“お笑い”哲学論のページにようこそ!

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◆肉体の不思議◆


またやった。
事務所の机に足をぶつけてしまったのです。
首が治ってきたと思ったら、今度は足です。

どうして、こうも私は次々と不幸な出来事に見舞われるのでしょうか。
日記のネタのために、わざと不幸を引き起こしていると疑われても仕方ありませんが、もちろん実際にはそのような事実はなく、私の日常に不幸が満ちているためです。
(ネタが満ちていると言ってもいい)
(たんに、そそっかしいと言ってもいい)


何度も言うように、私は精神的苦痛より、肉体的苦痛に弱いタイプです。
精神的苦痛に強い、と強く言えない弱い一面も持っています。

それにしても、激しい衝突でした。
私は何事にも手を抜かず、正面からぶつかるタイプでもあります。


どうして私の周りにある物は、どれもこれも不必要に固いのでしょうか。
もう少し柔らかい素材で机を作れば、居眠りするのに便利なのに。


私は、人と意見が衝突しそうになると、妥協したり、体調が悪いふりをしたりして、正面衝突を回避していますが、机のほうには、そのような協調精神は微塵もありません。
協調精神のないものに限って、破壊的で暴力的なのが世の常です。


衝突という現象は、物理学的に言えば相対的です。
私が机にぶつかった、とも言えますが、逆に机の方が、地球全体を含む、少なく見積もっても、何兆トンもの物体と一体になって、私の繊細な足にぶつかって来たと言ってもいいのです。

その何兆トンの中には、鉄アレイ、金属バット、大型ダンプカー、大型タンカー、六本木ヒルズ、活火山、核ミサイル、整体の先生など、あらゆる痛そうなものが含まれており、その破壊力たるや想像に難くありません。


それでも私は、泣き叫ぶようなことはせず、誰がこんな机を作ったのか、誰がこんな所に机を置いたのか、誰がこんな机を買ったのか、と怒りをぶつけていました。

時間が経つにつれて、怒りが自分に向かいそうになったので、机の発明者を探し出して、怒りをぶつけようと考えるに至りました。
「自分でやった事だから、誰にも文句は言えない」とよく言われますが、文句のつけようは無数にあるのです。



打撲の痕は、青黒い変色から部分的に紫色とか、赤色とか、青色とか、黄色のまだら模様に変色してきました。
私のどこに、これだけの色素が存在していたのか不思議です。


当社の事務員は、「打撲の痕が、腫れたり変色したりするのは、身体の防衛反応です」と何ら医学的な根拠もなく無責任な発言をしたのですが、防衛するのに、こんなに派手な色を使う必要があるでしょうか。
防衛するなら、机にぶつかる前にしてもらいたいと思います。

しかしよく観察してみると、私の打撲痕には、色の三原色が含まれています。
そのことから推測すると、全身打撲すれば、私もカメレオンのように変色できるようになるかも知れません。

訓練すれば、念願の女風呂に侵入することも不可能ではないでしょう。
銀行の金庫に忍び込むことも可能です。
それに、レンタルビデオ屋さんで、エッチなビデオのコーナーにいても、視線を意識しなくて済むのが何よりです。

少しだけ、痛みが和らぎ、元気になってきました。






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