Ventの徒然日記

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小論文の書き方



今回の参考文献は 学ぶ社会人入試の小論文の書き方(2005年版) です。


小論文の書き方

1.小論文の採点基準
 a.題意が正確に把握されているかどうか。
 b.論旨の展開が題意から外れていないかどうか。
 c.論旨が論理的に構成されているかどうか。
 d.文章表現が適切であるかどうか。
   *原稿用紙の使用ミスや、誤字、あいまいな表現、一人よがりの意味不明な表現などは減点の対象となる。


2.わかりやすい文章とは
  小論文は、自分が何を言いたいのかを人に伝えるための分である。
  わかりやすい文章の条件としては、「内容の面」と「形式の面」と2つが考えられる。
  「内容の面」では、5W1Hに留意すること。
  「形式の面」では、一文を短くすることである。

 a.主語と述語
   文の基本は、「主語+述語」(主部+述部)である。どちらが抜けても文は成り立たない。
   また、主語と述語を対応させることも大切である。

 b.一文は短く
   何を言いたいかを明確にするためには、一分の長さをできるだけ短めにすべきである。
   長くなればなるほど主語と述語の関係があいまいになり、修飾・被修飾の関係が複雑になって、意味がとりにくくなる。
   また、一文を短くすることによりリズムが生じ、読みやすい文章になる。


3.文体
  通常、小論文では「だ」「である」調の常態を使う。
  文体は、文章全体を通して統一した方がよい。
  小論文試験では「文体が統一されているかどうか」は重要なチェック項目である。


4.事実文と意見文の区別
  一般的に認められている事実を叙述する「事実文」と、自分の主張を述べている「意見文」とを区別することは重要である。
  事実文の中に自分の推測を交えるのは厳禁である。どこまでが事実を語っていて、どこからが自分の意見であるかは常に読み手に判るようになっていなければならない。
  言葉を引用する場合も、引用箇所がどこであるかが分かるように引用符「」を用いて示す。


5.小論文の書き方
 a.小論文の構成
   小論文の最小単位は語である。語と語がまとまって文節、文を形成する。文が集合して段落ができる。段落の相対が小論文である。
   *全体が緊密に関連しあっていることに注意する。

   文の構成は、3段式が書きやすい。→序論・本論・結論
   ア.序論(1~2割) 
     論題をどのようにとらえているか、どのような考え方で論題に取り組むかを説明する。

   イ.本論(6~7割)
     どのように考えているかを説き起こす。

   ウ.結論(1~2割)
     論旨をまとめる

     *常に3段式をとれるとは限らないから、あまり形にはこだわる必要はない。

 b.書く手順
   構想に十分時間をかけて、論旨の趣旨に合致した核となる論点(中心構想)を定め、結論に至るまでの全体の組み立てを頭に描いてから書き始める。

   小論文試験の制限時間を60分として、次数が800字とすると、構想に20~30分かけ、残りの時間で清書と見直し(推敲)をするとちょうどいい時間配分となる。
   あせらずじっくりと構想に時間をかけることが大切である。

   図示すると次のようになる。
   A.構想 ア.題意を的確に捉える。
        イ.何をどう書くかアイデアを列挙する。
        ウ.論点(中心構想)を決める。
        エ.論旨の運び方を決める(段落のポイントを作る)。
        オ.全体の論旨の整合性を確かめる。

   B.清書

   C.推敲

 c.構想を練る
   ア.題意を的確に捉える
     論題をただ表面的に受け止めるのではなく、今なぜこのような題が出されるのか、その背景や理由、また、自分とのかかわりを考えたとらえ方をするということである。

   イ.アイデアを列挙する
     論題の題意をつかめたら、それに対してどのようなことを論点とし、どんな考えを述べるか、どう展開するかを考える。
     いくつかのアイデアを出してそのかなから絞り込むといい。

