桜~水を求めて~

桜に見る生命力 ~水を求めて~

 幼い頃から、この場所の桜の幹を見ることが大好きでした。
背の低い私は、幹にしか目線が届かなかったのかもしれませんが(笑。
いつしか私にとって「桜を観に行く=幹を観に行く」になっていました。
桜の花は何処の花もとても綺麗です。しかし、この幹だけはこの場所でしか見ることができないのです。
 この幹に魅せられた理由は、バネのように 曲がりねじれている ということです。

桜9桜4


「なぜこんなに曲がりねじれているのだろう?」
そう感じながら幹の「ねじれ」にそって体と目線を動かしていきました。
太い根元からだんだん上へ・・・そして枝先へと目線を追っていった先にあったものは、『水(用水路)』でした。
 桜の木はこの『水』を求め、長い年月をかけて『ねじれ』ていったのです。
枝先の想いは、「我に我に!」とお互い遠慮をせずに水を求める力によって、このような大木の「ねじれ」を生むことになったのだと思います。
その為にこの用水路は、まるで桜のトンネルにでもなったように、イヤ、桜の生命力を水流で私達人間が口にする穀物へ運ぶような、そんな『血管』のような役割になっているのではないかと思っています。
桜1桜10

 いつも元気をもらっていました。辛いことや悲しいことがあると、この幹に「そこまでして求める『水』は、貴方たち(桜)にとってどんな存在なの?」と。
また嬉しいことや楽しいことがあると「求め続けたおかげで、綺麗な桜や鮮やかな緑の葉をつけるのね~」と。
 数年、この場から遠ざかっていましたが、病中の今年はどうしてもこの『生命力』に触れたいと思い、無理を承知で観に行きました。

 何処へ向かって進むべきか迷っていた気持が、少しずつ整理させてきたような気がします。
この桜のように自分にとって『求めるもの』がなんなのか。
そしてそれが自分にとってどういう存在のものなのか、考えさせられるそんな自然の生命力です。♪(* ̄ー ̄)v




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