流れ橋殺人事件
～流れ橋殺人事件～
東田三千彦は、アイドル歌手出身だったが、俳優に転身
年末に放映される時代劇の準主役に抜擢され、売れっ子の仲間入りとなった
大企業の社長令嬢との結婚話もおきていて、まさに順風満帆かと思われていたが、ひとつ問題があった
それは、女優の安田麻由美である
東田が役者として売れない頃、麻由美はスターであった
色々と支えてもらったが、今では立場が逆転し、麻由美は女優としての仕事は激減する一方であった
時代劇の合戦シーンの撮影中、主役の渡辺竜が落馬し、顔に傷を負ってしまう
麻由美が騎乗していた馬が突然暴れだし、渡辺の馬を蹴り上げてしまったのが原因であった
落ち込む麻由美は、妊娠していることを東田に告げ、女優を辞め、結婚をしたいと迫った
その気は更々ない東田は、麻由美殺害を計画
綿密に計画を練るが…
～感想～
芸能界に渦巻く打算と駆け引き
殺害計画を練るうえで、面白いように自分の思い通りに事が展開していく
そして、完全犯罪を成し遂げたかと思いきや、意外な落とし穴があった…
流れ橋という橋の特性をうまく利用した作品
しかし、そこまで計画を練るほど頭がいいのなら、殺人ではなく、もっと他の解決法があったような…
男って、愚か
あとで失ったものの大きさが身に沁みるのです
という事で私的評価は星【★★★☆☆】３つです
◆この原作のドラマ化作品◆
平成１５年３月２８日放送
金曜エンタテイメント山村美紗サスペンス
『京都女優シリーズ５～流れ橋殺人事件・茶道家元令嬢の華麗な婚約パーティーの裏側で新人女優が謎の自殺・献身愛を裏切る罠…』
出演／麻生夕子…東ちづる／田村竜平…大鶴義丹／大園綾乃…平淑恵／東田三千彦…加勢大周／狩矢警部…横内正／早乙女朋子…山村紅葉／立花静香…濱田万葉／池怜子…星遥子／綾小路雪山…木村元／綾小路明日香…仁藤優子／桜井久美…川俣しのぶ ほか
…タイトル前のナレーション
『京都府八幡の木津川に架かる上津屋橋…日本一長い木造の橋である。普段はゆるやかな川の流れも、ひとたび大雨で増水すると暴れ川となり、昭和２８年以来１５回の流出記録がある。この暴れ川と共存してゆくために考えられた木造の上津屋橋は、通称“流れ橋”と呼ばれている』
…ドラマの内容
新進時代劇役者の東田三千彦と、茶道家元令嬢の明日香の婚約がスクープされ、撮影所内はその話題でもちきりとなっていた
ただ一人、面白く思っていなかったのは、三千彦と恋仲であった怜子である
折りしも、次回作『お吟』の主役と目されていた怜子だったが、最終的にはお吟役は駆け出しの静香に決まり、怜子の怒りは頂点と達する
河原での騎馬戦の撮影中、静香が誤って落馬し顔に傷を負ってしまう
落馬の原因を録画テープで検証すると、静香が騎乗していた馬の目に何者かが光を当てていたことが判り、怜子に疑いがかかる
三千彦と明日香の婚約披露を兼ねた茶会の席で、怜子が毒死、怜子を恨んでいた静香に容疑がかかるが、遺書めいたメールを夕子に残し、静香が失踪
後日、静香は木津川で水死体となって発見される
可愛がっていた後輩の死に疑問を感じた夕子は、相棒で万年斬られ役者の竜平、マネージャーの朋子とともに、事件解決へと乗り出す…
…ドラマの感想
もともと山村美紗氏の小説には『女優シリーズ』は存在せず、このシリーズの他の作品はだいぶ小説からかけ離れている
しかし、この『流れ橋殺人事件』は原作の基本をベースに、上手く脚色されているので、この女優シリーズの作品のなかでは破綻なく見ることができた
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