思わずジャケ買いしてしまった一作。 残念ながらまだどこの店にも売っていないと思う。 海外の通販サイトから自分用にまず仕入れて聴いてみようと思ったのです。 値段がやけに高いなぁと思っていたら、ハイブリッドSACDでした。 どうです?彼女、美人でしょう? 自身のHPでは、特大のポートレートがダウンロードできて、是非ご覧になってみてください。 http://www.ilsehuizinga.com/ 残念ながら結婚していて、旦那はちなみにこの作品でもピアノを弾いているERIK VAN DER LUIT。2000年に子供も生まれてれっきとしたお母さんでもある。 このアルバムは5枚目の作品のようで、地元アムステルダムでは人気急上昇中の美人ジャズボーカリストといった位置づけのようだ。 夫が率いるピアノトリオをバックに有名曲が次々と唄われる。 「I LOVE YOU,PORGY」「SOMEONE TO WATCH OVER ME」「GOODBYE」「MAD ABOUT THE BOY」「ON THE STREET WHERE YOU LIVE」「I COULD HAVE DANCED ALL NIGHT」「I'LL CLOSE MY EYES」「YOU AND NIGHT AND THE MUSIC」「EV'RYTIME WE SAY GOODBYE」「MANHATTAN」など。 数曲でサックスが間奏を受け持つ。 素直な歌唱はとても好感を感じるし、唄の深みといった点ではまだまだ物足らないところが多々見受けられるけど、応援していこうという気持ちになるのも確か。 部屋のディスプレイなんかにも良いジャケットだしね。 50年代から白人系ボーカルには、こうした視覚的要素の部分がとても大きくて、 人によってはそちらの方が大部分をしめている方も実際いるわけで、それはそれで全く正解なのである。 だって趣味であり、言ったら道楽なんだからね! お遊びの部分がないと面白くないし、そういう余裕がなければ、何十年もひとつの趣味を続けれる訳がないと思っている。 あっー、けっしてILSE HUIZINGAの唄が不味いと言ってるんじゃありませんよ!私は。 メンバーはILSE HUIZINGA(VO)ERIK VAN DER LUIJT(P)BRANKO TEUWEN(B)VICTOR DE BOO(DS)ENNO SPAANDERMAN(SAX) 録音は2005年2月17,18日
これは、川崎燎のMPSに吹き込まれた一作で、今から四半世紀以上前の録音で個人的にはとても懐かしい。 大学一年の時に、日本盤がでて直ぐに買ったと思う。 DAVE LIEBNANが自分のHP上の完全ディスコグラフィーでこの作品のことを忘れていたのか、この作品が抜けていた。今はアップされているけど。 この頃の川崎は、ジャケットを見てもらえばわかる様に後のロングヘアーではなくショートカットのサーファー風のルックス。 レーベルもRCA,キュアロスキューロ、当作品のMPSと海外のレーベルから作品を発表し、ギル・エバンスのレコーディングやTIMELESSからジョアン・ブラッキーンやクリント・ヒューストンのレコーディングに参加したりと世界を股にかけて八面六臂の活動をしていた油ののっていた時期の一枚で、最もジャズテイストの強い作品。 川崎というと、このレコーデイングでもたびたび聴かれるペンタトニックを基調とした手癖フレーズ。妙に印象に残る耳についていつまでも離れないフレーズだ。 川崎の昔のインタビューの内容を今、思い出したのだが影響を最も受けたギタリストの名前に、ウェス~ジョージ・ベンソン、ジョン・マクラフリン、ジミ・ヘンドリックス、ヴィラ・ロボスやクラッシックのギタリストの名前も上がっていた様な気がする・・・ この作品を聴いてなるほど、なるほどなぁと思いを新たにした。 私のフェバレットソングはA面4曲目「THE STRAW THAT BROKE THE LION'S BACK」B面1曲目「THUNDERFUNK」。 これ以降も素晴らしい作品をリリースしているが、この作品を機に川崎のファンになったのでひときわ思い入れが深い作品です。 いまのところ未CD化のはずだけど、中古レコードでそんなにしないと思うので是非聴いてもらいたい作品。 メンバーは川崎燎(G)DAVE LIEBMAN(TS,SS)ALEX BLAKE(ELB)BUDDY WILLIAMS(DS,PER) 録音は1978年3月 STUTTGART
