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今日は真空管オーディオフェアに行ってきた。ソフトンの善本さんがFull Musicの845,211,805を紹介していた。鍋つかみ用手袋で、熱い真空管を差し替えるところが面白かった。エイフルの若林さんは巨大なWE-308を良い音で鳴らしていた。終了近くに行ったので、会場はもうかなり空いていて、片づけを始めているところもあった。 ところで、現在製作中のアンプの、入力ショート時の雑音を測ってみた。まだNFBはかかっていない。LchはSP端子で1mV以下で、真空管を指で弾いても大した雑音は出ないのだが、Rchは真空管に少し触れただけで、数100mVの振動波形が出てしまう。これは、マイクロフォニック雑音である。早速フェアの帰りにまたクラシックコンポーネンツに寄って、12AT7が一本雑音が多いというと、またまた交換してくれた。差し替えてみると、今度はきわめて優秀で、叩いてもほとんど雑音が出ない。 雑音を再度測ると、電源から遠いLchは0.3-0.4mVrmsだが、電源に近いRchは0.8-1.0mVrms程度のハムとパルス性雑音が出る。雑音についてはさらに何か対策が必要かもしれない。
2005.10.09
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片チャンネルは極めて正常に動作している。電源にチョークコイルが入っていないため、出力トランスの中点では、4Vp-pもの大きなリップル電圧がある(波形上)。出力にも最初は2mVrms程度の雑音が出ていた(波形下)。ここで、プッシュプルのバランスを念入りに取ってみる。と言っても、ウィリアムソン型のバランス調整は簡単である。するとお見事! 雑音は0.2mVrmsまで激減してしまった。これなら文句ない。シングルアンプではこのような雑音打ち消しは不可能である。あらためて、プッシュプルの合理性を実感した。もっとも、スイッチを入れてから安定するまでの間、ブーーンというハム音が聞こえることだろう…。 負荷抵抗が4kΩと低めなのにもかかわらず、無帰還でダンピングファクターが1.5もある。B電圧300Vで出力10.5Wと大きい。6RA8の素性の良さにあらためて感心した。まさに幻の銘球である。
2006.08.11
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最近、体調を崩していて、1ヶ月以上ずっとオーディオ装置に触っていなかった。久しぶりにCDを掛けてみたところ、なかなか良い音がするので嬉しくなった。季節によってずいぶん音の印象が変わるように思う。これから梅雨に入るまでの間が1年中で1番良い音がするように感じる。もっとも、アキュフェーズのイコライザーでこまめに音場補正をしていくと、常に同じ音が出せるのかもしれない。 そう言えば、石井伸一郎氏の「リスニングルームの音響学」という本が発売になった。この手の本は好きなので、早速買ってきた。一番右がそれであるが、「石井式リスニングルーム」について詳しくまとめられている。この本によれば、部屋の縦・横・高さの理想的な比率は1.00:0.845:0.725だそうである。シミュレーションによれば、高さが0.6以下の比率だと決して低音がうまく再生できないと言う。ちなみに私の家のリスニングルームはどうかというと、縦・横・高さの比率が1.00:0.82:0.69でなかなか良い値なのである。昔、加銅鉄平氏の著書を参考にして自分で設計したときのことを思い出した。
2009.04.12
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結局、部屋の大きさは遮音壁で囲まれた部分が4.259m×3.441mで、高さは2.680mとなった。さらに吸音/反射壁が内側に貼られるため、内寸としては、4.032m×3.214mの広さとなって、10畳と言っても実際には7.8畳ほどになってしまった 壁の遮音については、ヘーベルハウスの標準防音仕様に準拠している。壁の構造を下図に示す。 実質的な遮音壁は、合板9t+遮音シート3t+石膏ボード9.5t×2、という部分になる。外壁の場合は、石膏ボードが1枚となる代わりにヘーベル板が入る。遮音シートは大建工業の標準品である。空気層が取られていないため、単純な足し算にはならないと思われるが、かなりの遮音性能である。 ドアも大建工業の防音ドア、窓は空気層を取った2重サッシとなっている。換気扇は壁取り付け型でダクトを引いていないため少し性能は劣るが、防音仕様のものである。これらを総合すると、500Hzで40dB程度の透過損失が期待できそうである。
