患の特徴 Ehlers- Danlos 症候群、血管型(EDS4としても知られている)は薄く透けて見える皮膚、易出血性、特徴的顔貌、動脈・腸管・子宮の脆弱性に特徴付けられる。罹患者は動脈破裂、動脈瘤、動脈解離、胃腸穿孔・破裂、妊娠中の子宮破裂のリスクを有する。20歳までに1/4の患者が、40歳までに80%の患者が何らかの明らかな医学的問題を経験する。 著者: Malanie G Pepin, MS; Peter H Byers, MD 日本語訳者:古庄知己(信州大学医学部附属病院遺伝子診療部)より引用
この作品はEDSの専門機関EHLERS-DANLOS NATIONAL FOUNDATION及びEDS患者の為にNOAHが録音した作品で、アルバムの収益は全額、EDNFに渡されるようだ。 販売もEDNFにしか在庫をおいていないようで道理で市場に出回らないはずである。
そしてこのCD,メンバーがロン・カーター、ベン・ライリー巨匠二人を招いてのスペシャルトリオなのであります。 最も、出来上がった作品がしょぼかったらお話にならないのですが、これが素晴らしい出来なのです。 さすがはベテラン2人、NOAHの意向を見事に汲み取り素晴らしい協調性を見せる。 そこに勿論自身の主張を盛り込む事に抜かりはない。 NOAHも最高のリズム隊にサポートされて雲の上の絨毯にでも乗っている心地だったに違いない。 一番のお薦め曲は「PATCH KIT」。 そこはかとない哀愁が滲み出た飽きの来ない良曲だと思う。 「JAZZ BAR 2006」にいれてほしいような曲。 メンバーはNOAH BAERMAN(P)RON CARTER(B)BEN RILEY(DS) 録音は2002年9月12日 SYSTEM TWO STUDIOS BROOKLYN , NY
カナダ、バンクーバーで活躍する歌手LEORA CASHEの2005年作。すでにアルバムは何枚かリリースしているがこの作品がジャズ歌手としてのデビュー作のようだ。 前作はゴスペルの作品だったようだ。 ゴスペルシンガーというと、声量豊かにシャウトするスタイルが想像されがちだけど、もちろんそれオンリーではなくて、歌に対するダイナミクスが必要とされるだけあって、繊細な表現も問題ない。 ゴスペルフィーリングが鼻につくこともなく、素直でストレートな感情表現が好ましい。 声量が結構あるようなので、常に余裕を持って歌っているので危なげなく安心して彼女の唄に身をまかすことができるのだ。 だからといって、ジャズ的スリルに乏しいわけではなくて100%全力投球の姿勢がうかがえて好感を抱く。 バックもソリッドで手堅いピアノトリオなので、ジャズクラブの前の方の席で聞いている様な気分を味わえること受け合い。 「LONG AGO AND FAR AWAY」「OLD DEVIL MOON」「LOVER COME BACK TO ME」「DO NOTHING TILL YOU HEAR FROM ME」「MY HEART STOOD STILL'」「MIDNIGHT SUN」「COTTONTAIL」「BLUE SKIES」「LOVE ME OR LEAVE ME」 など、緩急自在な選曲で飽きさせない。 メンバーはLEORA CASHE(VO)RUSS BOTTEN(B)TONY FOSTER(P)JON WIKAN(DS)CRAIG SCOTT(DS)ROSS TAGART(P)MILES FOXX-HILL(B) 2005年作品
今年最初の一枚はこれにします。 PAULA SHOCRON/LA VOZ QUE TE LLEVA BLUE ART RECORDSから2005年にリリースされたアルゼンチンの女性ソロピアノ作品。 普通、ピアノソロは聴かないし、苦手。持っているソロピアノ作品と言えば、モンクが2枚、キース1枚(メロディー何とかって言う病気のリハビリ集みたいなCD)スティーブ・キューン1枚、それぐらいか? とにかくほとんど持っていないし関心外のジャンルなんでたいしたこと言えないのですがこれはレーベルサイトで試聴していっぺんに気に入りました。 光と影を感じさせる色彩感豊かな風のようなピアノと言えばよいかな? 柔らかいハーモニーとハードでストイックな表現の混ざり具合も面白く、 ジャズの語法を意識させない奏法もオリジナルなものを感じさせると思う。 オリジナルとモンクの曲を3曲。 録音は2005年
今日は家族と昼から街中へ出かけた。 ちょうどシャレオ地下で中古市が開催されていたのでいつもの如く、どれどれといった感じでレコ掘り作業(CDか)を開始したのだけれど今一これというブツがない。 なにかひとつこれといったものがあれば、エンジンがかかってあれもこれもとなるのだけどこの日は不調に終わり結局なにも買わずじまい。 ついでにその足でTOWER RECORDへ行き、ジャズコーナーは今回は素通りして(年末に覗いているから新しいものが入っているとも思えず)WORLDやLATINのコーナーを散策していて偶然目にとまったのがコレ! なかなかいいジャケットでしょ。 レモンイエローのベース色と黒人の姿のジャケットをしばらくの間試聴機の前で見ていた。 聴いてみた。 直感が当たった。 TOWERのPOPを読むとデビッド・ボウイの楽曲をポル語でギター一本で弾き語りしているというのが分かった。 その瞬間に買いが決まった。 デビッド・ボウイは中学時代の同級生がレコード集めていたのを横目で見ていたくらいで、これまでの46年間の中で一度も音楽的接点のないアーティスト(私ほとんどロックを知りません。)