ちょっといい女

義弟への手紙3

３度めの手紙、本当に御免なさい。これを最後にしたいです。
先日は、お母さんからの手紙を、ろくに読まずにH君（義弟２）に電話してしまいました。
６枚にもわたる内容は、H君（義弟２）達のお父さんの事だったので、入れ違いかと思ったから。読んじゃ悪いと思い、即、電話したのです。
H君（義弟２）から、そうじゃない事を聞き、改めて読んでみると、７枚目に同じ内容をH君（義弟２）達に送ったと書かれていました。

とんだ茶番ですね。
お母さんは、今まで父の事を散々、悪く言っていたのに、その極悪人の父は正義の味方、ヒーローで、自分は悲劇のヒロインにでもなったつもりでしょうか。
そして、読んでいて、お母さんが、私に対し、今まで言ってきた数々の嫌味の真意がわかりました。

お母さんは、私に
「あんたのお母さんは、あんたを見捨てて死んだんやね。」
と何度も言いましたが、それは、自分自身が母親に見捨てられた悔しさからだったのでしょう。

以前、亡き母の母親（私の祖母）が亡くなった時、夫が新聞で見つけて、行ってくるように言ってくれたので線香をあげに行きました。その後、叔父（亡き母の弟）から、遺産相続の話がありました。私と姉に５０万円ずつ。
その時も、お母さんは、
「５０万円なんて少ないわ。」
と父を煽り、父と叔父は口論になったそうです。
「足りないなら私の５０万円をあげるから。」
と私は父を止めましたが、叔父からは責められるし、嫌な思いをしました。
それも、お母さん自身が、お金の事で揉めた過去があるから、お金に貪欲になっていたのでしょう。

　お母さんは、必死だったのでしょう。自分とY君（義弟１）やH君（義弟２）の生活を守る為に。
だから、私が邪魔だったのでしょうね。それなのに、私ときたら呑気なものです。
前に出した手紙で、私は亡き母にできなかった分まで、お母さんの話を聞いていたつもりだったと伝えましたよね。
お母さんに聞かれるまま、正直に答えたら、お母さんが、それを父に伝えたので、私は、父から殺されるのかと思う
くらい殴られた事も話しましたよね。
「お母さんに何を言った！？」
と父は、私を何度も殴り、私が倒れたら、今度は何度も畳に叩き付けられました。隣でお母さんは、
「止めて。」
と白々しく言っていました。

お盆にY君（義弟１）が父と喧嘩になった件を聞いた時、私はその事を思い出しました。どうせ、また
「止めて。」
と白々しい茶番を演じていたのだろうと。自分が撒いた種なのに。
嫌な予感がしたからか、今年は墓参りだけで帰ろうと思っていたY君（義弟１）達を、お母さんが、喧嘩を止められもしないのに（喧嘩するのは予測できたでしょう）無理に引き止めたのでしょう。
自分の思いだけでY君（義弟１）達に長居を迫るから、こういう事になったのでしょう。全て、お母さんの勝手な行動が引き起こしているのです。
私がY君（義弟１）を可哀相だと言ったのは、Y君（義弟１）もまた、お母さんの茶番に付き合わされただけだったのだろうと思ったからです。

お盆に、お母さんが電話で舅に、
「お父さんとY君（義弟１）が取っ組み合いの喧嘩をしているから今すぐ止めに来て。」
と言った後、お母さんから届いた３通の手紙。
一通目は、喧嘩の直後に書かれたようで、感情的に書かれていました。
父が、私やH君（義弟２）達の事を悪く言った事で、Y君（義弟１）が怒り出し、喧嘩になった事。父がビンを振り回した事。父は変だと。
　二通目は、一通目が感情的に書いてしまったという反省と、私だけは父を理解してあげてという内容。それと
「Sさん（親戚）が私を懐かしがっています」
と、あり、Sさんの電話番号が書かれていました。Sさんとの話は、この前、書きましたよね。
三通目には、「今まで嘘をついていました。」とあり、Y君（義弟１）の事が散々、悪く書かれていました。気丈にY君（義弟１）を庇ったYちゃん（義弟１の嫁）の事も。
そして今回の手紙にも。
お盆にかかってきた電話でも、私が電話に出ると、お母さんは、Yちゃん（義弟１の嫁）の悪口を言っていましたが。

「一方の話だけで判断できないから。Yちゃん（義弟１の嫁）が何か嫌な事、言ったとしたら、Y君（義弟１）を庇うためでしょう。お母さんが今までY君（義弟１）にしてやれなかった事をしてくれているんじゃないの？」
と言って、すぐ電話を切ったのですが、お母さんは、まだ、解らないのでしょうか。

百歩譲って、年取った弱い父を畳に叩きつけた（そのように、お母さんの手紙には書かれていたから。）Y君（義弟１）が悪かったとしましょう。

じゃあ、弱い亡き母を、何度も二階の窓から突き落とそうとした父の行為は、どうなのでしょう？
亡き母を庇った幼かった私（４歳か５歳）を、平気で殴りつけた父の行為は？
お母さんの前で、殺されるかと思うほど、何度も何度も、私を畳に叩きつけた父の行為は？
私が姉の看病に行っていた時に、病院で、タオルを一枚落としてしまった事で、私を何度も殴りつけた父の行為は？

