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さすらいの天才不良文学中年
ミラーマンの経済政策 デフレは諸悪の根源
ミラーマンの経済政策
本屋に行くと、出版社発行のタダでくれる雑誌がある。これが意外と重宝する。ダイヤモンド社が発行する「経(Kei)」もそのうちの一つである。
さて、その「経」9月号だが、表紙を飾る著者の一人にあの「植草一秀」がいた。そう、今や、ミラーマンからサワリーマンに変身したあの有名人である。
タイトルは「次期政権が採用すべき経済政策」である。迷わず一読した。
記事の中身は、秀れている。そのエッセンスを紹介すると、
1.小泉「改革」の評価は、道路公団・優勢民営化・三位一体のいずれもがはっきりせず、不透明である。
2.小泉政権の経済政策運営は失敗し、日本の財政収支を大幅に悪化させた。皮肉にも、小泉首相が当初示した経済政策運営の基本路線である「緊縮財政」と「企業破綻処理推進」とを前面放棄した後、日本経済の改善は始動した。
3.小さな政府では、政府部門の無駄の本丸である「天下り制度」の廃止が全く示されず、逆に弱者切捨ての政策が進展した。また、公共事業の全てが悪とする決めつけは、行き過ぎである。
4.経済悪化の局面で緊縮財政を強行したことが「経済の悪化」だけではなく、「財政収支の悪化」をもたらしたことこそ小泉政権の教訓である。バブル崩壊後、今回が3度目の日本経済の浮揚のチャンスであり、それを生かす方策を新政権は提示しなければならない。
いずれも全うな内容である。しかし、これだけ優秀な人間が、どうしてああなっちゃうんだろうなぁ。優秀だからこそなる、一種の性格破綻者かも知れないなぁ。しかし、それを通り越して、今や語る価値もないよなぁ。
石炭を思い出す
ここまで原油の値段が上がってしまうと、これまで二度経験した石油ショックを通り越してしまうのではないか。
解決するには、構造的な改革しか手がなかろう。
おいらが小学生のころに石炭が枯渇した。炭鉱は閉鎖され、石炭の座は石油に替わったのである。
それと同じで、誰も石油を使わなくなるのではないか。いずれ、自動車は水素で動くことになろう。理論上は水素で動くことが証明されている(水を分解するときのエネルギーが動力)と記憶している。
随分前のことだが、ゴルゴ13が水素で動く車を狙撃する話しがあった。そんなことをされたら石油メジャーが死活問題になるというのが理由だったが、当時の考えとしては理解出来ない話しではない(ただし、現在マスコミ等で指摘されている代替エネルギーは太陽熱や風力が中心で、水素について触れているものは少ない)。
しかし、最早、そんなことを云っている場合ではない。石油の値段が2割増や3割増になったというのではない。倍になったのだ。これでは経済合理性が働く訳がない。
石油はもう使えないということに等しいのだ。
石油の産出が今後増えようが、経済合理性が働かないという構図は変わらないだろう。
いずれ石油は石炭と同じ化石燃料の道を歩むような気がする。考えようによっては、原油価格の上昇は地球温暖化を防ぐ特効薬になる可能性を秘めている。
諸悪の根源はデフレである(前編)
諸悪の根源はデフレである。
デフレを一言で述べれば、「供給に対して、需要不足」である(これに対し、インフレは「需要に対して、供給不足」)。
つまり、今のデフレが続くと、供給側はいくら供給してもそれに見合う需要がないということになり、日本の企業は(国内での)店をたたむか、海外でモノを売るしか道はなくなる。
しかし、海外へ輸出シフトをしようにも、現在の円高では他国との競争力があるとはいえない。
つまり、日本では需要不足、海外では円高により輸出が難しいことになり、日本国内の産業は討ち死にも同然となる。
したがって、日本の工場はどうするかというと、討ち死にを避けるために海外へ移転するしかなくなるのである。
これが、いわゆる国内産業の空洞化ということである。
では、国内に工場がなくなるというのはどういうことか冷静に考えると、実に恐ろしいことだと気付くのである。
国内に産業がなくなるということを端的に云うと、日本の未来がギリシャのようになる可能性があるということである。だって、日本は何も作らなくなるのである。ギリシャでモノを作っているという話しは聞いたことがない。産業として残るのはせいぜい農業と観光産業である。
