あなたがくれた刹那の時間

あなたがくれた刹那の時間

警察署で


母が「パパがバイクの事故ってどういうこと?」と聞いてきた。
そうだった。母はパパがバイクに乗っていることすら知らなかったんだ。


警察署について早く事実が知りたかった。
怪我はしてるけど死んではいません。
奇跡的に助かりました。
人違いでした。
こんな言葉が頭を巡っていた。


すぐに来て下さいと言われたのにすごーーーーく待たされた。
夜中だと言うのにみんなバタバタとしている。

事故の説明を簡単にされた。
駐車中のミキサー車にぶつかり車の下に入り込んでしまって
バイクのタンクのガソリンに引火してバイク・ミキサー車の
エンジン部分とともに爆発して焼死してます。とのこと。


説明の後また母と二人残された。
いろんな担当があるのか数人の人が次々に来る。

「これご主人の洋服ですか?」ぼろぼろに焼き焦げた洋服。
「これご主人の免許証ですね?」角は焦げてるけど
               はっきり主人だとわかる。

「これご主人のお財布ですか?」そうだ。

私は何度も気を失いかけた。倒れてしまいそうだった。
お腹が痛くなった。極度の嘔吐と下痢を繰り返した。


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