桜 色

桜 色



僕は何のために生まれてきたのだろう?


そうふと考える。

大勢の中の1つの結晶


僕がいなくてもいいんじゃないか?


だがもうここは空の上。

どうする事もできない

ただ落ちていく


地上が見える。

明々と輝く、大きなクリスマスツリー


僕もあんな風になりたかった。

ずっと冬の間中みんなに見てもらえる


きれいだなぁ


もう、地面に着いてしまう

僕の命はここで尽きる

溶けて水になって新しい命となる


さよなら自分・・・


あっ!?

「ほら見てお父さん!!雪だよ!!」

雪は少女の手のひらに優しく乗っている


これが僕の生きる意味だったんだ。

よかった・・・


雪は静かに水へと変わっていった


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