DAVID BINNEYの最新アルバムは今年の春、CRISS CROSSからリリースされた。 DAVID BINNEYの名前は1997年にFREELANCEからでたスコット・コリーのアルバムの中に参加していてちょっと面白い新人サックスが参加しているなぁと思っていたのだけど、こんなに頭角を表す存在になるとはその時思わなかった。 サックスにはCHRIS POTTERが参加していてクインテット編成となっている。 前作やRED,ACT時代の作品よりもレーベルカラーもあるのかストレートな演奏になっていて1曲目ショーターの「LESTER LEFT TOWN」から疾走感のあるダイナミックなアルトを吹いていていつもとちょっと違うなぁという印象を受ける。 サックスの音もこころなし逞しくて大きい感じがするのは気のせいだろうか? BINNEYからの影響だろうか、クリス・ポッターのテナーも低域がいつもより、男性的なトーンでまるで、デクスター・ゴードンの音色のようだ。 アルバム中7曲はBINNEYの作曲で、オリジナルはいつもの如く少し抽象度高めの観念的なメロディーの曲が多いけど、ストレートなアドリブ主体の仕上がりで聴き応えがある。 現代のサックス業界を代表する二人のサックスバトルを純粋に楽しめば良いアルバムだと思う。 メンバーはDAVID BINNEY(AS)CHRIS POTTER(TS)JACOB SACKS(P)THOMAS MORGAN(B)DAN WEISS(DS) 録音は2004年4月28日 BROOKLYN , NYC
名前を全然知らなかったアーティストの作品だったが、バックのメンバーの名前で買ったCD。DANIEL HUMAIR,RECARDO DEL FRA,PETER GRITZが参加してるのだもの、買っても悪くないだろうというところ・・・ 家に帰って、ネットで検索してみたら、「オラシオさん」が自身のブログで既にこの作品のことを書かれていた。 俄然、期待感が高まる。 聴いてみた。 やっぱり、・・・勘は当たっていた。 休日に散歩していてふと、道端に咲いている見たことの無い可愛らしい野花を発見したような気分だ。 傷つけないようにそっと摘み取って、家に持ち帰りお気に入りのフラワーベースにアレンジする。折に触れて見やり、写真に撮ったりして一人楽しむ。 このCD、まさにこんな感じで、出来たら誰にも教えず一人、楽しみたい作品。 ひっそり隠匿して、独り占めしてその素晴らしさを楽しみたい作品だ。 作曲が素晴らしい。1曲、1曲ごとの解説はここでは省略するけど、生き生きとした躍動感、色彩感、叙情性、ペーソス、生きる喜び、悲しみ、・・・MARIO STANTCHEVという生身の人間が自身を等身大で最大限に表現しきった音楽が一枚のCDに記録されていると思うのだ。 リズム隊が申し分ないのは言うまでもなく、ソロがフューチャーされるJEAN-LOUIS ALMOSNINOやLAURENT BLUMENTHALらサイドメンも好演。 MARIO STANCHEVのピアノは、歯切れの良い硬質なタッチが特徴だが、リリシズム溢れる表現やジャージーでスインギ―な感覚も持ち合わせる柔軟でオールラウンドな表現もバッチリできる万能型。 全曲素晴らしいけど、個人的には1曲目「TINKO」6曲目「DO-DO」7曲目「LITTLE GIPSY」が最も気に入っている。 オラシオさんも言ってたかも知れないけど、12曲目「ON THE SUNNY SIDE OF THE STREET」は必要なかったかもしれない。 メンバーはMARIO STANTCHEV(P)LAURENT BLUMENTHAL(AS,SS)HERVE GOURDIKIAN(TS)JEAN-LOUIS ALMOSNINO)G)RICCARDO DEL FRA(B)PETER GRITZ(DS)DANIEL HUMAIR(DS)SILVIA STANCHEV(CELLO) 録音は1990年2月 PARIS
