ライフキャリア総研★主筆の部屋

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2003年07月08日
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 大阪→さいたま→横浜→東京と回り、日本武道館での公演日は、11月29日(土)、30日(日)、12月2日(火)、3日(水)、9日(火)、10日(水)の6日間。S席9,000円だそうです。いつ行こうか、何回行こうか(^^)

 クラプトンの思い出話その他は、また後ほど。今日はこれから浦安で講演です。その後、原稿のタイムリミットが迫っていますが、お昼休みという口実で入谷の朝顔市に寄りたいなあ。どうしよう。



 浦安の講演は、参加者の年齢がいつもより若い感じであった。最後まで熱心に聞いてくださって、こちらもノリノリ。

 終了後、近くにあった老舗の天麩羅屋でお昼ご飯をご馳走になった。貝柱とあさりの剥き身のかき揚げが秀逸。また食べに来たいぐらいだ。

 帰り道に、ちょいと遠回りして入谷鬼子母神の朝顔市へ回った。お参りをしてから、出てすぐの39番の店で行灯作りの4色咲き朝顔2,000円の鉢を買った。

「毎年、ここに出しているから、この番号を覚えてね。いい番号でしょう。よく咲くってね」

 見たところ、茎も太いし、つぼみもたくさんある。葉が少ないのが気がかりだが、その分、花に栄養が回るということなら納得だけど、結果はここ数日に分かるわけだ。楽しみ。

 帰宅後、企画書作りの仕事に取り掛かり、新聞の山を崩しにかかる。なかなかいいネタが見つからないなあ。

 企画には結びつきそうにないが、尾崎放哉の俳句がふと目に留まった。

「咳をしても一人」

 魂が震えたような気がした。そして、彼の終焉の地である小豆島を訪ねた新聞記者の紀行文を読みふけった(以下、朝日新聞2003年7月5日日曜版「be」より)。

 尾崎放哉は、東京帝大法学部卒のエリートだったが、人間関係と酒の失敗で会社を解雇され、妻からも見捨てられ、放浪の旅に出た。

 肋膜炎を患い、日々の肉体労働についていけなくなったため、1925年、自由律詩の師で大学の先輩である荻原井泉水(おぎわらせいせんすい)に手紙を書き、住みかとなる庵の紹介を頼んだ。その条件とは……

「淋しい処でもよいから番人がしたい」
「近所の子供に読書や英語でも教えて、タバコ代ぐらいもらいたい」
「小さい庵でよい」
「それから、すぐ、そばに海があると、もっとよい」
(原文はカタカナと漢字交じり文)

 そして井泉水から紹介されたのが、小豆島だった。

 都会育ちのエリート意識を棄てられず、鼻つまみ者だったらしい。みんなに嫌われながら、41年間の生涯最後の8カ月を過ごした。

「咳をしても一人」は、小豆島で作った216句の中のひとつ。

 食欲があったころは食べ物に関する句もあったが、病状が進むにつれ、身体の衰えを描いた句も目立ち、やがては死に関する句になっていった。

 紀行文の筆者である記者の言葉が胸をうつ。

(亡くなるまでの8カ月に)「やったことはただひとつ。みんなに嫌われ、ひとりで句を作り、「孤独」に向かって突っ走ることだけだった」。

 孤独に向かって突っ走る……か。ううむ。

 放哉の詩は、↓このページでたくさん読めます。

 小豆島 尾崎放哉記念館
http://www2.netwave.or.jp/~hosai/

 放哉の訃報にふれた種田山頭火は、「放哉居士の作に和して」と前置きし、こんな句を作ったそうだ。

「烏啼いてわたしも一人」

 山頭火も放哉と同じく、酒で失敗し、家族のもとから遁走した漂泊の詩人だった。

「フーテンの寅さん」こと渥美清は、いつか映画で放哉を演じることを願い、自らも自由律詩を好んで作ったという。

「いわせれば文句ありそなせんべい布団」
「どぶろくやはらかく噛んで眠くなってくる」

 なかなかいい味。句会での俳号は「風天」だったという。

 作家・吉村昭が放哉の生涯を『海も暮れきる』(講談社文庫)という小説に描いているそうだ。さっそくネット書店で注文。放哉、山頭火の句集も一緒に。

 すると、おすすめメッセージがついてきて、住宅顕信という人の句集を知った。

「23歳で白血病に倒れ、妻にも去られ、病室で幼子を育てながらわずか25歳で世を去ったひとりの俳人。生と死、孤独と絶望、その中で懸命に生き、そこからこぼれ落ちる魂の叫び。その人の名はスミタク・ケンシン」

 1961年生まれで、十代後半から、種田山頭火、尾崎放哉に傾倒し、同人誌に投句を始めた。入院中に自費出版した『試作帳』で世に知られるようになった。

 尾崎放哉~種田山頭火~住宅顕信という、孤独の中に生きた漂泊の詩人たちから、なんだか呼ばれてしまったようだ。

 鶴首して本が届くのを待つのみ。

 ライターとしてもカウンセラーとしても中途半端な私だけれども、何より人間として中途半端だなあと思い、やりきれぬ孤独感に襲われるのだった。

 仕事するより他に能がなく、その仕事にしても超一流というわけでもなく、あらかじめ配偶者や子供に恵まれない運命なのだなあと思うとねえ……。でもまあ、そういう生き方だってアリですよねと問いかけたときに、同意してくれる先輩がどこかにいるといいなあと思いつつ。






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最終更新日  2003年07月09日 14時11分16秒


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