雨がしずかに降る日には

行動療法~コントロール感覚~



・行動療法

 気分が沈むと自分の行動や感情のコントロールがつきにくくなりますし、身の回りのことが思うようにならないと、気分の落ち込みが強くなり、それが強いストレスとなります。

 サラリーマンが、会社内での自分の仕事の位置づけがよくわからなくなったり、責任感覚がうまく持てなかったり、目に見える成果がなかなか表れなかったりすると、うつが増えていきます。気持ちが沈み込んでくると集中力が低下して、作業効率がわるくなることがあります。
 主婦でも、家事や育児は「ふつうに出来て当たり前」と思われがちなだけに、家族から周囲からきちんとした評価が得られないと、沈んだ気分を強めていくことがあります。

 そのようなときには、自分が実際にやり遂げてきたことをもう一度確認することです。そして、遠くを見過ぎずに、目の前の具体的な問題をひとつずつ解決していく姿勢がたいせつです。


《問題解決技法》

 コントロール感覚を取り戻すためには、「問題解決技法」の活用が役立ちます。うつ的な気分にとらわれると、できそうにない困難が次々と頭に浮かんだり、自分をとりまく状況がとてもきびしく感じられたりします。そんなときは具体的な問題をひとつずつ解決していくことが大切です。それは私たちが日ごろ意識せずに使っているプロセスなのですが、気分がつらくなるとそんなこともわからなくなってしまいがちなのです。


1)問題を明確にする
 例えば、自分は要領が悪い、掃除がきらいだ、料理が苦手だ、など、まず現在の問題点、解決したいことを実際に紙に書き出して、できるだけ具体的にしてみます。

2)解決へのアイデアをたくさん考える
 解決へのアイデアを考えて、書き出します。ここで大事なのは、現実的ではないとか、ばかばかしいと感じても、思いついたことはすべて、まず書いてみることです。

3)プラス面とマイナス面を検討する
 アイデアを出し切ったら、それぞれのプラス面とマイナス面を、やはり紙に書き出して検討します。いちばん問題解決に役立ち、実行しやすそうな方法を選びます。そういう方法を使うと新たな問題点が出てこないかというのもひとつのチェックポイントです。なにも欠点のない方法はどありませんから、「いちばんましな方法」くらいに考えていくと選びやすいでしょう。

4)実行する
 方法を決めたら、とにかく実行してみます。やってみなければ、なにも始まりません。事前に頭の中で試してみたり(シュミレーション)、できなければ誰かに相手になってもらって練習したりできれば、なおよいでしょう。

5)結果を評価する
 実行してみた結果、うまく問題が解決できたら、自分をしっかりほめて、その方法を続けてみます。解決しきれなかったときは、どこに問題があったかを振り返って、なるべくはっきりとさせてください。そしてまた、このサイクルのどこかに戻ればいいのです。



⇒対人関係療法~コミュニケーション~


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