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玲子1~プロローグ~


「あぁ、だめ・・・そんなに・・・玲子さん・・・」
それはこっちのセリフよ。まだそこに、行き着いては、だめよ。
アタシは男の首に両手を回して、ぎゅっと力を入れて握る。
「うぅ・・・!」男はうめき声をあげる。
「どう?こうされた方がキモチイイんでしょ?ふふ・・・」
そして大きく腰をグラインドさせる。次第にアタシも、よくなってくる。

男の腰が、アタシに合わせて動きだす。
「れ、玲子さ、ん・・・」搾り出すような声。
まだだめだってば。いってはだめ。お願い・・・
言わないで。

「いいっ・・・あ・・・」
男は自分のすべてを、どくどくと放出する。そしてアタシの腰を強く掴んだまま・・・
ついに、言ってしまった。
「玲子さん・・・アイシテル・・・」

あ~あ、終わっちゃった。
アナタとのゲームも、これでジ・エンド。
アナタの負けよ。もっと粘ってくれないと、アタシ、つまんない。


あれからあの男には会っていない。ちょうどいい引き際だったのかもしれない。
それにしても、見掛け倒しだったわ。
アタシという蝶は、仕掛けられた次なるくもの巣に、故意にひっかかる。
しめしめといった顔で、のこのこと近づいてくる男。
気をつけて。アタシのほうが、アナタを獲物にするんだから。

そいつは派遣先の隣のデスクに座っている。
自称「アソビ人」の慎司。ルックスはまあまあ。
なんだか甘えた人生生きてきましたって顔してる。
どれだけの実力か、見せてもらおうじゃない?

初めて挨拶を交わしたときから、アタシたちの勝負は始まっていた。



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