そんな大阪を愛する田中の自作の曲名(邦題)は、ウィットがきいていて洒落ている。 人生哲学が表れているような曲名といってもよいのかも知れない。 「苦しくも、また楽し」「金は天下の周りもの」「残月」「桜吹雪の調べ」 おそらく、このアルバムでも、日頃のライブ演奏となんら変わったことはしていないのではないかと思われる。 否、ドラムスが愛弟子、東原力哉だから気分が高揚しているか? 歌心、スイング、ジャズスピリッツ、どれをとってもピカイチのピアノだと思う。 飾り立てることのない、ナチュラルなフレーズからは、ペーソスさえも聴こえてくる。 田中のピアノを聴ける大阪のジャズファンは幸せだと思う。 メンバーは田中武久(P)神田芳郎(B)東原力哉(DS) 1.BITTER SWEET 2.A CHILD IS BORN 3.MONEY WILL COME AND GO 4.A MORNING MOON 5.IT'S ONLY A PAPER MOON 6.A FANTSY OF CHERRY BLOSSOMS 7.ZINGARO 8.I'VE GROWN ACCUSTOMED TO HER FACE 2002年作品
というわけで、本日は英国のボーカリスト、DAISY CHUTEちゃんに、膝枕してもらって慰めてもらってます。 ジャケ通りの、可憐でキュート、ストレートな歌唱が実にイイです。 と、今日はあまりとやかく言わずに、デイジーちゃんのボーカル聴いてるVENTO AZULであった。 メンバーはDAISY CHUTE(VO)DAVID PATRICK(P)ADAM SORENSON(DS)ANDY SHARKEY(B) 1. I Just Found Out About Love 2. Lazy Afternoon 3. Dindi 4. You Go To My Head 5. Girl Talk 6. Blackberry Winter 7. Too Young To Go Steady 8. If I Were A Bell 9. Little Girl Blue 10. Waltz For Debby 11. Detour Ahead 12. Bill 13. I Like It Here 2005年作品
この作品、注文してから、入荷するまで約5ヶ月もかかった。 メンバーがDREW GRESSとJEFF BALLARDなので、これは売れそうだと、一度に大量に注文したのがいけなかったみたいなのだ。 在庫が揃うまで発送されなかったものだから、こんなに時間がかかったのです。 ようやく、今日届きました。 STEVE SCHMIDT(スティーブ・シュミット)はシンシナティのピアニストで、地元のクラブやビッグバンドのピアニストとしても活躍しているようです。 シンシナティというと、「シンシナティ・キッド」という賭博場が舞台の映画があったけれども、 この映画の主演男優も同じスティーブだった。 ラストシーンで、マックイーンと少年とのダイムの裏表を賭ける落ちが、いまだに印象的な映画です。 シンシナティというと、そんなイメージしか漠然思い浮かばないのですが、この作品はシンシナティから大都会ニューヨークへ繰り出して、一流のリズムセクションとともに録音した作品でシュミット本人も相当、力を入れて望んだことが推し量れる。 ただ、そこはベテラン、自身の音楽性を見失わず、日頃の自分をありのまま自然に表現しているtころが、若手の初リーダーアルバムなんかと違うところ。 モンク調のリズムフィギュアー、エバンスの叙情性、フレッド・ハーシュの繊細さ、メルドーの先鋭性、ケリー風のグルービーなファンキー節まで繰り出す、引き出しの多い切り口は、わざとらしさやあざとさがなく、ナチュラルである。 DREW GRESS とJEFF BALLARDの二人もさすがに一流、自分の持ち味をだしつつ、素晴らしい協調性をみせ、即席のセッショントリオとは、とても思えないほど。 やはり、一流と呼ばれるようなミュージシャンやシュミットのようにこの道何十年もピアノ一本で食っているような連中は、懐の奥が深いなぁと思うのである。 ライナーは、30年来の親友、フレッド・ハーシュが書いている。 メンバーはSTEVE SCHMIDT(P)DREW GRESS(B)JEFF BALLARD(DS) 1. Monkyside 2. Bon Air 3. For The Music 4. Red And Orange 5. Forgiveness 6. West Coast Blues 7. Anthem 8. I Wish I Knew 9. Lullaby Of The Leaves 10. When I Grow Too Old To Dream