   ウ.論点(中心構想)をまとめる。
     並べたアイデアの中から、自分が最も言いたいことを論点(中心思想)とし、採用するアイデアを書く順に並べてみる。
     全体の構成の大枠を作るということである。この時点で、全体の段落数をほぼ完成させる。
     論点から外れたアイデアは思い切って削る。
     論点と、それについての考え方は小論文全体を貫くものである。
     結論に至るまで、何を論点とし、どんな考えを展開しようとしているかを意識していかなければならない。

   エ.論旨の運び方を決める
     なぜそのように考えるのかを説明したり自分の考えを補強もしくは裏付けるために、別な言説を紹介したり具体例をあげたりする必要がある。
     これにより、説得力も増す。
     いくつかの材料を織り込みながら論旨の展開を考えるのは、展開の順序にあわせて段落ごとにポイントを作っていく作業になる。
      *論を展開するといっても、下書きをしてはいけない。メモ程度にとどめる。
       試験は時間内に書ききれなければ意味がないからである。

   オ.論旨の整合性を確かめる
     論旨の構成が決まったら、清書する前にもう一度、論旨に整合性が取れているかを検証する。
     書き始めてから構成そのものを直すのは難しい。

 d.清書
   下手でもいいから、読み手のことを考えて楷書で丁寧に書く。   

 e.推敲
   推敲には最低でも5分はかけたい。論旨がやや不明確だったり、文章や段落のつながりがあいまいなところも、ちょっとした表現の修正で直せるものである。
   また、誤字、脱字のチェックも行う。   

 f.書き出し
   書き出しは、文章全体の導入部である。ここで文章全体のトーンや書き手の姿勢が予想されるといってよい。
   ここから人に読んでもらう文章が始まるという意識を持って誠実に書くことである。

 g.結論
   結論は、「言いたいことは何であるか」を述べるくだりである。
   論題に対する答えになっていることが絶対条件であり、それまでに述べてきたことのまとめでなければならない。
   論述とは、構想の段階で決めた結論にもっていくための過程である。


6.小論文の勉強方法
  小論文を書くために必要な、「社会的基本概念」「社会的問題意識」「論理的文章構成能力」の3つを身につけるための勉強である。

 a.読むことは書くこと
   文章を読んで、その中心思想をくみ取る作業は、文章の流れを論理的に追って、全体の論理の組み立てを考えることに他ならない、その思考過程が書くことにつながる。
   ジャンルは何でもよくて、とにかくたくさん読むことである。そのなかで、いろいろな表現、話のもって行き方やまとめ方、文章のリズムや全体の組み立てなどを学ぶのである。
   小論文は、社会と個人に生起するさまざまな自称に対してどのような見識を持っているかを問われるものである。
   そのため、社会や文化的な動きを見る目を養わなければならない。
   それには、時局的なテーマを扱った書物とともに、古典を読むとよい、現代社会が流動的であるからこそ、自分の視座・基準を確かなものにするには、古典から学ぶのがよい方法である。

 b.見直しと添削
   実際に書いてみることも大事である。
   ノートをつくり、見開きの片方に文章を書き、もう一方に見直しをした結果を記入するとよい。
   チェックポイントは下記のとおりである。
   ・語句の書き間違いや、使い間違い
   ・文章と文章、段落と段落との結びつき
   ・全体の構成に論理的な整合性があるか
   ・言いたいことがきちんと言い尽くされているか
   ・結論へのもって行き方に無理はないか
   ・文章の統一は取れているか
   ・事実関係に誤りはないか
                    などである。


 c.その他必須事項
   小論文試験の技術的な対策
   ・毎日、新聞の社説を200字程度で要約する。
   ・志望校の過去問題にあたり、出題形式と制限時間に慣れておく。
   ・出題されそうな時事テーマを予想し、小論文を書いてみる。

7.小論文試験、心得4カ条
  ・人生観、価値観を確立すること。
  ・社会的問題意識を持つこと。
  ・温かい心を持つこと。
  ・積極的な生き方を心がけること。
    *「文は人」である。温かい心と情熱を持ったものの前途は大いに開かれている。


参考文献
学ぶ社会人入試の小論文の書き方(2005年版)



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