そうすると、日本のGDPは激減する。GDPが下がるということは、景気が悪くなるということである。工場がなくなるので、雇用もなくなる。若者が就職する先もなくなるということである。
GDPの激減は、税収も激減させる。何故なら、
税収=GDP × 一定割合
だからである。税収が激減して、日本国も立ち行かなくなるという構図である。
要するに、デフレ継続=>円高継続=>GDP減少が一番の問題であることに気付く(この項続く)。
諸悪の根源はデフレである(後編)
では、デフレを退治するにはどうすれば良いか。
答えは、簡単である。インフレにすれば良いのである。
では、どうやって。
実は、簡単にインフレにする方法がある。それは、前にも述べたことがあるが、お札を刷れば良いのである。
世界は今、自国通貨安競争の真っ最中である。
米ドルはもとより、欧州ユーロ、英ポンド、中国元は大安売りである。自国通貨を安くさせることによって、輸出競争力を高めているのである。おかげでドイツの経済は絶好調である。この競争に参加していないのは、一人、日本だけである。一国だけ頑張るとその国は損をする。
歴史上、記憶に残る通貨安競争は、1929年の世界大恐慌後である。世界各国は競って自国通貨安としたのだが、フランスだけが参戦しなかったのである。その結果、フランスの経済は窮乏化し、最終的にはナチスドイツに占領されたのである(余談だが、だから、おいらたちは、今日本の周りに軍艦をうろうろさせている国には気を付けた方が良い)。
円が安くなれば、日本経済は一気に回復する。これはおいらが勝手に師匠と呼んでいる藤巻健史氏の受け売りでもある。
ところで、なぜデフレの脱却が急務と考えるようになったかと云うと、最近、三橋貴明氏の著書「日本経済ダメ論のウソ」を読んで、現在の政策を続ける民主党政権と日本銀行の政策に我慢がならなくなったからである。
価値の裏付けのないお札を刷り続けることによって、ハイパーインフレが生じることは確かに怖い。だが、今の日本にとっては、デフレの方がもっと怖いのである。このままデフレが続くことは、日本経済が座して死を待つことにも等しい。
ところが、野田現政権はデフレを放任し、しかも、デフレを促進させる緊縮財政、増税路線を歩もうとしているのである。現政権には疑問を抱かざるを得ない。
こういうときの経済政策は、「財政出動、減税、金融緩和」の三点セットを行うしかないのである。そうしない限り、デフレは継続する。この国の上層部には、ひょっとしたらこうして日本の国力をわざと弱めて、第三国の傘下に入らせようとしているインテリジェンスがいるのではないか、と勘ぐってしまうほどである。
繰り返すが、今の日本国の閉塞感を打破するためには、デフレを退治するしか道はない。円安を誘導して、緩やかなGDPの拡大を目指さなければ日本の将来はない。
そのためにすることは、簡単極まりないことである。世界各国の自国通貨安戦争に参戦し、少なくとも負けないことである(この項終り)。
野田政権浮上の特効薬
野田政権の評判が芳しいとは云えない。
マスコミが報道する支持率は低下続きである。このままであれば、ジリ貧の様相は免れない。
そこで、野田政権浮上の特効薬を授けよう(ホンマかいな)。
それは、一昨日のおいらのブログ「諸悪の根源はデフレ」で述べた三点セットを実施することである。
具体的には「財政出動、減税、金融緩和」である。
間違いなく景気は高揚するのだが、果たして野田政権にそれだけの勇気があるだろうか(ないだろうなぁ)。
おいらは、この鍵は米国だと見ている。来年11月に行われる大統領選がいよいよ1年を切り、オバマ大統領が日本の円安ドル高政策を許すかどうかである(許すとは思えない)。
何が云いたいかというと、要は、歴代の内閣が全て米国の云いなりにさせられてきたということである。日本の政治経済史は対米追従の歴史である。
故田中角栄は、米国と別ルートで石油ルートを確保しようとしただけで、ロッキード事件を起こされ失脚させられている。安倍晋三元総理が政権を放り投げたのも米国に見捨てられたのが主たる理由のようだ(詳細は、京都大学中西教授の諸論文を参照されたい)。
最近では、鳩山民主党の失態も米国から離れようとしたツケを払わされたに過ぎない。だから、日本政府と日銀のデフレ継続政策も米国の影がちらついて仕方がない。
