レイ:ジルチというのは僕にとって家族なんだ。ほんとにもう僕達は兄弟なんだよ。そういう自分の記憶というのがすごくて、この3年の僕というのはもうジルチ・ワールドに住んでいて、完全にそれが生活の中心だった。というのは、この中は自分が一緒にやりたい人とやりたいものが作れるという理想的な場所だからなんだよ。そんな理想的なものに出会った自分の変化もあるし、それはホント、最高の気持ちで物が作れるという…だから、これはさっきレイヴンも言っていたけど続けないといけないことなんだ。その気持ちを忘れないで今後のこともやっていかないといけない。この作品も自分にとっては完全にベストなワークだし、それがなぜベストになれたのかというと今まで出会ったことのないほどのすごい才能…歌も歌えてギターも弾けるhideに出会えたからなんだ。みんなに忘れてほしくないのは、これはhideにとってもものすごいチャレンジだったということ。いつも彼が話していたことなんだけど、この作品は日本では10枚しか売れないかもしれない。でも、彼にはそれを出す勇気みたいなものがあった。僕はこれは世界で売れるというものすごい自信があったんだけどね。だから、このアルバムを聴いて「わぁ、カッコいいね」と言うのは簡単なんだけど、それを作る過程での勇気とか、これだけの時間がかかって大変な作業だったということが結果的にすごい深みも生んでいるし、感情も入っている。…やっぱり僕にとっても深い作品だよね。hideがやろうとしていたのは、野球で例えるなら野茂で、サッカーだったらカズなんだよ。彼はしっかりとしたビジョンを持って外国に出て行った。僕もそういう人と一緒に仕事ができたということが心に残っている。だから、このアルバムをいろんな角度から見てほしいし、薄っぺらいものに思ってほしくない。僕にとってもこれが作品であり、人生であり、これをやり遂げた…みんなにはhideもこれによって成功した作品として聴いてほしいんだ。アルバムの中には「Space Monkey Punks From Japan」という曲もあったりするんだけど、これは自分達の中でもアンセム的な曲なんだ。そして、「Inside The Pervert Mound」という曲は、むちゃくちゃな音楽業界をいやらしいものとして描いているんだ。そういった自分達のパーソナルな表現力がいっぱいあるから、ほんとに伝わってほしい。