2017.02.27
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この6RA8プッシュプルアンプのダンピングファクターは、最終的に5.0とちょうど良い値になった。最大出力は8Ω負荷で10.5W、6Ωと8Ωの間で最大になるようだ。コンデンサーが黒いタイプになったので、改造前より精悍な感じになった。 唯一の欠点は、チャンネル間のセパレーションがあまり良くないことで、1kHzで-61.5dB、10kHzで-42.5dBとなっている。前段の電源も全て左右共通で、初段管も左右で共有していることから、やむを得ないところである。 このアンプを、ラックスキットA-505プリアンプと組み合わせて、クォード11Lスピーカーをならしてみた。艶のあるなかなか美しい音だ。
2006.09.02
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以前、CQ出版社の回路シミュレーターを紹介したが、そこで真空管モデルを提供していた中林氏が真空管アンプシミュレーターの決定版を出版されたらしいので、早速注文してみた。技術評論社から出ている「真空管アンプのしくみと基本」という本である。 あくまで書籍であるが、回路シミュレーターTINA7が付属し、氏の製作による真空管モデルは200種以上、なんと6RA8や6GB8まで揃っている。それでいて価格はたったの2,980円(税別)である。中林氏による真空管アンプの解説もなかなか分かりやすい。まだ少し動かしてみただけだが、ソフトもCQ出版社のものより使いやすそうだ。今後、真空管アンプ設計者には必須のアイテムとなる予感がする。
2009.06.11
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もう6月号が発売される時期になってしまったが、MJ誌5月号に「5万円で楽しむ自作オーディオ」と言う面白い特集が出ている。その中でも興味深いのは、何と言っても金田明彦氏のOTL/PTLパワーアンプであろう。6C19Pを4パラとしたSEPPであるから本格的なパワーアンプであり、金田式の完全DC構成になっている。しかし、真空管アンプのコストの大部分を占める出力トランスと電源トランスが必要ないと言うことであれば、出力管と大型の電解コンデンサーぐらいしか高価な部品はないことになるわけだ。 真空管式のOTL/PTLアンプとして歴史上有名なのは、Dicker & macovski アンプであろう。24Vのヒーターを持つ6082を3パラとしたSEPPで、回路もシンプル、大量にNFBをかけているため結構高性能なアンプとしてもてはやされた。この回路については、加銅鉄平氏がMJ誌2006年1月号で追試されているが、原機通りに直接AC電源の片側をアースするのは危険と見て、出力段の電源はフローティングに変更している。これに対して、金田式では完全なDCサーボを掛けるため、AC電源の片側を直接アースに落としているようである。 これを読んでいて、自宅のACラインがどのくらいきちんとアースを取れているのか疑問に思ったので、早速測ってみることにした。私の家は築30年なので、ACコンセントは2Pである。差し込み口の長い方がアース側、短い方がホット側である。電圧の基準として、水道管をアースに見立てた場合と、ガス管をアースに見立てた場合について測定してみたところ、水道管を基準にした場合は90.4Vと0.4Vで、ガス管を基準とした場合は92.9Vと0.4Vであった。どちらもアースとして働いているようだが、ガス管の方がアース効果はよいようだ。ちなみにAC電圧は100.5Vであり、片側を手で握って基準にした場合は42.0Vと2.2Vになってしまう。最近の家であれば、ACコンセントが3Pとなってアースが来ているので、もっと基準は明確なのではないか。もっとも、極性を誤ると漏電の原因になるので、AC電源の片側を直接アースに落とすのは、よくよく注意しなければならない。
2009.05.06
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