しかし、本当に野田さんが男になりたいのであれば、前記の政策を行えば簡単に日本は復活するのである。
ところが、彼が実際にやっていることは「緊縮財政、増税、金融無政策」への舵取りである。
これって、日本は沈没、反面、米国は復活の道を着実に歩んでいると思う。この背後には、そうやって日本の国力を低下させたままにしておきたいというインテリジェンスがどうもいるようにしか思えないのだが…。
民主党とは何だったのか
今年は政局になる可能性が高いと予想されている
そりゃそうだろう、政権与党の民主党があれほど公約違反をすれば、何が起きても不思議ではない。
だって、このご時世に増税だよ。
確か、マニフェストでは増税しないと云っていたのではなかったのかしらん
そう云えば、八つ場ダムも再開だという。
民主党の公約違反を列挙してみると、子供手当の断念、普天間飛行場の県外移設暗礁、ガソリンの暫定税率廃止未実現、高速道路無料化断念、衆議院比例定数80削減・国家公務員の総人件費2割カット未実現など枚挙に暇がない。
某女性評論家によると、政権与党になれば現実に直面した段階で事情変更の原則が認められる=大人の解決が必要だとのたまわれるのだが(無論、おいらもそれを否定しない)、それにしても限度がある。
これだけ公約を反故にするというのは、恐らく世の中を舐めているんだろうねぇ。
おいらも民主党のマニフェスト違反にはもう慣れっこになっているので驚きもしないのだが(つまるところ、結局、「民主党とは何だったのか」ということ=民主党は壊滅するのかなぁ)、増税の前に一つだけやることがありませんかとは思うね。
それは、増税の前に「デフレの脱却」をしておいて欲しいということである。
増税と歳出の削減を行えば、間違いなく縮小均衡になってしまう。資本主義の原則は少しずつでも良いのだが、拡大均衡でなければならない(最低でも現状維持)。
今の世で増税しては、日本はへたってしまう。
百歩譲って増税するのであれば、その前に日銀が量的緩和に踏み切り、デフレを脱却することが必要である。
量的緩和とは早い話しが、日銀がお札を刷ることである。既に米国とユーロ圏は大量にお札を刷って自国通貨安を演出してきた。その間、一人日本のみが何もしないで、その結果が今の超円高とデフレ地獄である。
これに対し、日銀と財務省は円の信認が失われるという理由などによって量的緩和を限定的にしか行っていない(数字上はやっているように見せかけているが、実質的にはやっていないに等しい)。
だが、その本質は、米国に気兼ねして何もできないというのが正解だろう。これでは思考停止と同様である。魚は頭から腐る。
嫌な国になったものだねぇ。やはり、日本を脱出するしかないのだろうか。
ぬらりひょん
水木しげるの描く妖怪に「ぬらりひょん(瓢箪ナマズのように掴みどころのない化け物)」というのがいる。
興味のある人はネットで検索してつかあさい。ただし、今回は何もぬらりひょん自体を取り上げたいのではない。日銀の某総裁の容姿が似ているから、書き込んでいるだけである。
おいらの云うところの日本経済回復に、デフレ脱却は不可避だと考えている。したがって、随分前からインフレターゲットの導入を唱えていたが、このほどやっと日銀は1%の目標を設定した。
市場はこれに好感して円安基調・株高基調になり、現時点ではご同慶の至りである。
しかし、今回のインフレターゲットの動機は不純らしい。
某週刊誌の囲み記事によれば、日銀のアリバイ作りにほかならないとしている。要は、デフレ脱却のために政治主導でインフレターゲットの導入が行われようとしているので、米国が行っている2%の半分をいやいや追随、しかも期限を定めず、責任の所在も不明にしていると言うのである(諸外国では、未達成の場合の中央銀行の責任は必ずセットになっている)。
実際、昨日午前中に行われた国会中継を見ていると、自民党中川秀直衆議院議員がその辺の問題点を浮き彫りにして質問していた。だが、ぬらりひょんの答弁はのらりくらりで本気で取り組む気があるのかどうか不透明であった。ぬらりひょんの面目躍如である。
今の時代の閉塞感は、もう20年も継続している。茹で蛙であれば、とっくに煮上がっている。ギボンの書いたローマ帝国の衰亡を実際においらの時代に身を持って味わうことになるのだろうか。
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