冷たい廊下を歩き、あの人のもとへと足を進める。
光も射し込んで来ない地下の部屋。
カノンは生まれてから、人を消す以外で此処を出て行った事はなかった。
外に興味もわかなかったし、そもそも感情と言う物を無くしてしまったのだから・・・
長く暗い廊下の突き当たりに来た所でカノンは足を止めた。
そのドアを軽く手でたたく。

「カノンか、入っていいぞ。」

部屋の主に了承を得てカノンは部屋に入った。
目の前に立っているのはカノンが『御父さん』と呼んでいる男だ。
少し太った体形に黒い服、そして手の中には黒い猫を持っている。
この男には幼い頃に捨てられていたカノンを拾って来た、と聞かされている
それからカノンはこの男の子供・・・いや、人形として育て上げられてきた。

「何の用事でしょうか?御父様。」
「お前をこの部屋に呼ぶ時の話は大抵決まっているだろう?」

笑みを含めた笑で男はカノンを見る。
そう、この部屋は男とカノンだけが入れる極秘任務の時の部屋。
少なくとも、カノンはこの部屋に自分と御父さん以外が入ったのは見たことが無い。
そして、大抵の話は・・・殺しだ。

「今回の仕事は大仕事だぞ、カノン!」

カノンの返事を聞かないうちに男は勝手に話し始めた。
手中に居た猫を床へ放してカノンの所へ近づいてきた

「俺の娘としてある王子の誕生日に出席して欲しいんだそして――・・・」
“その王子を殺して欲しい”
 ――っと

「解りました。いつですか?御父様。」

即答した私に満足したのか男は笑いながら今日の夜だ、と伝えた。
それを聞いて『夕方までには仕度してきます。』と言いドアをでようとした
「あぁ、今回は隣りの国まで行くから失礼のないようにな。
  それと今日はパーティだ。失礼のないように、正装もしろ。」
それを聞いたあとにカノンは目の前まで来ていたドアに手をかけた。




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