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HIDEと難病の少女との奇跡の物語!

HIDEと難病の少女との奇跡の物語



当初、彼の死は自殺と報道されていたが、彼をよく知る人たちは、命を大切にするhideが自殺をするはずがないと言っている。
肩こりを治そうとしていて、誤って首を吊ってしまったというのだ。生前のhideと一人の少女との交流が、その証拠です。
貴志真由子さん(19歳)は、和歌山県に生まれ活発で明るい少女だった。
彼女が小学校5年生になった頃、彼女の母親は真由子さんが横になる時間が多くなったことに気付き、病院に連れて行った。
91年12月のことだった。

病院では真由子さんの病気の正体はわからなかった。そのまま彼女は入院。
打つ手もないまま真由子さんの体を病魔は蝕み、彼女はうまく話せなくなり、足腰も弱ってきた。
真由子さんの病気の正体がわかったのは、彼女が入院して1年後、93年1月のことだった。
病名は「GM1ガングリオシドーシス・タイプ3」といって、世界でも真由子さんを入れて23例しか報告されていない難病だった。
大脳からの神経活動が妨げられ、なめらかな運動が出来なくなる病気で、現在の医学では治療は困難だった。

今すぐに病状が悪化するわけではないが、このまま進行すれば、成人式を迎えることは出来ないとまで告げられたのだ。
やがて小学校を卒業、和歌山市内の中学校に通うことになった真由子さんだったが、闘病の辛さと集団生活の不安から、不登校になってしまった。
そんな彼女を支えていたのが、X-JAPANの音楽だった。

入院してから1年ほどたった6年生の時、真由子さんはたまたま姉の部屋に置いてあったX-JAPANのCDを聞き、
それからギターリストのhideの熱狂的なファンとなっていたのだ。
中学生になった真由子さんの病状は、あらゆる手を尽くしたが一向に良くならなかった。
残された道がたった一つだけあった。それは、骨髄移植だった。成功する確率は30%だったが、貴志さん一家はそれに賭けた。
早速真由子さんは骨髄バンクに登録したのだが、真由子さんの白血球の型と一致する人はなかなか見つからなかった。
たった一つの可能性がありながら、それを受けられない焦りと不安。

母親の和子さんは、障害が進み思うように言葉を発せられない娘の姿を見て、やりきれない思いでいっぱいだった。
そんな中、ある手紙が真由子さんたちの運命を変えた。
「メイク・ア・ウィッシュ」という、骨髄移植を支援する団体からの手紙だった。
この団体は、難病を患う子供たちの夢を叶えてあげたい、という気持ちからアメリカで生まれた団体で、日本では1992年に設立された。

和子さんはすぐに「これだ!」と思い、電話をした。娘の夢は、憧れの人、hideに一目でいいから会うこと、そう知っていたのだ。
当時のことを振り返り、「メイク・ア・ウィッシュジャパン」の大野さんはこう言う。
うちは無名の団体ですし、hideさんの事務所ともなんのコネクションもありませんので、駄目だろうな、と思っていました。
嬉しいことに、この申し出をhideが快く承諾してくれたことで、真由子さんの夢は叶うことになりました。

年末のコンサートで会ってくれるというのだ。そのことを知った真由子さんは大喜びし、hideにプレゼントするためのマフラーを、不自由な指で2ヶ月かかって編んだ。
1995年12月31日真由子さんはとうとう憧れの人、hideと会った。彼は、手編みのマフラーのお返しにと歌を歌い、
そして愛用のギターをプレゼントした。hideは気さくな人柄で真由子さんの家族ともうち解け、コンサートの後の打ち上げにも招待してくれた。
打ち上げでは、メンバーに真由子さんを友達だと紹介していたという。

会えただけでも満足だった真由子さんだったが、hideはそれからも真由子さんのもとを訪れ、手紙も送ってきた。
彼の大きな励ましに、真由子さんに生きる気力があふれてきた。
1996年3月とうとう骨髄移植の手術が行われた。ドナーは姉の仁美さんがなった。手術後、最も恐れていた拒絶反応が表れ、
真由子さんの心臓と肺には水が溜まってしまった。

彼女の命の灯火が小さくなっていこうとした時、和子さんの目に奇跡の姿が飛び込んできた。
症状を聞きつけたhideとhideの両親が、病院にまで駆けつけてきたのだ。
無菌室で病気と闘う真由子さんに、hideは励ましの言葉をかけ続けた。危篤状態の真由子さんをhideは2時間も見守っていたのだ。
hideの気持ちと周囲の人の気持ちが、真由子さんに奇跡を起こした。

その晩から真由子さんは危篤状態から脱出、医者が驚くほど驚異の回復をし、9月には無事退院したのだ。
その後hideは骨髄バンクに登録。
骨髄バンクのチャリティー活動にも参加。

今現在は家族と元気に生活する真由子さんは、hideの死を知った時は大きなショックを受けた。
死んでしまおうと思った時が何度もあったが、hideの悲しむことはしたくない、と考えたというのだ。
hideは今もこれからも、真由子さんの心の中に永遠に生きているという。
そしてファンの中でも永遠に生きている。永遠に・・・・。


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