田崎真也が、世界ソムリエコンクールで優勝するまでに、家3軒分のワインを飲んだという逸話がありますが、もし世界ジャズファンコンクールというものがあるとすれば、それに優勝するのにかかるお金は一体どのくらいかかるのだろう? どちらにしても、莫大な時間と財を費やして真の意味で、道楽を極めることが出来ると思うのです。 最後に作品のメンバーと曲紹介を・・・ Dave Karr: baritone sax Dave Graf: trombone Gordy Johnnson: bass Tanner Taylor: piano Phil Hey: drums 1. Intro 2. Bweebida Bobbida 3. Intro 4. Line For Lyons 5. Intro 6. Bernie's Tune 7. Intro 8. Walking Shoes 9. Intro 10. Jeru 11. Intro 12. You Took Advantage Of Me 13. Intro 14. I Know, Don't Know How 15. Thank You 16. Wrap Up 17. Django's Castle 2004年作品
現代で活躍している若手ピアニストに欠けるもの、それは親しみやすさだろう。 向こうのほうからこちらに近づいてきてくれ、肩を叩きあい、ハグ、ハグの世界。 カルフォルニア州、ベイエリアで活躍しているピアニスト、デビット・ウドルフはそんなインティメイトな雰囲気を持つピアノ弾き。 渋めの選曲といい、リリカルで繊細なタッチは、誰もがトミー・フラナガンを連想するのではないだろうか? 4曲目はレターメンの歌唱が有名な「涙のくちづけ」、あまりジャズバージョンを聴かない曲だけど、これは良い。 たぶん、誰もが口ずさめるメロディーだろう。 渋いスタンダードナンバーの中に超有名曲を持ってくる匙加減もセンスが良い。 歌手のシェリー・ロバーツと活動を共にすることが多いようだけど、唄伴の上手いところもフラナガンに似ています。 メンバーはDAVID UDOLF(P)CHRIS AMBERGER(B)BOB BRAYE(DS),JAIMEO BROWN(DS) 1. Love You Madly 2. Isn't It a Pity 3. Here's to My Lady 4. Sealed With a Kiss 5. Love Walked In 6. Why Did I Choose You 7. Suddenly It's Spring 8. Change Partners 9. Spring Will Be a Little Late This Year
トロントの若手ピアニスト、Greg de Denusの2003年デビュー作品。 うららかな午後の柔らかい日差しの中を吹き抜ける風のようなピアノです。 曲調も演奏もパステルタッチの落ち着いた印象の作品なので、一聴した限りでは強いインパクトは残さないかもしれない。 思索的な曲調やそこはかとない叙情性は、研究したジョン・テイラーやフレッド・ハーシュからの影響かもしれない。エンリコっぽいところも少し見受けられる。 グレッグのピアノは、表現の深みやスタイルの確立といった点で、まだまだ先人達に、一歩譲るのかもしれない。 それは認めよう。 しかし、ステップの軽やかな何処にでも行けそうな風通しのよい、グレッグのピアノを聴いていると、エトランゼ気分を味わえるのだ。 この感じ、悪くない。 メンバーはGreg de Denus(p)Brandi Disterheft(b)Sly Juhas(ds) 1. The Searcher 2. Peace at Last 3. Desert Traveller 4. Alter Ego 5. Fog 6. Wise Ones 7. Everything I Love 2003年作品
そういえば、当店で昨年からコンスタントに売れているこの作品を未紹介だったなと思い、本日はこれを取り上げます。 LENNY ROBINSONは1956年ボルチモアで生まれ、現在メリーランドを拠点に活躍している中堅ドラマー。 この作品は、FSNTにリーダー作や、ドナルド・ハリソンとも録音歴がある、ANDREW ADAIRを迎えた ピアノトリオ作品で、2005年自主制作でリリースされました。 アンドリュー・アデアーがこんなに素晴らしいピアニストだとは、思わなかった。 ヴォーカルもするので、弾き語り系のピアニストなのだろうと思っていたのですが、どうして、どして、ケリー~クラークを基点にモダンジャズピアノを一回りは俯瞰し消化しているとは思うのだけど、この人のピアノの良いところはそれをあからさまにひけらかさないところ。 語り口が平易で、誰もが分かりやすいピアノを弾いてくれている。 ノリの良さと歌心が満載で、グルービーでコクがある。 