ヒマラヤ水晶~ネパール 1


「この産地の水晶が好き」と、初めて産地に惹かれたのがヒマラヤ水晶でした。
「世界の屋根」と呼ばれる場所からもたらされたという、
イメージ的な付加価値はもちろんありますが、
私の目には、荒々しくも独特な形、照りや透明感、
緑泥のインクルージョンがとても魅力的に写りました。
最初は「ヒマラヤ水晶」でひとくくりにイメージしていましたが、
しだいにいろいろな産地があり、産地ごとに特徴があるのがわかってきました。
個人的感想も交えて、ヒマラヤ水晶の産地についてまとめてみます。


ネパール産 (1)

■ガネーシュ・ヒマール   (ガネッシュ・ヒマール/Ganesh Himal )


■産地について


その名の通り、像神ガネーシュの住まう山という意味。
ネパールの首都カトマンズの北北西、チベット国境付近にある山。

ガネーシュ・ヒマール(7429m)と紹介されている一つの山の山頂から
採掘されているのではありません。
ガネーシュ・ヒマールの名前を持つ山は6つあり、
これらの山々が含まれる広い山域からの産出ということになります。
また、ガネーシュ・ヒマール産は、一つの「ブランド」的なものであるため、
その周辺や違う場所で採れた水晶がダディンやカトマンズに持ち込まれ、
ガネーシュ・ヒマール産として売られている可能性もあります。

※これまでは、ガネーシュヒマール1峰は7429mとされてきましたが、
新たな地図では(7422m)となっています

※ガネーシュ・ヒマール山群は、ダディン(Dhading)という
 行政区(日本語で表記するとダディン郡)の外れにあるため、
 ダディン産と表記されることもあります。

ガネーシュ :ヒンドゥー教の神の一柱・ガネーシャのこと。
  現代ヒンディー語ではガネーシュ、ガンパティ(ガンパチ)、
  英語発音ではガーネッシュなどと発音される。
  太鼓腹の人間の体に 片方の牙の折れた象の頭と4本の腕をもつ。
  障害を取り去ったり、財産をもたらすといわれ、
  デカン高原一帯で広く信仰されている。

■ガネーシュ・ヒマール産水晶についての個人的考察

今のところ、ヒマラヤ水晶の中で一番のお気に入りがこの産地。
ヒマラヤ水晶の中でも最も流通量が多い。産出する水晶は、総じて「ワイルド」な印象のものが多い。
くわしく見るとにもいろいろなタイプがあるようす。

●直径が太く、徐々に先細りになるずんぐりタイプ
 (カテドラルの形状を示すものが多い)


●錐面が小さい先細りのとんがりレーザータイプ
 (透明なものもあるが、緑泥が内包されるのが特徴)



●スモーキー
(形としてはずんぐりタイプ。濃いのも薄いものもあるが濃いものは比較的少ない)


●角閃石入り
(ルチル入りと言われるが、実は角閃石。金色に見えるもの、銀色に見えるものがある。緑ルチルと言われているのはアクチノライト)


●エレスチャルタイプ
 (まれに水入りも)


●かきあげ・クラスター
 (先細りの小さなレーザー状結晶が縦横無尽にくっついたもの)


●ヘマタイト付き
 (板状のヘマタイトが刺さったり付着したりしている)


●インターフェレンス
 (カルサイトに成長を阻まれたため、特異な形状を示す)


●天然コーティング
 (他の鉱物の薄い皮膜に覆われたもの)


珍しいものでは、
●バイオタイト(黒雲母)入り
 (茶色のフィルム状の雲母が内包されているもの)
●ガーネット付き
 (ごくまれに内包されているものもある)
●アメシスト
 (色合いとしてはとても淡い。ミルキーな色合いのものもある)
がある。
淡いスモーキーにうっすらローズ色がかったものもあるらしい。

くわしくは、 別館サイト をどうぞ!


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