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顔のきず


戦争のときに負ってしまったきずだ。


まだ小さかった親父が、逃げまわっているうちについたらしい。出血がひどくて大変だったと聞いたとき、もし戦争で親父が死んでたら自分はいなかったんだなーとぼんやり思った。


沖縄戦でたくさんの人が亡くなった。親父の周りでもいろんな人が亡くなったはず。戦争当時の話を聞こうとすると寂しそうな目をする親父。


顔のきずより心のキズのほうが深くて大きいのだろう。言葉につまる親父から戦争のくわしい話を聞いたことは今まで1度もない。


そんな親父がぽろっと言った。

「誰も恨んでない」





何かを恨む気持ちは人をゆがめる。



平和を祈る尊い気持ちはぼくがしっかり受け継いだ。








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