インディー(41)



あなたの詩をいくつか、今度、創刊するフリーペーパーに掲載したいとメールしたのだが、返事が来ない。

2回、3回と同じ内容のメールを送った。


しばらくして、
短いメールが届いた

そこには


眠れない


眠れない


の詩は、実は盗作であると記されていた

本当か?


と、すぐにメール

次に、ちぬるから送られて来たのは、原作とおぼしき詩

確かに良く似ていたが、独特のリズム感、抑揚のセンスは、ちぬるの盗作の方が、ずっと優れていた。


だが、盗作は盗作。


とても、ショックを受けた
とメールした

更に、ちぬるから


他にも盗作がある

と、メール


残念だが、君との関係はこれで終わりだ

何を言う
あなたは私の詩に惚れ込んでいたではないか?

本の費用は出してもらう!


と、強気

私の気持ちは、もう何を言われても変わらなかった

パクリアーティストは屁だ!

そんな事、言わないで!

と、今度は泣き落とし

うっとうしいから、すぐに着信拒否にして、メルアド、住所録すべてを抹消した

虚しかった

偽物に惚れ込んだ自分が情けなかった

おそらく、余りに私が褒め続けるものだから、良心の呵責にさいなまれることになってしまったのだろう。
自己主張の強いアーティストにも良心はあるものだ・・・


だが・・

盗作が含まれていたとは言え

あいつの作品はすべて美しかった


とにかく金に汚い変わり者の詩人だった

もう二度とあんな美しいリズムを持った作品には、出会えないかも知れない・・

(つづく)




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