廃墟探訪


 確か築200年だかどうだか。
 中には骨董的価値のあるものをたくさん放置しておきながら、何年も人が住んでおらず、たまに盆に行って掃除をする程度だったため、ざくざく盗まれました。

 外の塀はぼろぼろに崩れ、映画の舞台に使わせてほしいという依頼があったらしいのですが、
「落ちぶれた貴族のお屋敷」
と言う設定の、 『落ちぶれた』 部分に立腹した祖父がすごい勢いで監督達を追い返したと言う逸話つき。
(やってもらってりゃ、多少リフォームしてもらえたらしいのに。タダで。)

 その後、ボケた祖父の元に、町の町長が、
「このような歴史的価値のあるものは、国の財産として残すべき。」
とかなんとか持ちかけ、一度 騙し取られた 経験もアリ。

 母の兄が数年手直しして、たまに滞在しつつあるが カギはあっても、窓が外れる 建物で、安全が確保できるのかは不明です。

 ともかく、お入りください。現状そのままにご案内いたします。



 まずはこちらが入り口でございます。
 ええ、ええ、いかにもな感じです。
 非常に危険ですので、両手でドアを持ってください。
倒れてくるかもしれませんので。





 こちら、お庭になっております。
 裏にも庭がありますが、こちらの方がメインでございます。(多分)
 雑草がぼうぼうですが、かの夢枕獏先生の書かれた「陰陽師」の安部清明邸を髣髴とさせませんか?
 わたしだけですか、そうですか。





 ええ、ここは以前殿様から頂いた馬が生息しておりました、うまやになります。隣は蔵です。
 何が入っているのか、今ひとつ分かりません。





 中へお入りください。
 ここが主婦の城、お台所でございます。
 ひっじょーに、レトロです。
 つかえるものなら使ってみやがれ、と言う意気込みが感じられます。





 流しは大変低いです。
 背の低い日本女性に合わせて作られております。
 そうですね、身長140センチ前後の方にぴったりの高さになっています。





 なんだかよく分かりませんが、多分うすです。
 お餅でもついてみたら楽しい休日を過ごせると思います。
何が出てくるのか分からなくて、怖くてふたが取れませんが。





 あ、お気をつけ下さい。
 つまづいてうっかり蓋が開くと、何が出るか分かりませんから。





 あっ、キケンです!そちらには行かないでください!
 危ないですから!
 ちなみに床がたまに抜けます。
 先日も一人若い女性が踏み抜きました。






 ここは女中部屋になります。
 姉やだのばあやだののお部屋に使われていました。
 なぜ部屋の中央に尿瓶があるのかは不明です。





 おそらく人が住んでいた頃には、明るいアイドルタレントのポスターを貼ったようなステキな部屋だったのだと思います。
何か出そうな気がしてなりません。





 当時流行っていた映画のチラシやポスターらしいですが、一体いつの「当時」なのかが分からないのでいつのものかは不明です。





 お風呂にご案内いたします。
 こちらは脱衣所です。
 ここでお召し物をお脱ぎください。
 鏡台がありますが、 うっかり覗くと何がうつるか分かりません。





 こちらがお風呂です。
 お風呂は必ず二名でお入りください。
 一名は外で 薪を焚く係です。


 とりあえず、本日はここまでに致します。
  中二階のようなものや、うまやの二階にも蔵があります。
 登るとキケンなので(命に関わるんじゃないだろうか)最近は覗いていません。←そんなだから、泥棒が・・・。

 他にもたくさん写真を撮ったはずなのですが、なんか行方不明なのでまたにします。うはー。

 本当はね、去年の夏にアップする予定だったんです。
 暑い夏を涼しくすごして頂こうともくろんでいました。



今5月なので、これからの季節に合わせて 遠吠え。




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