交差点
私は駅の方向を向いて信号待ちをしていた。
Ｈ駅の方向に信号待ちをしている若い痩せた男性がいる事に私が気が付いた。
男性はこちらに向き信号の変わるのが待てず右、左と見まわしてやがて、小走りからダッシュして勢いよく私が立っている正面に向かって信号を走って来た。
私は一ヶ月ほど前その道路をさらに2ＫＭ南下していた所で自転車で衝突事故に遭った。
私がＫ駅に自転車で向かって行こうと走っていると前方から男性が自転車で向かって来た、ここのまま走れば正面衝突をしてしまうと思い、右にハンドルを切った、すると男性は頭も上げずに突っ走って来ていた、私に気付いた男性は慌ててよけようと思ったらしいのだハンドルを切った、しかしそれは私の自転車に向かってだった。
激しく体当たりされて、二人は歩道に転がった。
しばらくして起き上がろうとすると体が重くて起き上がれない、見ると男性の自転車が私の上に乗り、私の倒れた下には私の自転車が有った。
男性が自転車を持ち上げると何かに引っ掛かった、制服の下に男性の自転車のハンドルが入り込んでいた、太ももからふくらはぎまでさけていた。
制服は弁償してもらった。
という衝突事故を思い出していた、「あの男の子信号の変わり目ばかり気にしていて、こちらに気が付かなくてまたぶつかるんじゃないか？」と恐れていた時、
男性は目前にせまっても速度を落とさずに走って来た。
数歩も無い、男性の身体が直前、おおいかぶさってきた「ぶつかる！」
衝撃にそなえ、目をつぶり身構えた。
当たった！...
あ、痛い？あれ、何の衝撃も無い....
直前で男性がよけたのか？目を少し開けて周りを見ると、誰もいない。
周りは広い歩道で他の場所へかけて行っても、姿が確認出来る距離のはずだ。
わずか１分も経たない短時間に姿を消してしまった。
この道路は事故が多い、何度事故現場を目撃したことか。
私が自転車事故に遭った所の道路一帯は１～２ヶ月に１度は交通事故があった、相当昔、子供が転がり落ちてトラックに轢かれたという話しも聞いた、幼なじがその近くで交通事故に遭った、激しい事故で周りも諦める程の大事故だった。
雨の日で友人は道路に転がり頭骸骨にひじの骨が食い込み苦しげにのた打ち回り辺りは血の海だった、私と弟は駆け付けたが何も出来ずただ見守るだけだった。
しかし彼は虎ノ門病院で治療を受け奇跡的に助かった、この道路自体、事故や心霊が多い。
© Rakuten Group, Inc.
