置場行き。酒と塩で清め、樹木の縁取りに再活した。 権力者は権威を誇示し悠久を念じて巨石を組み、被制圧者は生活のために手頃な石を集めた。 いずれにしろ、人の寿命は有限、心変わりは秋の空、使い終われば縁切りと容赦なく捨てられる。 宿六も同じーー、明日は我が身、今日は石の上。 ********** 埋もれ石 椿の根締め 塩を盛る
2009年02月09日
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目隠しを目的とした植込みに水仙が咲いていた。 その根元に白のビオラ。 北風を遮る侘び介も白。 白尽くめの植え込みを揺らす風も白かった。 ********** 侘び助は、枝が縦横に張って茂りすぎたので枝抜きした。 白い幹が露わになり、枝順も、その太さも満足。細い梢に白い花が揺らいでいた。 樹木も苗木の時代に弄り回すのではなく、一定の高さに成長してから造るに限る。 では、人間はどうなのかなぁと考えたら、樹木だって千差万別の一語に尽きると思い直した。 ********** 水仙や 侘び介ビオラ 白き風
2009年02月08日
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昨日、ブルーベリーと、山茶花の剪定作業をした。 作業が終わり急用で街道へ出て、冷たい風にブルッとし閉口した。 庭は、建物や樹木で風除けができて温い空気に包まれていた。 愛する木々の温もりを頂いて、幸福感に浸っていたことを初めて知らされた。 ********** その昔、庭は家業の作業所であり、それぞれの生業の戦いの場であった。 その僅かな一角に竹垣を設え、こだわりの木を植え、わたる風に人生を感じ、日々の不安を癒したのだろう。 先人達の体得した温もりを、回り回って、今、その当時も生きていた木々と共に体感している。 そのことは、次代にも、そっくりこの温もりを引き継がなければならないと悟らせる。 ********** 風憩う 木々の温もり 梅香かな
2009年02月07日
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梅の花2輪が、まぶしそうに半開きである。 別の木も開花していないかと観ていると、高い上空、東西を往き来する目白の群れに気づいた。 どこの庭に春が来たかを探索している。 それぞれの庭の状況を把握して、時間帯別に訪問先を決めるのであろうか。 ********** 目白が大空を飛来することは、天敵である百舌鳥に襲われる危険があるのに命がけである。 10センチ程の小鳥でさえ危険を賭して空高く舞い上がり、文字通り、鳥瞰する。 小さな囲いに安寧し、極めて狭い領域でしかものを見ていない自分に気付く。 せめて、年を気にせずにドライブして、鳥の目線で揺れる時代を観察したい。 ********** 何処に来た わたる目白や 梅まぶし
2009年02月06日
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10個程度ついていたクチナシの実が1個になった。 クチナシの実は、完熟すると自然に落下し鞘が腐って発芽するかと思っていた が、へたが残っているのを見ると、鳥が啄ばんで種をばら撒く仕掛になっている。 だから、枝先に鮮やかな橙色を揺らして鳥の飛来を待っていたのだ。 ********** カケスが啄ばんだとすれば、顔、頭の羽は黄丹に変身したに違いない。 同僚からは、毛色が変だ、異分子だ、黄疸だと、馬鹿にされイジメられているのかなぁ。 人間社会では、子供から大人まで、村八分、差別が問題化しているが、鳥の世界でも例外ではなさそうだ。 それに比して、金魚の世界は、形、色、動作が変っていても、決してイジメや差別がない。 ********** 実クチナシ 突くなカケス 黄疸注意
2009年02月05日
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ついこの間までヤブランの完熟した黒い実が朝日に輝いていたが、すっかり無くなった。 万両の実はかなり残っているところから見ると、カケスは、ヤブランの方が好きらしい。 いや、あの美声を維持するため、去痰、鎮咳薬の効果を信じて啄ばんだのだという。 強壮薬でもあるのだから、しっかり食べてインフルに冒されるなよ。 ********** ヤブランは、種よりも、地下茎を植えて増やした方が早い。 連珠状の根を固めて植えれば密生した株が容易にでき、土留め、根締め、土壌造りに最適だ。 紫の花穂も季節を感じるが、紫から黒に変わる果実の移ろいも得難いものがある。 縄文、弥生人も手の届くところに植え、花実を愛でながら今の置薬のように家族の体調管理に気を配ったのであろう。 ********** ヤブランの 去痰の効果 カケスかな