だけれども、いい曲作ってますね。 SEU JORGEも勉強不足のため初めて聴いたブラジルのアーティスト。 リアルブラジルを代表するミュージシャンのようで2005年には日本へ来日、広島もクアトロでライブがあったらしい。 あとで調べてみて旧作のジャケは見たことがあった。 SEU JORGEのギターと唄はボサノバやサンバのリズムを多用しているが、60年代のボサノバの雰囲気はない。 そこには、リアルなブラジルの姿が投影されているように思えてならない。 今のブラジルに日常的な意味でボサノバはない。 ブラジルもロックやヒップホップ、アシェーミュージックがラジオをつけると流れていてその辺はアメリカや日本と同じ。 それでも、ブラジルのミュージシャンの音楽にはサウダ-ジがあるのです。 数年前から日本ではカフェミュージックとか何とかいってボサノバを今風な味付けでリニュアルしてプロデュースする企画が流行っていて様々なCDがリリースされていますが、私どうもダメなんです。 例の加工臭が・・・ その点、このSEU JORHEの作品は数倍、ボサノバやサンバの本質を伝えている気がしてならない。 ボサノバは決してデパートの音楽ではないのである。 2005年作品。 SEU JORGE(VO,G)
年末に見つけたイギリスのボーカリストSIOBHAN PETTITによるバート・バカラック集。 「WHAT THE WORLDS NEEDS NOW IS LOVE」「A HOUSE IS NOT A HOME」「THE LOOK OF LOVE」「CLOSE TO YOU」「I SAY A LITTLE PRAYER」「WALK ON BY」「WIVES & LOVERS」お馴染みの名曲がずらり。 ジャケットの顔もいいではないか! この時点で買うっきゃないでしょう! ジャズの作曲家以外では、本も出版されているけれど、私もルグラン、ジョビン、バカラックで決まりだと思う。 このアルバムは彼女の3作目の作品で、過去の作品もスタンダードナンバーや自作にエルビス・コステロやバカラックの曲を加えたものだった様。 冬の晴れ渡った柔らかな日差しの様な、きりっとしているのだけれどどことなく温もりを感じさせる爽やか清涼系の声質はバカラックのようなポップナンバーにうってつけだと思う。 今、「恋の面影」が流れているけど、この曲を聴くと映画に出演していたウルシュラ・アンドリュースの艶やかな姿を思い出す。 バイオを見るとクリントン元大統領や007のロジャー・ムーア(ここでつながりましたね!)も彼女のファンだというではないか。 そんな彼女もジャズだけの仕事ではなかなか飯がくえないらしく、ヴァン・モリソンのバックボーカルやエンゲルベルト・フンパーディンク、マイケル・ヴォルトンと仕事をしたりしているようだ。 フィリピンで人気が出てきているようで今後に期待したいボーカリストです。 先物買いのボーカルファンのかたには新春お勧め第1号です。
このピアノトリオ作品は本当だったたら昨年入荷しているはずだったのだけれども、遅れ遅れになってようやく昨日入荷したもの。 JOEL HOLMESは1982年12月生まれというからこの作品をリリースして時点では22才の若い黒人ピアニスト。 一曲目からぶっとばしてくれます。 マッコイ系のめまぐるしく鍵盤上を駆け巡る指裁きは、最近の若手ピアニストではあまり聴いた記憶がないのだけれど、なかなか大したもんです。 スピード感だけでなく、地にしっかりと足をついた力強さ、安定感もあるので危なげがない。 そして、若い黒人ならではのバネの力を感じさせる。 はちきれんばかりの柔軟性に富んだゴムマリのような筋肉から生み出される瞬発力。 これは、われわれ日本人や白人が束になってかかっても勝てないところだろう。 運動能力のすばらしさだけではない。 4曲目の暗い海底の奥底に沈鬱するような深い叙情性を、繊細に描き出す表現力。 「BODY AND SOUL」を4度演奏しているが、別テイクというものではなくてすべて違う内容であり、そのバリエーション豊かな表現能力にも驚かされ、技術面での力量がうかがわれる。 オリジナルも良いのですよ。 1曲目「HOLYSPIRIT」4曲目「DIVINE REVELATION」6曲目「ONE LIFE TO LIVE」 7曲目「MY SUNSHINE」。 欧州ピアノトリオもいいけど、一年のスタートにあたりこういうフレッシュな黒人正統派ピアノトリオを聴くのもオツなものだと思うのですが如何なものでしょう? エリック・バード・トリオのファンの方にはきっと気に入っていただけると思います。
ボルチモア生まれで現在ワシントンエリアで活躍するTOM BALDWINが2002年にリリースしたデビュー作品。 1995年に開催されたセロニアス・モンク・コンペティション(ベースの年)で見事第2位を獲得してほどなので、腕前は保証つき。 今までにEric Alexander, Gene Bertoncini, Stanley Cowell, George Garzone, Fred Hersch, Brian Lynch, Harold Mabern, James Moody, James Williams,などと共演した経験がある。 この作品はピアニストにGEORGE COLLIGANを迎えていることが大きなポイントになっていて、リーダー作では時々頭脳明晰のためか少々頭でっかちな観念的プレイに走りすぎるきらいののあるコリガンも、ここでは適度にリラックスした素晴らしいプレイを展開している。 もともとテクニックのある人なので、平常心でリーダー作にも望めばもっと良い作品が作れると思うのだけど、どうしても気負いが先立ってしまうのだろうか? もっとも、新しいことにトライアルするチャレンジ精神は必要だし、その辺のさじ加減がリスナーとアーティストの間には常につきまとう問題であるのは確かです。
