景色


日本テレビの新社屋や、ツインタワーなどの高層ビル、マンションが建ち並ぶ海辺の巨大建築街。

ちょっと、ツインタワーに登ってみることに。
ちなみにツインタワーは一物件2億円ほどのマンションだそうだ。

エントランスに入るともはや別世界、ここは日本ですか?
大理石を基調に落ち着いた作りになっている。
しかも、大理石のうらに光源をしこむことで、ひかる大理石がモダンに通路をてらしている。
内部はほとんど迷路。
扉と壁が一体化していて、近づくまでどこが扉かわからない。
引き手や取手、照明をできるだけ見せないように工夫された、不思議な一体感のある暖色の空間。

様々なモニュメントのあいだをぬけ、エレベーターに乗り込み上階を目指す。
エレベーターのなかにも折り畳み式の革製のイスが設置されている。
なんともにくい心遣い。

一室からまどの外を眺めると、
浜離宮、レインボーブリッジ、そして東京湾が眼下に広がる。

淡い光をたたえた水面が、やさしくゆらいでいる。
はるか眼下をカモメが飛び、ときおりさえずりが聞こえる。

・・・・・。

しばらく眺めていると、ふっと日常生活が嘘のように思えてくる。
日々の雑踏から隔離された空間、自分が特別な存在であるかのような錯覚さえ芽生える。
妙な高揚感と、えもいえぬ征服感が頭と身体をよじる。

ただ、たかいところから、ただ、景色をみているだけなのに。。

こんな景色を手に入れた人は何をおもうのでしょうか?
なにを望むのか?

そんな疑問を抱きながら汐留をあとにするのだった。


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