モダンジャズピアノを聴いたなぁという満足感を間違いなく与えてくれるでしょう。 リーダーの軽いクッションを伴う、50年代風のザックリ感のあるドラミングは、まさにアデアーのピアノとの相性バッチリで、ジャズ喫茶でかかったとすれば、皆がジャケットを見に来るだろう事が想像に難くない。 メンバーはANDREW ADAIR(P)GAVIN FALLOW(B)LENNY ROBINSON(DS,MARIMBA)BOBO BUTTA(P)1曲のみ 1. Close Your Eyes 2. I Didn't Know What Time It Was 3. From This Moment On 4. Easy To Remember 5. Little B's Poem 6. Goodbye Porkpie Hat 7. The Turnaround
「このCDのスタンダードの解釈にとても感銘を受けた。もっと聴かれるべきピアニストだ。」とホレス・シルバーに言わしめたARKADY FIGLINはロシア生まれ、現在NYで活躍するピアニストです。 クラッシックで培われたテクニックを武器に鍵盤上を縦横無尽に駆け巡る様は、あたかも全盛期のピーターソンのよう。 「枯葉」のイントロにさりげなくバッハを引用したり、ラフマニノフの曲を演奏したりしても、さりげなく演奏されるので、違和感もなく、嫌味がない。 テクニックの為のテクニックという使われ方ではなく、まっすぐストレートにスイングする事を心掛けておりとても好感がもてる。 メンバーはARKADIY FIGLIN(P)DMITRI KOLESNIK(B)JIMMY MADISON(DS) 2001年5月16,17日録音 NYC 1. Somebody loves me 2. I hear a Rhapsody 3. Autumn leaves 4. You stepped out of a dream 5. Clair de Lune(Moonlight) in Vermont 6. Who knows 7. No mercy 8. Lilacs 9. RKD
DUCKSTEP TRIOが、今朝入荷したので、こちらのブログ(訪問者が「店長日記」は少ないもので)でも重複しますが、紹介。 Luca Marianini(tp) Giovanni Belli(g)Graziano Brufani(b)の3人からなるイタリアの変わった編成のトリオなのだけど、この楽器の編成というと最近ではSWEET JAZZ TRIOが有名だけど、このトリオは、チェット・ベイカー・トリビュートとでもいうCRISSCROSSに録音のあるCatherine/Harrell/Van De GeynやVERVEのハービー・ハンコック集McBride/Payton/Whitfield にインスパイアされて結成されたトリオらしい。 1. Driftin 2. Duckstep 3. I Remember you 4. Love For Sale 5. Melody For Cristina 6. Une Belle Histoire 7. Jo For Wes 8. Funk In Deep Breeze 9. Kika 6曲目を聴いた時、どこかで聴いたような旋律だなぁと思い、メロディーを頭の中で反芻していると、思いだした。 ミスターサマータイム ♪♪♪・・・・ サーカスの大ヒット曲をそれこそ、ニースか、リビエラか、夏の打ち寄せる波の海岸べりの向こう側の地平線上に夕陽が沈んでいくのが見えるような・・・そんな情景が思わずとも浮かんでくるような、実に壺にはまった演奏を繰り広げているのです。 この1曲で仕入れ決定でしたね。 他の曲も結構いい感じで、ちょっとこれはお薦めですよ! SWEET JAZZ TRIOをお気に入りのかたには、120%お薦め致します。 メンバーはLuca Marianini(tp) Giovanni Belli(g)Graziano Brufani(b) 2006年作品
今日取り上げる、カルビン・ヒル盤は後者の良い例で、なんと開店の時に仕入れたものが未だに1枚も売れていないのです。 試聴してみて良かったのでオーダーしたのだけど、見事に当てが外れた実例。 よくよく考えれば、売れない原因が分かる。 ジャケットが貧弱で、目を惹かないし、ジャズで最も大切なメンバーもクレジットされていないのである。 これでは、誰も買わないだろう。 アメリカのディーラーのキャプションにもメンバーの表記がなかった。 カルビン・ヒルが、地味なベーシストなのだけど、この作品実は共演ミュージシャンが粒よりのメンバーなのです。 MICHAEL COCHRANE(P),YURON ISRAEL(DS).JOE LOCKE(VIB) マイケル・コクレーン、昔から個人的に愛聴しているピアニストで、うまいプレーヤーではないのだけれど、フレーズのひとつひとつが本当に唄っている、分かりやすい口ずさめるようなフレーズを弾くアジのあるピアニストだと思います。 