吸血


..






暗いくらい路地で


一人で


ふらふらふら歩いていたら


噛み付かれてしまう


とくに綺麗なお嬢さん


首もとに



気をつけて







く  ろ  マ  ン  ト




疲れた。

とくに今日は疲れた。

足がダルイ。

部活帰り。

時刻は、もう八時半。友達と部活後たわむれていたら、こんな時間だ。

「少女が、本当危ない時間だわ。」
ブツブツと独り言を言いながら、誰かが迎えに来てくれるなんて生意気な弟と忙しい母と帰りの遅い父に希望まで抱いてたりする。

暑いせいか、汗がすっと流れおちその度に服をつかんで風を入れる。




電灯に集まっている虫たちが、やけに騒がしい。


ぶ~んばちっ。

その音がなんども繰り返し聞こえて、イライラする。



風がふいてきた。

「涼しい~・・。」

そういっていたのも数分。

すぐに汗で寒くなった。



「っ~・・明日しあいなのにっ・・!」

風邪でもひいたらどうするかと、ただブツブツと独り言を口からこぼす。



満月。

今日は満月だ。

やけに綺麗。


そっと、手をかざしてみる。

嗚呼、こんなに遠い。


その時―――・・・・!


スッ・・。




黒マントを着て、空を飛び、満月をとおりすぎている・・・


「人・・!?」




ごしごしと目をこする。


さっきまでの光景はなく・・


シンと静まり返る道がやけに寂しい。




「な、なわけないじゃない!つ、疲れてるせいよ。うん。」


現実逃避するみたいに、何度も自分自身に語りかける。






これがきっと



運命だったのかもしれない・・。









「よっしゃぁ、やったるでーっ!!」

朝から、大きな声で五月蝿いのは部長の堀口 竜 (ほりぐち たつ)。

んでもって、私光永 葵(みつなが まもる)の幼馴染であったりする。


こちら、バスケ部。男子も女子もはりきっている。

今日は試合。

こちら光心満高校と、相手優希高校が試合する。

光心満高校はあんまり有名じゃないんだけど、優希高校は有名だったりする。

だから大変だ。

負け勝ちが大切じゃなくて、どれだけ頑張ったか。
が大切なんだけど試合。勝ち負けどちらか真剣勝負。
そんな目的で行きたい。




「なっ、あんま自信ナインやけど・・勝つつもりやで~!」
竜が、話しかけてきた。

「自信ないんじゃ、ダメダメだねー。」

と、見下していってみる。

そしたら悔しそうな顔をしていたので・・

「じゃ、どっちが多くゴール入れられたか勝負しようじゃないかタッツン。」

そしたら、ニパァッと明るくなって

なんども頷いた。




が、長時間待っているが相手の優希高校がこない。

体育館は、ざわめきでいっぱいだ。


「相手のチームのキャプテンが、昨日倒れたらしいよ。」

「え~なんで!?」

「なんかひどい、貧血起こしたって。」

「うそーっ!?なんでなんで??」

「昨日の帰り道で倒れてたって・・!!」

「キャーこわーいっ。」


バスケ部の花島と高璃が話していたのが聞こえる。


昨日の夜・・・?

昨日の夜・・といえば・・・

満月 くろいマント 人 どんでた 

あれ・・。



もしかして・・・・


「吸血鬼!?」


そう叫んだ瞬間、体育館がシンとした。


それから、その吸血鬼かもしれないとゆう噂が広まった。


相手のチームのキャプテンが治るまで試合は中止となり・・


そして葵には興味とゆうものがわいてきた。



吸血鬼。




「探してあげようじゃないっ!」


そう気合を入れた。





ひらひひらり




くろいマントがゆれていく









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