ところで、映画を作りたいと思っても、自分が何に向かうべきか悩むことも多い。私がそうだ。この歳になっても悩んでいる。自分が何をやりたいのか。何を見たいのかがとんと分からない。人生、そろそろ「如何に終わるか」を考える時期に来ているのに・・・。
まず、今、私をして、何にときめくか。人生の大切なものと引き換えにする価値のあるものは何かを考えることにしよう。そこで「それは映画だ」なんて人は、もう映画は撮れない。だって、そこでは映画が目的になっているから。映画を方法化するといったじゃない?
で、私ならいくつかの願望がある。まず、自分が生きているこの世界の状況というものを(それが如何に下らなくとも)認識していたいし、場合によっては発言もしてみたい。また、いくら落ち着く年齢であっても恋愛や、ある種のエロスを感じてみたい。物語として、あるいは現実でもいいのだけれど、やらなかった人生(今の自分の裏側に隠れた)をスタートしたい。
そんないくつかの事を想定し、それはどのような情景の中で見られるのか(画像として)をコンテにしていく。もう頭の中は、まるで思春期の少年のように、いやらしい幻想でいっぱいだ。可能かどうかなんてどうでも良い。そんなことは、「向かうべき映画」の方向が決まってから具体化すればよい。
言うのは簡単だよな、とのご意見ごもっとも。私が企画をすすめたいのは、ある程度年齢が進んだ恋の話かな。そう、恥ずかしいけれど恋愛映画だ。
男と女にバックグラウンドを表現しておく。たとえば、男は職を失いそうであり、また自殺者が3万人を越える日本の状況は戦争以上の犯罪だと感じている。しかし、戦う手段も力もない。悪夢にさいなまれている。
女は年老いた母親を介護している。このままでは、自分の人生は介護で終わってしまうと感じている。
そんな2人が、ただ2日間愛し合う、ひたすら抱き合う映画だ。絵画のような美しい画像で切り取る。その背景に現実が存在する。
主人公たちは、もう十分に大人だから、テレビドラマのような甘っちょろい希望なんて持たない制限もある。ウフフ。
面白くない?もちろん、いわゆるドラマツルギーは捨てる。斬新にシーンを飛ばしていくし、ミックスしていく。出来るだけ台詞も抑えたい。説明的でないようにしたい。では、言葉でしか表現できない部分はどうするか?
もう少しだ。がんばろう。いつかこのページでシナリオを発表するつもりだ。次回作は「恋愛映画」・・・笑わないでよ。
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