あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

清少納言殺人事件

清少納言殺人事件 ~清少納言殺人事件~


暮れも押しつまったある日、京南大学助教授の浜口一郎は、キャサリンを連れて東山にある泉涌寺に、浜口の両親の墓参りに出かけた
泉涌寺には清少納言の墓碑があり、キャサリンは清少納言に興味を持つ

清少納言の歌碑の近くで、浜口はある女性に声をかけられた
その女性は、かつての浜口の恋人で、京南大学文学部講師の藤原彰子である
今日は新聞社のカルチャー教室の生徒を引き連れて、『枕草子』の研究に来たという
清少納言の話題でキャサリンと彰子はすぐに意気投合する

数日後、キャサリンから浜口に電話がかかってきた
京南大学文学部教授の大藤俊麿の新年会への誘いである
始めは乗り気でなかった浜口も、キャサリンに強引に誘われて出席を承知した

大藤教授の新年会の参加者は、藤原彰子、講師の嵯峨紫、歌人であり都女子大文学部助教授の野川いずみ、助教授の桑原に伊吹、講師の沢田、大藤教授の友人の石上、新聞記者の三上、教授大藤の娘・千早に大藤夫人の真佐枝、女優の林田麻由美、それにキャサリンと浜口の14人である

パーティーの最中、いずみが何者かによって毒殺されてしまう
いずみを“和泉式部”、紫を“紫式部”、彰子を“清少納言”と人々は呼び、この3人の女性は、次期京南大文学部助教授の座を争っていた
助教授の座をめぐっての犯行か?

事件の捜査がなかなか進展しないなか、続いて、助教授の伊吹が密室状態の自宅で死体となって発見されたのであった…



~感想~
今回の作品は最後の最後まで犯人が判らなかった
キャサリンが『今回の事件は、すっきりしない形で終わりそうよ』と言うように、真実は明らかにされず、闇に葬られて不完全な形で物語は終わる
それはそれで良いような……

この作品を読むと歴史の勉強にもなるので、犯人捜しと同時に楽しめる
とは言うものの、読み終わってみて内容があまり印象に残っていなかった
それは、自分が歴史嫌いだからかもしれない

と言うことで、私的評価は星【★★☆☆☆】2つです

ちなみに、清少納言の墓碑がある泉涌寺には山村美紗氏のご両親のお墓があり、山村氏ご自身も永眠されている



◆この原作のドラマ化作品◆
平成10年1月5日放送
清少納言殺人事件月曜ドラマスペシャル
山村美紗新春サスペンス
『名探偵キャサリン4~清少納言殺人事件・京都に響く女の悲鳴!連続殺人と百人一首の謎!教授をめぐる女たちの争いが死へ…・密室トリックの罠に挑むキャサリン』
出演/希麻倫子…かたせ梨乃/狩矢警部…西岡徳馬/松本次郎…関口知宏/藤原彰子…洞口依子/伊吹信也…堤大二郎/大藤俊麿…清水紘治/嵯峨紫…渡辺典子/沢田雅夫…ベンガル/沢田千早…戸川京子/三上かほる…山村紅葉/野川いずみ…宮田早苗 ほか


…ドラマの内容
おけら詣りでカメラマンの倫子は、知り合いの彰子と会い、新年会に誘われる
年明けて、大藤教授宅を訪れる倫子
丁度、邸では、彰子・紫・いずみ・かほるの4人が百人一首に夢中になっていた
すると、読み手の大藤の顔色が一変、手には黒に縁取られた清少納言の札が…
場が白け、その後のパーティーの最中、いずみが毒死してしまう…
警察は、助教授の座をめぐり仲の悪かった紫を疑うが、彼女も毒殺されてしまう
そして現場には、黒く縁取られた紫式部の札が…

百人一首に込められた犯人の意図とは?
倫子は助手の次郎とともに、持ち前の好奇心で事件の謎を追う


…ドラマの感想
原作とは殺される人物が違ううえに、殺人の動機まで変えられてしまった作品




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