最近亡くなってしまったGEORGES ARVANITASの1987年録音で、CDは1枚だがLPでは2枚組で発売された。 アルバニタというと、やはり「3AM」や「IN CONCERT」が思い出深い。 80年初頭に「3AM」が再発された時は感激した。 学生時代、なかなかこのレコード聴けるジャズ喫茶がなく、確か今はなき大阪太融寺の名店「JOJO」で初めて聴いたと思う。「IN CONCERT」は「JOKE」でよく聴いた記憶がある。「3AM」はその後、澤野工房でより素晴らしい復刻盤が出たので入手された方も多いと思う。 ジャズを感じさせる素晴らしいジャケットで、「VENTO AZUL JAZZ ROOM」の壁にもちろんディスプレイしております。 80年も後半にさしかかってCARREREから2枚組のピアノトリオ「ROUND ABOUT MIDNIGHT」が発売された。その頃デクスター・ゴードン主演「ラウンド・ミッドナイト」が公開された矢先のこと。 このテナーカルテット盤も選曲の雰囲気が少し似通っているのは気のせいだろうか?そう思って聴いているとMICHEL GOLDBERGのサックスがデクスターぽく聴こえてくるものだから不思議だ。 この作品、日常的に行われているセッションの断片が切り取られたような仕上がりで決して名盤ではないけれども、普段着のアルバニタが聴ける好セッションで結構CDトレイに入れ込んで聴いている。 メンバーはGEORGE ARVANITAS(P)JACKY SAMSON(B)CHARLES SAUDRAIS(DS) MICHEL GOLDBERG(TS,SS) 録音は1987年3月25~28日
EGEAのCDが昨日まとめて5枚届いた。 オーソドックスなJAZZとは、結構離れている音楽がこのレーベルでは、展開されているのだけどどの作品も個性豊かなオリジナルなサウンドが詰まっていて聴き応えがあり、注目している。まず最初は最もジャズっぽいと思われる作品を聴いてみようと思う。 メンバーの中で、GIL GOLDSTEINは別にしてESSIET ESSIET(蛇足だけどエド・マクベインの87分署シリーズにマイヤー・マイヤーという刑事をいつも思い出す。)や JOE CHAMBERSの名前がこのレーベルからは異色で新鮮な響き。 アルバムタイトル通りイタリアの美曲がまとめられたものだけど、ジャズ度が高くアロド・ロマーノやステファーノ・ボラーニにも同種の企画作品があったと思うがそれに勝るとも劣らない作品。 ギル・ゴールドスタインがアコーディオン、ピアノ両方でリリシズム溢れたとても良い仕事をしている。 PIETRO TONOROの少しハスキーな成分を含むテナーやガルバレグの様なマチュアーで丸みを帯びたソプラノの音色とGIL GOLDSTEINのアコーディオンが絡み合い甘く豊穣な響きが音楽に生命を吹き込む。 晴れ渡った空、石畳、教会の鐘、裏通りのバール、夕暮れ時の港町、高い天井の駅舎、雨に濡れた落ち葉、丘陵地帯に咲き乱れる花々・・・走馬灯のように映像が浮んでくる。 5曲目モリコーネの「METTI UNA SERA A CENA」ではジョー・チェンバースのバイブラフォンがフューチャーされ、いつもの如く清涼感溢れた氷菓子のような響きはこのアルバムでも良いアクセントになっていると思う。 全体に甘口の仕上りだけど、べたついた甘さはなく上品でかといって気取っているわけでもない、あたかも下町で思わぬ美味い料理を出すレストランを見つけたような気分だ。 休みの日にゆったりとした気分で聴いてもらいたいアルバムだ。 メンバーはPIETRO TNOLO(TS,SS)GIL GOLDSTEIN(P,ACCODION)ESSIET ESSIET(B) JOE CHAMBERS(DS,VIB) 録音は2004年5月23,24日