思いもかけない恋におちて

思いもかけない恋におちて

食事の後


食欲もなくなりました


楽しい話題をと思っても、すぐ会話が途切れてしまって

また、話さなければいけないことはたくさんあったのに
何から話していいかわからず

どっちでもいいような会話を続けていました・・


閉店の時間になりました

「・・・でましょうか?」


外に出て道を渡ると海岸になっていて
二人とも黙ったまま、そちらに歩いていきました

「・・・少し話ししない?」


砂浜に腰をおろして、光る海を二人して見つめていました

・・・

・・・沈黙が長い間続いて・・・

私は今しかないと思って言葉にしました


「キスしてくれる?」


ひどく澄みわたって、自分の声ではないように聞こえました

彼は正面の海をじっと見つめていて
私は彼の横顔をみていました

その横顔はとても美しく
今自分がなにをしようとしているのかも忘れて見とれていました



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