アインス宗谷の雑記ノート

アインス宗谷の雑記ノート

ありがとう大阪近鉄バファローズ


 前日の野球の結果、パ・リーグ。
 わずかな試合経過の記事、時には、記事すらなく、ただ試合結果と球場、観客数が書かれているだけのときもありました。
 そこに、「近鉄」が勝っていれば、うれしくなり、負けていれば、悔しがる、あまり目にすることのなかった「近鉄」というプロ野球チームの勝敗が、子供の私には、気になるニュースでした。

 1975年9月21日、ラジオの野球中継に釘付けになりました。西宮球場、「阪急対近鉄」。この試合に勝てば、近鉄が後期優勝。
 二シーズン制の片方の優勝とはいえ、1950年の近鉄球団設立以来、初の優勝。そして、そのとき、ラジオの前で歓喜する子供が私でした。

 この頃から30年以上、近鉄バファローズの戦いに一喜一憂し、近鉄ファンを続けてきましたが、2004年の球団合併、近鉄バファローズの消滅は、私にとっては、愛するチームを亡くしたというだけでなく、プロ野球そのものへの興味を失わせ、プロ野球界への失望と、応援するべきチームを持たないプロ野球ファン「難民」となって、今に至っています。

 近鉄が消えた2005年以降のシーズンでも、それまでどおり、12球団が存在します。大阪近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブのファン以外は、12球団が存続することに満足し、以前と同じようにプロ野球を観戦し、運営し、注目しています。

 しかし、少なくともここに一人、愛すべき近鉄バファローズが消えたことで、プロ野球ファンをやめた人間がいます。

 12球団維持という単なる数合わせでは、癒されなかった、プロ野球への愛情を維持できなかった人間もいるのです。

 合併球団オリックスバファローズと新球団東北楽天ゴールデンイーグルスは、旧近鉄ファン、新しいファンが応援をしていて、それはそれで良いことだと思っています。
 しかし、バファローズの名は残っていても、オリックスは私の愛したバファローズではありません。

 元近鉄の選手たちの活躍が気にならないといえばウソになりますが、今のプロ野球界の出来事に対し、さして関心を持てないのは、やはり、応援すべき球団があってのプロ野球ファンだったのだと自分でも思います。

 私は、大阪近鉄バファローズのファンであり、パ・リーグファンであり、プロ野球ファンでしたが、今は、大阪近鉄バファローズファンでありますが、元パ・リーグファン、元プロ野球ファンだと思っています。(2006年4月22日)


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