ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2003年06月19日
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 いま私がこうしてパソコンに向かって作業をしている間にも、近所の家で雨戸をあける「がたがたがたん」という音や、空調のためにつけている換気扇の「うううーん」という唸り、パソコンの「ぐううううーん」というモーター音、近くのバス通りを行きかう車の音が、バスは「ごわわわわー、ぐるるるーん」、普通の車が「ずるるるるー」、とばすトラックが「ぐわわんわん」ってな具合。

 一つひとつに注意を向けていたら、気が狂いそうですね。あれまあ、今度はカラスが鳴いている。今日は燃えるごみの日だっけ。

 外出すれば、電車の中はおせっかいな車内放送がとめどなく繰り返されます。駅の案内にとどまらず、やれ、駆け込み乗車をするな、年寄りや体の不自由な人や妊婦に席を譲れ、便利なプリペイドカードはいかがですかウンヌンカンヌン、ウンヌンカンヌン……。

 多くの人は馴らされているのか、音の洪水をやり過ごし、新聞や雑誌、文庫本に読みふけったり、メール打ちに熱中していたり、極め付きはヘッドフォンで聞きたい音だけを聞いているという防御策もありますね。

 私たち日本人って、そういう意味ではとても従順な「いい人たち」なんでしょうね。音に対して鈍感というよりも……。

 かつて、日本人は音に対して非常に繊細な感性を持っていると言われたものです。コオロギ、スズムシといった虫の「声」を「声」として受け止め、虫かごに飼って愛でる習慣がありました。他国のかたがたは、虫の声は声ではなく無意味な音、もっと言えば騒音として受け止めるらしい。

 あの繊細な感性はどこへ行ったやら……と書いて筆を置くのが、一昔前のエッセイの常套手段だったりしますね。

 そうやって綺麗にまとめていれば波風を立たすことがないけれども、車中の騒音の洪水と徹底抗戦した人もいました。この人の本はエグイぞ。哲学者である中島義道さんの『うるさい日本の私』(新潮文庫)です。宣伝文をちょっと引用しますね。

>バス・電車、デパートから駅の構内、物干し竿の宣伝まで、けたたましくスピーカーががなりたてる、この日本―。いたるところ騒音だらけ。我慢できない著者は、その"製造元"に抗議に出かけ徹底的に議論する。が、空しい戦いから浮かび上がったのは、他人への押しつけがましい"優しさ"を期待する日本人の姿だった。日本社会の問題点を意外な角度からえぐる、「戦う大学教授」の怪著。

 この著者の戦いが奏功し、車内放送をやめた電鉄会社もあったそうです。ところが、「ないとどこの駅か分からない」「視覚障害者に不親切だ」などの声があって再開せざるを得なかったとのこと。ううむ、難しい問題です。

「他人への押し付けがましい優しさ」というテーマを立てることができる一方、「弱者に優しい社会は強者も生きやすいはずだ」という主張もあります。

 足の怪我をしてみて思ったのは、すべての階段がエスカレーターに置き換わればなんと楽なことかと思いました。できればエレベーターがいい。でも、先を急ぐ人には階段が好ましいだろうし、非常時のために階段をなくすことはできないでしょうね。

 個性や価値観がさまざまに異なる人々が群集をなすということ自体、非常に難しい問題をはらんでいるのではないでしょうか。必要な人が必要な情報やサービスを受けられるのが理想であり、一律的な「押し付け」は迷惑以外の何ものでもないと感ずる人が増えてきたのですね。

 というわけで、必要な人にだけ必要な音声情報を提供するための技術について、エッセイを書くべく準備をしているところのなのでした。

 そこから発展して、「聞きにくい音を聞きやすくする」先端技術についても触れたいと思います。

 使う予定の材料はこちら↓

http://www.mee.co.jp/kaisyaan/press/prs030515.htm
三菱電機エンジニアリング>超指向性音響システム「ここだけ」

http://www.nec-tokin.com/
NECトーキン>ニュースリリース2003年3月3日>圧電式骨伝導スピーカー 同、WEB SHOPにも情報あり

http://www.jvc-victor.co.jp/audio_w/product/radio/ra-bf1/index.html
日本ビクター>ゆっくり聞こえるラジオ「きき楽」







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最終更新日  2003年06月20日 01時42分27秒


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