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非常に喜ばしい事があった。
ある生徒が、国立高校の合格発表で見事合格を勝ち取った。
最後の気持ちの作り方で合格を不動のものに出来たね。
自らの力で勝ち取った合格だ、
立派な高校生になれるね。
おめでとう。
実は喜ばしい事がもう一つ。
「なんだ、そんな事か・・・」
と思われた方も居るかもしれない。
普通に考えれば大した事のないことだし、
塾の授業内テストなんだから、
準備してこられれば点数はとれるはず。
でもこの生徒、小学5年生の時に入塾して、今の今まで、この類のテストで一発合格した事はなかった。
たったの一度もだ。
身体はどんどん成長するが、
精神面は非常に幼く、
周りの友人達からも面白がられているような男の子。
自分のやっている事に意味を見つけたり、
見つけようとしたり、
そんな事は一度も考えた事はないんじゃないだろうか。
勿論働きかけはしてきたし、
他の教科の講師も頭を悩ませながら、「ああでもない。こうでもない。」
と試行錯誤を繰り返してきた。
私の今日担当したクラスは、
中学1年生で、意識の芽生えきっていない生徒を集めたクラスだ。
彼もその中の一人。
その彼が初めて「合格せねば!」と思ったらしい。
この気配を一気にまくし立て、
学年末に進んでいく事を彼と約束した。
別に私が担当する数学で点を取らせたいと思っているわけではない。
何でも良い、馬鹿みたいに点を取らせて上げたい。
そこから彼が成長するための栄養を授かりたい。
人の成長や変化は即効性があれば、
それでいいというわけではない。
それが持続し段階的に壁を越えていく力を身につけられれば、
即効性のあるものでも全く問題は無いのだが、
そんな人間いるわけがない。
今までの固定観念をほんの一瞬で消し去り、新たな方法・思考を取り込み解決へ向かえる。
そんな人間がいたら凄すぎる。
逆に言えば、自分の今まで持ってきた「思考物」を、
すぐにゴミ箱に捨てられるようなら、それは自ら作った「思考物」ではなく。
本当の意味で自分のものにしてこれたものではないはずだ。
我々は子供たちにその自ら作った「思考物」を持って欲しいと考える。
これは人生においても相当な財産になる。
つまり今日初めてテストで合格した彼は、財産を手に入れるタイミングに来ているわけだ。
そんなタイミングが見えたら、
今度はつかませてあげなければいけない。
ここからが我々の仕事な訳だ。
種を撒き続け。
水をやり続け。
栄養をやり続け。
それを使って土から顔を出せたら、
しっかりと見守ってやる。
風で倒れそうになったら、
「ふんばれ!」と声をかけてやる。
下手に手は貸さない。
いや、貸しているように見せない。
そして成長している様子を影で見守る。
これが子供たちの近くにいる大人の役割だと思う。
冷たいと思われたって、
ケチだと思われても、
ギリギリまで手は貸さない。
それが私のやり方。
出来る限り生徒に”苦行”は課したくない。
さあ彼の今後が楽しみだ。
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