MJQが、NYのカーライルホテル(実際に出演していた)のラウンジのように、落ち着きのある洗練されたイメージに対し、このカルテットのサウンドはもっと親しみのある気軽に立ち入ることの出来るダウンタウンのレストランバーのような感じですね。 スタイリッシュに飛ばすジョー・ロックのビブラフォンとコクレーンの旨口仕立てのコクのあるピアノが好対照をなしていて悪くないです。 MJQのような個性を確立しているかというと正直なところ首を振らざるをえないのだけど。あくまでもレコーディングのために集ったメンバーなので、バンドとて、ユニットとしての個性を求めるのは酷というべきか。 とにかく、素通りするには惜しい、好内容のセッションが記録されています。 1. I Fall In Love Too Easily 2. Falling in Love with Love 3. I've Never Been in LOve Before 4. All the Things You Are 5. Beautiful Love 6. Hymn A L'Amour 7. What is This Thing Called Love 8. I Can't Give You Anything But Love 9. When I Fall in Love 2005年作品
NYで活躍しているギタリストJAY AZZOLINAの2002年作品。 GARY VERSACEのB-3オルガンが参加したオルガントリオです。 ジェイ・アゾリーナは、スパイロジャイラやハービー・シュワルツのバンドのメンバーでもあっただけに、オーソドックスなジャズからフュージョンを経たとてもヴァーサイタルなスタイルの持ち主のようです。 今までにレコーディング、共演したミュージシャンの名前を列記してもそのことが分かります。 Dave Samuels, Kenny Werner, Fred Hersch, Jeff Beal, David Mann, Ron McClure, Herbie Mann, Chuck Mangione, Jerry Bergonzi, Marc Copeland Michael Franks, Donna Summer, The Manhattan Transfer, Carly Simon and Rickie Lee Jonesなどなど。 1曲目など、一頃のジョンスコを曲調、演奏とも連想させるところがあって、クールで決まっている演奏です。 オルガンのゲイリー・ヴェルサーチ、アダム・ナスバウムとのトリオの一体感も出ていて、ジミー・スミスやラリー・ヤングのオルガントリオとは、全然違うサウンドが鳴っている。 ジョンスコとラリー・ゴールディングスが一緒に演ったアルバムに一番似ているしれない。
とにかく、テクニックとか新しさより、バンドとしての風通しのよい表現は、オーソドックスな4ビートジャズからモードジャズ、ロック、ブルース、C&W,ファンクを包括したその自然で、どれが突出するでないオールラウンドな音楽性はやはり70年以降のフュージョンをリアル体験したギタリストならではのものと思われる。 ライブ作品なのだけど、実際こんな演奏目の当たりにしたらゴキゲンで、さぞビールの消費量が上がるだろうなぁ。 メンバーはJAY AZZOLINA(G)GARY VERSACE(ORG)ADAM NUSSBAUM(DS) 2001年12月21日 ONE STATION PLAZA, NY
私事なのだけど、この一月何かと気ぜわしい日々が続き、目は充血、慢性的寝不足の日々が続き、ストレスを背中にしっかりと溜めこんでいる今日この頃なのでございますが、彼女のような天然癒し系、清涼ウィスパーボイスを聴くと、ほっとします。 6曲入りのミニアルバムで、20数分という時間も、丁度良いです。 この2,3日、休憩中にずっと流している。 ア-ロン・パークスがピアノを弾いている事も特筆できよう。 彼のトリオとアコースティックギターから生み出されるサウンドもアマンダの唄にとてもマッチしています。 1. These Days 2. By Your Side 3. Far Away 4. Welcome Sunrise 5. Up On The Roof 6. Every Time We Say Goodbye 全部良いのだけど、個人的には3と4と6が最も気に入っている。 夜の帳が降りてきた頃、戸外で気持ちの良い風に吹かれているような気分。 メンバーはAMANDA BAISINGER(VO)AARON PARKS(P)LIETH GANZ(G)PETER SLAVOV(B)KENDRICK SCOTT(DS) 2005年作品