インディー(153)


とナオミ。

「そうやね。後で腹が減りそう」


「ねえねえ、後で自転車でコンビニに行こうよ」

「うん」

「トモコはOK?」

「もちろん!今から彼氏に電話するってさ」

「ふうん。どんな彼氏か見てみたい」

「なかなか、カッコイイよ。そんでおとなしいの」

「ふうん」

「おんなじ学生?」

「学生だけど、別の大学。バイト先で知り合ったみたい」

「どこで働いてるの?」

「ファミレス」

「エ゛ーッ、あいつがファミレスー」

「普段は、まじめなんだってば。こないだは、羽目はずしてただけ」

「ふうん」

「信じてないみたい」

「信じてないよ」

「ハハハッ」

「ところでさぁ」

「うん」

「フリーペーパーのホームページ作らない?」

「うーん、なんだか面倒そう」

「そんなことないよ。今、教養過程でコンピュータの勉強してるんだけど、簡単にホームページ作れそうだよ」

「そうなん」

「簡単だよ」

「それじゃあ、ナオミにまかせる」

「そんなこと言わないで、一緒にやろうよー」

「うんうん」

「なんか、生返事。かんじ悪いー」

「オレは、エンジンかかるの遅いから。でも、動き始めたら速いから」

「そうよね。」

「ともかく、ホームページ作るのに必要な資料を集めてよ」

「うん、集めて置くよ。夏休みの間に完成させようよ」

「それくらいのペースで行こう」

「そうしよう!」

「片付け終わったらコンビニに行こうよ」

「うん」


フリーペーパーのホームページを作るなんて、最初は考えてもいなかった。

だいたい、最初からフリーペーパーの目指すところさえわからず、ただやりたいままに突き進んで来たと言ってよい。


ホームページ作りも、ただ、ナオミに誘われるままに作り始めることになってしまった。


もともと、何がやりたいのか、自分でもわからずフラフラして来た人生。

ナオミに引きずられながら、牛のようについて行こうと腹をくくった。


注)2000年当時は、まだ、個人が簡単にホームページを作ることができるような状況ではなかった。

おそらく2001年後半あたりからだろう、無料ホームページを簡単に作ることができるようになったのは・・

(つづく)




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