インディー(27)



「アニー・ディフランコ!」
すかさず××。

「ぼくたちはアニー・ディフランコを軸にして結成されたようなバンドです」と△△。


「どんなスタイルのアーティストですか?」

「エレアコ。ハードエッジの」

「それじゃ○○のスタイルのモデルが、アニー・ディフランコってことですね!」
「あした、さっそくCDを買ってみます」

「ところで、所属事務所とかはまだないんですか?」


××
「いろんな変なオヤジとかが、声をかけて来るけど断っています。メジャーのひとも声はかけてくれているんだけど、話は進展してないよな!」
と二人に同意を求める。

「変なオヤジってのは、やっぱりアーティストを食い物にしてるようなやつらですか?」

「そうやね。ハイエナみたいなやつらは、一杯いるね。」


「当然、メジャーを目指していると思うけど、お呼びがかかれば東京に行く?」

「別に東京に行かなくてもメジャーにはなれるけど、お呼びがかかれば行くでしょう」


「ストリートをやってると警察が止めに来たりしますよね?」

「来ますね。指紋取られて、誓約書を書かされたこともあります。」


「それでもやめない?」

「やめないね」

「路上ライブの規制緩和については、知り合いの府議会議員にもはたらきかけようと思っています。○○から、議員に何かメッセージはありますか?」

「メッセージ言われても、なぁ」と二人を見渡す××。


路上でのライブスタイルそのままに、どこまでもストレートで骨っぽい連中だった。


ファミレスを出た後、彼らの練習場に向かった。

どうという事はない普通の練習風景。


レコーディングを意識してか、ビートのぶれのチェックを入念に行っていた。


これで、創刊号のトップ記事の仕込みは完了。

後は、アニー・ディフランコのCDを買って、そして、知り合いの府議会議員のところに行って、インタビューすればOK!


(つづく)



© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: