ウリチプ

ウリチプ

陣痛開始


なんか、寝ててもお腹が痛い、ような気がする。
なんせ陣痛の経験なんてないから、痛いといえば痛い、ぐらいで
よくわからなかった。
隣のオッパに「なんかお腹痛い、かも。陣痛だったりして」と
言うと、「ちゃんと間隔計りなさい」と言って
なんとエクセルで表を作り始めた。

私が痛くなり始めた!と声をかけるとオッパが数字を入れる。
すると、痛みの間隔が見やすく表示され、間隔が一定時間よりも
狭まると折れ線グラフが赤くなる(笑)

一旦、間隔が12、3分になったので、病院に行ってみたが、
もう一息頑張って自宅待機してなさいと帰されてしまった。

そこで再度、オッパの表を使って間隔を計る。
病院に行く前とは違い、ウオー!痛い!!と唸りながら計測。
一応、長帳場になるといけないからと途中ランチをいれながら。
作ってる余裕はなかったので、オッパが買いに行ってくれた。
何が食べたい?と言われ、うーん、出産に勝つ!とかけて
トンカツにしよう♪などとあの時は余裕をぶちかましていた。

間隔も10分を切って、痛みが笑ってはいられなくなった頃
改めて入院セットを持って病院へ。
その頃はもうオッパにしがみついてやっと立ってる感じ。
もちろんケンケンは無理。
とりあえず、車出してるより歩いちゃったほうが早いってことで
お腹をさすりながら、足を引きずって病院へ。

その頃、実家から車を飛ばしてきてくれた両親がセーフで間に合う。
診察の結果、今日中には産まれるだろうと即入院。
エレベーターの中で必死に私が頼んだこと、それは
出産後の個室希望。
切迫で成し遂げなかった希望をここぞとばかりに主張していた。

父は自宅にいてもらい、母とオッパを伴って待機室で陣痛と闘う。
あまりの痛さに自分がどうなっちゃうんだろうと恐怖心が沸いてくる。
どんな姿勢をしても痛みは和らがないし、気分も悪い。
寒気がして歯の根が合わない。
結局、昼間のトンカツは2回に分けてきれいにもどしてしまった。

看護婦さんが教えてくれた、ヒ・ヒ・フーのラマーズ呼吸法を
やってみるが、そんなんじゃどうしようもないぐらい痛い。
オッパが耳元で懸命にヒ・ヒ・フーと言ってくれるが
それがなんとも耳障りでムカつく。
普段そんな気分になったことなんかないのに、なんか無償に
ムカついて「遅すぎるっ!合わないよっ!」と
かなり語気荒く叱り付けてしまった。
後日、パパになったオッパは「あの時は泣きそうだったよ~。」と
言っていた。ごめん、パパ!!

さらに、四つん這いになって痛みに耐えていた私に
母が「動物ねー。牛の出産と同じだわ(笑)」と言ったのが
かなりムカつき、どうしても許せずに、ゲロの世話までしてもらい
助けてもらってるにも関わらず、すごい目つきで睨んだ。
あの睨みで部屋は静まり返り、真剣勝負の空気が立ち込め始めた。

あの痛みは今まだリアルに覚えている。
この痛みは産まなきゃ終わらない、だから、早く産みたい、と
そのことだけを考えて踏ん張った。

待機室で十分我慢して、いざ分娩室へ。
その時まで立会いにするかどうか決めてなかったけど
いざって時になって、すぐに答えは出た。
独りで行く!
この戦いは私がやるしかない!
誰にも助けてもらえない!
そう思った私は、一刻も早く分娩台に上がって
勝負をつけたかった。
リングに上がるレスラーよろしく私はオッパに一言
「大丈夫、行ってくる」と言い残し分娩室に消えた。




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