お母さんは
「あんたが悪いからやろ。」
と言っていましたけど。

私が結婚前、お母さんは、私を追い出す為か、よく
「あんたは迷惑ばかりかける。」
と言いましたが、私が一度でも迷惑をかけた事があったでしょうか？私に何かしてくれた事があったでしょうか？
迷惑ばかりかけているのは、他ならぬお母さん自身じゃないでしょうか？

母が死んだ時、近所の人達も、親戚の人も、同級生まで、父が母を苛め殺したんだと言っていました。私は、
「違うから。」
と、表向きは、それを否定し続けていましたが、心の中では、私が最も、父を疑っていたかも知れません。
だから、それを解っていた父は、
「姉の代わりに○○（私）が病気になって死ねば良かったのに。」
と言っていたのでしょう。
そして、いつまでも亡き母を思う私を疎ましく、お母さんは
「お母さんやお姉さんの死んだ歳くらいになってきたけど、どう？」
と、私が死ぬ事を待ちわびているような事を度々、言ったのでしょう。
でも、私は子供たちを一人前にするまで死ぬ訳にはいかないので、２人して、私が死ぬ事を望んでいる家になんて帰省できるはずはありません。

そう言えば、帰省と言ってはいけないと、お母さんに言われた事があります。正月に帰省した際に、私が
「帰りました。」
と言うと、
「帰りましたじゃないでしょう！！」
と言っていましたから。もう私の家ではないので、「こんにちは。」と言うべきなのでしょうか？
　昔、一度、私が離婚を考え、実家に逃げ帰った時、父は、
「家に居れば良い。」
と言ってくれましたが、お母さんには、
「お父さんは、あんな事言っているけど、今だけだから。」
と断られました。せっかく私を追い出したのに、戻って来られたら困るからでしょう。

　お母さんは、自分が不幸だと思っているから、私の事が妬ましいのかも知れません。
私も二度にわたる借金の肩代わりなど、順風満帆にきた訳ではないのに、幸せに向かって懸命に努力している姿が疎ましいのでしょうね。私の息子や娘を悪く言うのも、そうでしょう。
お盆に、お母さんが舅に電話で、父とY君（義弟１）の喧嘩について、こと細かく話したのも、私の家庭を壊したかったからなのでしょう。

お母さんが、叔母（父の姉）から電話を切られた理由が、今更わかりました。叔母は、年の功なのか、お母さんの茶番だと見抜いていたからでしょう。
　もう茶番はいいです。もう何も企まなくても、小細工しなくても良いです。
私は、こうして実家にはいないのだし、もう行く事もないから、私に何も取られる心配などありません。
私が嫁いだ後、Y君（義弟１）が婿養子に行き、H君（義弟２）までも出て行ったから、一時は、老後の心配から、
「Mちゃん（私の娘）が養女に来てくれないかって、お父さんが言ってたわ。」
と、ぬけぬけと言っていましたが、
「私ばかりじゃなくM（私の娘）まで不幸にするつもり！？」
と断りました。
今はD君（義弟２の子）がいるから、その話もなくなりましたし。
　だから、もう私が関わる事もありませんから、筋違いな妬みは止めてほしいと思います。

Y君（義弟１）が、まだ小学生だった頃、
「お母さんの自転車のライトが点かないから僕が先に走ってあげる。」
と誘導してくれた事を、お母さんが話していた事がありました。
優しく正義感の強いY君（義弟１）は、いつも矢表に立って、お母さんを守っていたのでしょう。
それが思い余って、こういう事になったのだと思います。
もう守る必要はないと思います。守るとしたら、Yちゃん（義弟１の嫁）や、子供達。
今まで苦労した分、せっかく掴んだ幸せを大事にしてほしいと思います。

H君（義弟２）の実のお母さんなのに、嫌な事ばかり書いて御免なさい。H（義弟２）にとっては、愛情豊かな母親でも、私にとっては、好きになろうと努力した甲斐もなく、偽善者で、性悪な継母にしか思えませんでした。
そして、私にとって、父は、母を追い詰めて死に追いやり、更に私の事も殺そうとしたヤクザか気違いのようでした。一生、恨みを忘れる事はできません。

父は「色々してやった」と言いますが、私は、もう充分返したはずです。
正社員で働いた分や、アルバイトした分まで、給料全て渡していたのだから。
お年玉が入っていましたが、もう金輪際、送ってこないように行ったついでにでも、お伝え下さい。
こんなもので、「やった」といつまでも惜しそうに言われ続けるのが嫌なので。

最後に、たくさん話を聞いてくれて有難う。それなのに、嫌な話ばかりで御免なさい。H
君（義弟２）から嫌われる事を覚悟で書きました。書かずにはいられなかったので。本当に御免なさいね。
Nちゃん（義弟２の嫁）、D君（義弟２の子）と、幸せで温かな家庭を築いて下さい。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　敬具

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