今夜は大阪泊です。新幹線の大幅遅延にも負けず、ロシナンテPCを引き連れ、やってきました大阪へ。明日は某老人保健施設の取材です。私のメインの仕事はジャーナリスト、専門分野で言えば厚生労働ライター、もう少し哲学的に言えば生老病死ライターです。
昨日に引き続き、最低賃金改定をめぐるニュースを追いかけてみました。このホテルは、全室インターネット接続OKです。さくさく……日経新聞と赤旗の報道姿勢のあまりの違いに愕然としたのでした。
まずは日経から引用。
賃金の下限である最低賃金について、時給687円の全国平均額を15円程度引き上げることで決着した。最低賃金と生活保護との逆転解消を目指す改正最低賃金法により、来年度も2ケタの引き上げが続く見通し。低所得者の生活の下支えになるが、物価も上昇しており消費拡大効果は限定的とみられる。生産性向上や価格転嫁が進まないと中小・零細企業の雇用に悪影響を与える懸念もある。
NIKKEI NET 2008.08.06 7:00a.m.
お次は、「しんぶん赤旗」。途中からの引用なので、説明が足りない部分は( )で補いました。
時給七百円台に乗るとはいえ、年収にしても百五十万円にもならず、時給千円に到達するには二十年もかかる計算です。百円以上もある大都市と地方の格差をさらに拡大することになりかねません。
(生活保護水準との)逆転現象も最大五年かけて解消するとしており、速やかな解消が求められる法改正の趣旨にも反しています。
小委員会で労働側はナショナルミニマム(最低生活保障)をめざして本年は五十円程度の引き上げを主張。指標とする生活保護基準には、県庁所在地の基準を使うことや所定内労働時間を用いるなど必要生計費を反映させるよう求めました。
これに対し使用者側は、原油高などで中小企業の経営が苦しいとして大幅引き上げに反対。生活保護基準には県平均値を使い、勤労控除を除くなど生活保護水準を抑え込みました。生活保護との逆転現象は十二都道府県、かい離も最大八十九円にとどまりました。
全労連などの試算でも、あるべき生活保護水準は時間額千円から千二百円となり、全都道府県で四百-五百円も下回っているのが実態です。不十分な生活保護基準を抑え込むのではなく、低すぎる最低賃金を引き上げることこそ求められます。
経営側は中小企業の経営悪化を理由に大幅引き上げに反対しますが、経営悪化は最低賃金のせいではなく、家計より大企業のもうけ優先の失政が招いた景気低迷や親企業による単価の切り下げなど不公正取引にあります。
政府の労働経済白書でも、中小企業の厳しい経営環境の背景として「消費を初めとした国内需要の伸びの低迷、大企業の利益志向の強まりがある」と指摘し、「中小零細企業における賃金の改善」などを打ち出さざるをえなくなっています。最賃引き上げこそ内需を拡大し、中小企業の経営難を打開していく力になるものです。
最賃引き上げのたたかいは地方の最賃審議会に移ります。物価高騰による生活危機を打開するためにも大幅引き上げは急務になっており、生活できる最低賃金めざすたたかいはこれからです。(深山直人)
なんという目配りの違い。あえて視点の違いとは言いません。日経報道はいかにも日経らしいが、労使双方に気を使うあまり、結果的に思考停止状態に陥っていますね。しんぶん赤旗のほうは、もっぱら労働者の視点ですが、抉るようにどこまでも深い。報道たるもの、こうでなければ、いけません。単なる発表資料の焼き直しに終わっていない。背景取材や調査をきちんと行った痕跡が見られます。
やはり、世の中はひとつの視点だけで見ていては分からないものです。じっとしていたら、人間は360度の視野は得られませんが、目と首を動かせば200度超の視野が得られるし、自分が動いて時間を味方につければ360度の視野も得られる。とはいえ、確固たる立脚点は必要でしょう。昔の人は「根拠地」なんて言葉も使いました。
おっと、新幹線車中で飲んだムニュムニュムニュのおかげで、すっかりハイになっているかもしれません。クイズはどうしようかなあ……。
Q1.従来の最低賃金の矛盾点が一部の人材派遣事業者に悪用されていましたが、その手口は、どのようなものだったでしょうか。いわば「格差の便乗」というか「悪用」です。ちなみに改正最賃法では、この法の抜け穴が完全に塞がれています。
Q2.今年の7月1日から最低賃金法が改正されました。改正のポイントはいくつかありますが、そのひとつが罰則規定の強化です。
地域別最低賃金を下回る賃金を払った場合の罰金の上限額は、2万円から( )万円に引き上げられました。
( )の中に入る数字は何でしょうか?
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