週番日誌@佐藤智広研究室

週番日誌@佐藤智広研究室

2011/04/03
XML
カテゴリ: 遊興生活
 久しぶりに、松濤での観世会春の別会に行く。何度か購入している武田さんのところからのお知らせで購入したため、私のような者にはもったいない良席。2月末から怒濤の日々で、休日がほとんどない状態ではあったが、折角入手できたチケットなので、気合いを入れて渋谷へ。
 11時から始まった最初の曲は、シテ武田志房の「鷺」。神泉苑に鷺が舞い降りる。鷺の天冠を戴いたシテは文字通りの爺さん(失敬な)なのに、さーっと現れる姿は、鷺というよりも鷺の精といった趣。帝の言葉に従うといった並の鷺ではないあたりを早くも予感させるような格調高い姿だ。
 地謡の揃いもよく、華やかで「鷺」の雰囲気を引き立てていた。
 狂言をはさんで、続いてはシテ関根知孝の「卒都婆小町」。なにげに期待しているシテ方さんなのだが、こちらが気力体力ともに充実していないせいで、こうした老女物は正直きつかった。ワキ方との仏法に関わる問答のあたりで意識が何度か飛んでしまった。
 次の休憩で前の席の方が帰ったため、続く仕舞4番と「融」は視界が開けてさらに見やすくなった。観ているこちらも緊張するゾ。
 ラストはシテ津田和忠の「融」<思立之出・十三段之舞>
<十三段之舞>は最後の[早舞]が長く、そして緩急に富んだものとなる小書。その時間は15分を越え、途中で揚げ幕の手前まで戻って立ち止まる<クツロギ>の型も組み込まれていく。見せ場はたっぷりなはずなのだが、なかなか満足のいく舞台は少ない。気力体力が充実して、なおかつ、囃子方も渾然一体となって、源融の霊が遊び舞うさまを格調高く表現しなければならないからであろう。そのため、スタミナ切れかと思われるような場合も少なくない気がする。今回の<十三段之舞>も、後半やや息切れかと感じた。

 観世会による特別義援能のお知らせがあり、予約をする。そして、能楽堂の外では、宗家が自ら募金の呼びかけをしていらっしゃった。心ばかりの寄付をすると、宗家から手が差し出されて「ありがとうございます」のお言葉をいただく。<いや、たいしたことじゃないんで、エヘヘ>とか思って、ひょいと右を見たら、祥六さんも募金箱を手に、立っていらっしゃった。<うひ~、宗家より祥六さんがよかった~>





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011/04/30 10:10:17 PM
コメント(0) | コメントを書く
[遊興生活] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

週番 @ 愛し合う2人 こいどさん、こんばんは >写本ご入手…
こいど@ すばらしい! 写本ご入手、おめでとうございます。 や…
週番 @ うふふ ざあ6869さん、こんばんは >文応三百…
ざあ6869 @ おめでとうございます ヽ(・∀・)ノ 文応三百首、写本ご入手とのこと、おめで…
週番 @ お買い得で まるま5520さん、おはようございます …

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: