売り場に学ぼう by 太田伸之

売り場に学ぼう by 太田伸之

PR

Profile

Nobuyuki Ota

Nobuyuki Ota

Calendar

2025.07.01
XML
​​私は中国事情通ではありません、中国語は全く喋れません。この1年半の間にたびたび中国アパレル経営者向けセミナー講演に呼ばれましたが、訪問した都市はせいぜい10箇所程度、中国事情の初心者マークそのもの。出張するたびに中国の歴史の長さ、国土の広さ、そして人口の多さにびっくりさせられています。

毎回中国セミナーに招いてくれるのは、このブログで何度も紹介しているSCM(サプライチェーンマネジメント)コンサル会社を経営する金時光(アーロン・ジン)さん。ジンさんはSCMコンサルティング以外にも中国製電機製品の輸出やファッション流通業向け研修などを行っていますが、このところ日本出張が増えたので都内に賃貸マンションを借り、先月はずっと東京に滞在しました。

東京滞在のジンさんを頼っていろんな中国企業経営者が来日、先月私もジンさん共々中国経営者と会食する機会が何度もありました。まだ創業して間もない新興アパレルメーカー、急成長中の電機メーカー、高級輸入車ディーラー、そして上海蟹流通組合の会長など業態はさまざま、皆さんと交流することができました。

NHKドキュメンタリー番組「世紀の映像 バタフライエフェクト」で中国は何度も取り上げられていますが、中国近代化は毛沢東が指揮した文化大革命が終わった1977年からなのでまだ50年も経っていません。多くの民間企業は解放政策以降に創業しているので50年未満がほとんど、100年に及ぶ老舗民間企業はまず存在しません。


​恒源祥本社屋上から上海市内をのぞむ​

会長よれば、中国はかつて貧しく多くの地域は極寒だったので政府は毛糸の手袋、靴下、腹巻など防寒用品を配給する必要がありました。だから政府は 恒源祥を長らく国営事業として直轄統治、解放政策で民営企業に復活しました。

中国企業相手にセミナーするたび驚かされるのは、なんと言ってもそれぞれの企業の売上規模。日本なら中堅アパレルと呼べそうな創業10年余のアパレルメーカーならほぼ売上5百〜6百億円(日本円換算)くらい、ジンさんに「大手企業ですよ」と紹介される会社のほとんどは従業員1万人以上、売上は2兆円規模なんです。日本で大手アパレルメーカーだと2千億円ほどでしょうから、人口が日本の10倍以上の中国は市場規模が大きく巨額売上になります。

順位 都市名 人口(百万人)
1
重慶 31.914
2
上海 24.874
3
北京 21.858
4
成都 21.403
5
広州 18.827
6
深圳 17.791
7
武漢 13.774
8
天津 13.641
9
西安 13.078
10
鄭州 13.008
11
蘇州 12.958
12
杭州 12.522
13
石家荘 11.233
14
臨沂 10.943
15
長沙 10.513
16
東莞 10.485
17
青島 10.371
18
合肥 9.853
19
ハルピン 9.776
20
温州 9.761
21
寧波 9.697
22
佛山 9.615
23
南京 9.547
24
南陽 9.497
25
済南 9.436


​​​​中国事情に疎い私はネットで大都市の人口を調べてみました。上の表は2023年度の人口上位都市、数字はそれぞれ近郊も含めた人口数です。内陸工業都市の重慶はなんと第1位の3000万人超、政治の中心北京や商業の中心上海よりも多いんですね。第5位広州と12位杭州は共に婦人服メーカーがたくさん集積、21位の寧波は紳士服製造が盛んです。

ちなみに前職官民投資ファンドのとき、寧波市に阪急百貨店と組んでショッピングセンターを建設し、そこを拠点に日本の優れものや美味しいものを売り込むプロジェクトがありました。


寧波の大手紳士服アパレル本社工場

寧波は飛鳥時代に遣隋使や遣唐使がたどり着いた歴史ある港町ですが、市内でたくさんのポルシェのスポーツカーを目撃、「ここは富裕層がかなり多い」と実感しました。この街でショッピングセンターを運営するのであれば、富裕層に向けてラグジュアリーブランドを揃えないことには集客できない、阪急百貨店は開店延期してもラグジュアリーブランド一括導入を優先しました。一級都市ではなくても人口は約900万人、阪急百貨店本店がある大阪市よりもずっと大きい商圏なんです。

深圳市は中国本土と香港を結ぶ近代都市、ハイテク産業のハーウェイ、テンセント、EV車のBYDなどの本社があります。深圳の近代的ビルは壁面がまるで液晶テレビのように眩しく、未来都市そのものみたいに感じます。先週末は深圳の電子メーカー二代目と遅くまで交流しました。米国と英国の大学に留学していたこの若者、英語は流暢、性格優しく、「経営者たる者は」というマジなテーマで盛り上がりました。こういう日本の若者、なかなか巡り合いませんね。


広州の大型SC

​​
昨年末にお邪魔した広州のお隣にある佛山市、日本ではほとんど知られていない地方都市ですが、それでも人口900万人もいて第22位。ただこちらでは建設がストップしたままのビルや完成しているのに入居者がいないマンションが目立ち、上海や広州などの大都会とは違って景気鈍化は顕著でした。

しかし、なんと言っても人口が多い国にはパワーがあります。現在の不動産バブルがある程度おさまったら、中国景気は一気に回復するかもしれません。人口減少が顕著な日本は市場が将来シュリンクするでしょうが、日本の10倍以上の人口を誇る中国は違った道を辿るような気がします。少子化をストップする施策、日本政府には具体的プランがあればいいのですが。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025.07.02 23:24:55
[ファッションビジネス] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: