Ventの徒然日記

Ventの徒然日記

センテンスの書き方


1.分かりやすい文章を書く
「小説」などとは違う、「事実的」・「実用的」な文章のための作文技術を考えるにさいして目的はただひとつ、読む側にとって分かりやすい文章を書くこと、これだけである。

2.言語とは、すなわちその社会の論理である
日本語の論理や文法は、ヨーロッパ語の間尺で計測することはできない。同じことは音楽でも美術でも、ようするに文化全体にいえることである。
*日本語は語順が特殊であるとよく言われているが実際にそんなことは無く、朝鮮語、アイヌ語、インド語、トルコ語などは日本語と同じ語順であり、ただ単にヨーロッパの言語と違っているというだけである。そのヨーロッパ言語の中でもバスク語のように日本語と同じ語順のものもある。


第2章:修飾する側とされる側
分かりやすい文章を書くための修飾する側とされる側の位置関係についての考察

1.修飾・非修飾関係の言葉同士を直結する
↑修飾・非修飾の関係を入れ子にして幾重にも重ねることをせずに、1:1で直結して文章を構築していくということである。
例:
○ 修飾1・非修飾1 という並び
× 修飾1・修飾2・非修飾2・非修飾1 という並び(真ん中に入れ子が入っている)

2.日本語の大黒柱は述語であって主語ではない

*ここでの修飾語の定義
学校文法での狭義の「修飾語」ではなく、きわめて広い意味の「かかる文節」(「うける文節」の対)として書かれている。
補語・補足語・補足部などとしてもよい。
いわゆる「主語」も連用修飾語の一種としてみる。
したがって、述語(述部)にかかるすべての単語や文節・連文節(句)は修飾語ということになる。
*ひとつの述語に5つくらいの複数の修飾語がかかることもある。


第3章:修飾の順序
*特に重要なのは最初の1と2で、2つの重要性はほとんど同等と見てよい。

1.節を先にし、句をあとにする。
  →修飾節はその直後の句にかかっていく。

2.長い修飾語は先に、短い修飾語は後に。
  *日本語の分かりやすさの問題の本質は「主語・述語」の関係ではない。
  →複数の修飾語がひとつの述語にかかっていく場合に有効

3.大状況から小状況へ、重大なものから重大でないものへ。
  →修飾節の長さが同じで、かつ、重要度が違う場合に有効

4.親和度(なじみ)の強弱による配置転換。
  *複数の修飾節同士を比較した場合の話で、今回述語は関係ない。
  →下記3つの条件が揃った場合に有効となる
   a.句や連文節からいっても関係ない
   b.長い順からすれば同じくらいである
   c.状況の大小としても大差は無い
  →1つの修飾節の中において、修飾語が2つで被修飾語も2つの1文を作る際に、1つの被修飾語に対して2つの修飾語が両方とも親和性が高い場合、修飾語と被修飾語が1:1となるように修飾語を離して書く。
   例:
   ○ 修飾語1→被修飾語1→修飾語2→被修飾語2
    *ここで被修飾語が並んでしまうと、2つの修飾語の意味がその直後にくる被修飾語にかかっていってしまう。


第4章:句読点のうちかた
1.マル(句点)その他の記号
 a.マル(句点)
  句読点は字と同じか、それ以上に重要である。
  *符号の中で作文上特に重要なのはマルとテンである。
  →文章が終わったら必ず「。」(マル)をつける。

   *点の種類
    「。」句点
    「、」読点

 b.その他の記号
  →「」カギカッコ:他の文章の一部分を引用する際に使用する場合は、引用した部分のみに使用することに注意する。
  →””ヒゲカッコ:本当はそうではないとき、いわゆるつきのときに使用する。
  →・ナカテン:並列や同格の語のあいだに使用する。外国人の名前を並列で列記する際には姓と名の間に「=」を使用する。

2.テン(読点)の統辞論
 第1原則:長い修飾語が二つ以上あるとき、その境界に点をうつ。
  →修飾語が複数ある場合、それぞれの修飾語と修飾語の間にテンをうつのである。
  →一方が短い場合は、長→短の順で書けばテンは不要である。
  →重要でないテンはうつべきではない。
   *構文上高次元のテン(文のテン)を生かすためには低次元のテン(節のテン)は除くほうがよい。

 第2原則:原則的語順が逆順の場合にテンをうつ。
  →長い修飾語の前に短い修飾語を持ってくる場合である。(倒置をするときということかな?)
  *強調したい内容を文頭に持ってくる場合など。
 例:
   テン無し:いつもつらつらと書いている長い修飾語の前に短い修飾語を持ってくる場合である。
   テン有り:短い修飾語を、いつもつらつらと書いている長い修飾語の前に持ってくる場合である。

文章の単位に関しての考察
 テンというものの基本的な意味は、思想の最小単位を示すものである。
 *マルで切れる文章は、これらの最小単位を組み合わせた最初の「思想のまとまり」である。
 →人体にたとえた場合、テンで切る部分を思想の細胞とすれば、マルで切る1文は組織の最小単位(目・耳など)ということになる。

 その他:上の2大原則以外のテン
  筆者の思想としての自由な点である。
   a.重文の境目に →第1原則に吸収される。
   b.述語が先にくる倒置文の場合に →第2原則に吸収される。
   c.呼びかけ・応答・驚嘆などの言葉のあとに →原則的には不要なテンである。(マルや感嘆符にも置き換えることも可能である)
   d.挿入句の前後または前だけに →修飾語の長さによって、第1もしくは第2のいずれかに吸収される。


参考文献: 日本語の作文技術  第1章~第4章  本田勝一著 




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