去年の夏、BRAMBUSのROLF HASLER「WALKING THREE」を聴いたとき、リーダーより感心して耳をそばだてたのがこのJEROME DE CARLIだった。 このブログにも確か、ピアノトリオで聴きたいことを書き記したと思うのですが、 少ししていいタイミングで同じくスイスのレーベル、JAZZ ELITEから「WHO CARES」が発売された。 HASLER盤を聴いたときの好印象が、一曲目バリーハリスの「BISH BASH BOSH」を聴いたとたん、確信に変わった。 素晴らしいピアニストが醸しだす隠しとおせないジャズの芳しい気品、輝き、リラクゼーション、スピリッツ、最高の賛辞を捧げてもいいのではないかと思わせるぐらい素晴らしい演奏が収められていると言っても良いのではないかと思う。 この作品、ちょつと良いくらいではなく、相当良い部類にランクされる作品なのではないかと思う。 たぶん、長い間に渡って鑑賞するごとに愛着が増すスルメ盤だと思うのだ。 たぶん、経験から言って間違いない。 ピアノトリオファンはもとより、ジャズファンのかたは入手しておいたほうが良い一枚だと、思います。 この作品で私の中でJEROME DE CARLIの占める位置が俄然大きくなって、調べてみると過去にもこのメンバーでトリオ作品をリリースしていることが分かった。 ギリシャ、アテネ録音のようだ 「Jerome De Carli/The Way I Like It」 Flanagan (De Carli) The way I like it (De Carli) Transition (Antoniou) One for Mulgrew (De Carli) La Habana (De Carli) March on June (De Carli) Stella (De Carli) 11th Street West (De Carli) Blues ’n’ Groove (De Carli) Without a Song (Youmans/Rose/Elisen) Recorded 7. & 8. July, 1998
もう1枚は1999年チューリッヒのジャズクラブでのライブ録音で 「Jazz Pan」 Have you met Miss Jones (Rodger&Hart) Beautiful Love (Victor Young) Recordame (Joe Henderson) Straight no chaser (Thelonious Monk) C Jam Blues *(Duke Ellington) Fee fi fo fum (Wayne Shorter) On green Dolphin street (B.Kaper) In a sentimental mood (Duke Ellington)
Recorded Live at Free Friday Carnival Club 4. June 1999, Zürich, Switzerland
滅茶苦茶聴いてみたいです。 今からJEROMEにコンタクトとってみようと思います。
イギリスのボーカリストSALLY DOHERTYの2005年作品で、スタンダードやサンバ、ボサノバ、ボレロの名曲の数々を英語、ポルトガル語、スペイン語を駆使して謳いあげるという内容の作品。 イギリスではクレオ レーンのオープニングアクト(悪く言ったら前座だけど)や重鎮ピーターキング、アランバルネと共演もしているらしい。 ひんやりした冷気が運ばれるようなウィスパー系ボイスがなかなか魅力的で、ラテンアレンジの曲とポルトガル語やスペイン語による歌唱がよくあっている。 「WHAT A DEFFERENCE A DAY MAKES」、ダイナ・ワシントンの名唄が未だに耳について離れないのだけど、こういうバージョンもいいねぇ! ダイナの唄がブルースの心情に溢れた人間の感情の発露をストレートにぶちまけたものだとしたら、サリーの唄は洗練されたスタイルで、さりげない表現は都会的なスマートさを感じさせる。 真夜中の気だるい淀んだ空気の場末の酒場と日のあたる明るいフレンチカフェの午前11時の風景との違いだろうか? まったく違う曲に聴こえるけど、これも良いです。 アリ・バローゾの「E LUXO SO」もいいし、「BESAME MUCHO」もこの人が唄うと不思議とベタな感じがせずに、爽やかさを感じさせる。 ダイナの唄がバーボンストレートだとすれば、サリーの唄はミントリキュールソーダ割りライム添えみたいな感じかな。 すっきり爽やかなのである。それでいて、唄のメッセージは充分、伝わってくる。 バックのピアノトリオも良いサポートをしている。 今後も期待したいボーカリストだと思う。 メンバーはSALLY DOHERTY(VO)PIETRO TUCCI(P)COLLIN ELLIOT(B)CAROLINE BOADEN(DS) 録音は2005年3月25日、5月17日