2009年02月03日
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寒が明けるとはいえ、まだまだ寒さがきつい。 が、土は凍っておらずシャベルが深くまで通り、実に不思議である。 剪定で落ちた葉を敷き始めて2年目、地面が里山の落葉のようになった。 踏めばフカフカで、樹の根も虫達も毛布に包まっているようで暖かいだろう。 ********** 落葉の上には、ところどころハコベが威勢よく繁殖して若草色である。 ハコベ程度は生やさなければ、土も呼吸できずに死んでしまうと思い放置している。 ハコベの座布団は日に日に大きくなり、観桜の座席のようだ。 折角の座布団も、桜が散れば除草の対象になるが、ハコベの根は1本であるので扱いやすいし、葉を土に埋めれば土壌作りに貢献する。 ********** ハコベ萌え 緑の座布団 桜花待つ
2009年02月03日
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寒明くと 岩檜葉開き 梅誘う ********** 春一番の雨で岩檜葉が全開している。 正に、新しい空気を胸いっぱいに吸い込んで深呼吸している。 雪柳も咲き始め、枝を覆っている梅に開花を促している。 春を先取りしてイニシァチブを取るものは、春告木(梅)ではなく下草類の小さな植生である。 ********** 金肥の普及しなかった時代は、芝草がコメ増産の担い手となり、若草のために樹木が伐採された時代もあった。 大自然は「大」の中の「小」の存在意義を確立したが、近代社会はそれに無頓着であった。 この不況も、小国の日本、ドイツが先導して克服するものと歴史経済学者は観ている。 歴史は、恐慌時こそ「小」躍動の時代の転換期と教えているーーー。
2009年02月02日
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昨日、雨の中、花木センターへ行った。 椿の展示即売会が催され、約150種以上の品種が色とりどりに咲いていた。 日夜、品種改良に取り組んでいる方々の努力に圧倒された。 新花には手が届かないので、今の時代にぴったりと、「隠れ磯」を買った。 ********** 今から400年前、民衆を苦しめた戦乱が止み平和が実現して、貴人も平民も、こぞって椿の花に魅せられた。 苦しい時、花の魅力を胸に秘めてじっと堪えた反動が、爆発的流行をもたらした。 今の不況を乗り切る秘訣は、やはり、先人を見本とするに限る。 活路を見出す創意工夫と試行錯誤もーーー。 ********** 春一番 岩隠れたき 恐慌かな
2009年02月01日
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昨日は一日中、風と雨。まさに春嵐であった。 ツツジ類は、枝先がほんのりと赤みを帯び風に踊っていた。 地下のエネルギーを吸い上げて、愈々、梢まで達し、田楽踊りをしているようだ。 春躍動のチャンスを掴むや、一気に開花する準備が万端整ったと、熱気と意気が漲っている。 ********** 目白は、ツツジの開花日を知っていて、それまでは、虫も食する必要ありと皐の藪の中に消えた。 大自然では、冷夏、旱魃、長雨でも、それを得意とする木々が花実を着実に蓄え、それぞれの昆虫が繁殖するから、目白は食うに困らない。 人は、特定の作物、職業、地域、仕法、慣行、イデオロギーに拘泥、規制されるから、自然現象やサイクルの激変によって死活問題に遭遇する。 縄文、弥生人は、大自然の中に溶け込んで生きていたから、目白のように飄々とし、だから、「明日を思い煩うことなかれ。」は、信仰超越の真理か。 ********** 春嵐や こずえ色づき メジロかな
2009年02月01日
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