魂の還る場所

魂の還る場所

扉の向こう側

 怖かった。
 その向こう側が怖くて怖くて・・・立ち止まってばかりで。
 知らない、その向こう側。
 浮かぶのはありとあらゆる怖さだけだった。
 …ただ、終わるだけ。
 そこにあるのは、終わりだけ。
 想像出来るのは終わりだけだった。
 チャンスは何度かあったのに、その向こう側へ行けなかった。
 …何かが変わって、何かが終わってしまう…。
 だったらこのままで、…このままがいい。
 何も変わらないまま続いていけると信じられるから。
 変わることも。
 続くことも。
 それは終わりに向かうための扉のようにしか思えなかった。

 あぁ、だけど、本当はそうじゃなかったのか・・・。
 それはただ終わるためじゃなくて、変わって、続いていくためにある。

 ひとつひとつを積み重ねる。
 新しい何かを吸収していく。
 昨日までの自分に今日の自分を追加する。
 成長を続けていくこと。

 苦しかったこと、辛かったこと、不安だったこと、怖かったこと。
 それは自分を否定するためにあるんじゃない。
 クリア出来ることが増える毎に、放つ光は強さを増していく。

 さぁ、行こう。

 その扉を開けて進む時、ひとりじゃないから。




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