Napping of Woog

ぼくのプログレ史から


 一体何人の人にわかってもらえるのか、
 と心配だったけど、やっぱりいますね。

 楽天には30万以上の人がいる。
 そのうち、積極的に好きな人は10人いるかどうか(^_^;)

 中学2年生の時に同級生がイエスの「危機」を買った。
Close To The Edge
 それを聞かせてもらったのが、初めてだったように思う。
 リアルタイムだったかもしれん。
 それまではビートルズ、S&G、エルトン・ジョンなんかを聞いていたぼくは、

なんじゃこりゃ。すっげぇテク
でもバッハぽいところもあるな

 と関西弁で思いました。

 高1の時、これまた別の同級生に聞かせてもらった、
 「クリムゾン・キングの宮殿」に感動しまくり、
In The Court Of The Crimson King
 初めて買ったプログレのレコードは
 キング・クリムゾンの「暗黒の世界」だった。
Starless And Bible Black

 それから人口6万5千人の田舎町で、
 少ない小遣いを工面して、買える限りのレコードを手に入れた。

 そうこうしているうちに、
 クリムゾンがディシプリンを、ジェネシスがThen There were Three、
 ジェントル・ジャイアントがMissing Pieceを出し、

プログレは死んだ (大げさっ)

 と絶望した私はシティミュージックに浮気した。

 私には弟がいて、彼もロックが好きで、
 キャメルからカンタベリーを聞き始めていた。
 まじめな彼は浮気などせず、時々、

イエスが来るけど、一緒に行かんか、

 など誘ってくれ、私もライブは好きだから、喜んで行った。


 2000年にキャメルが来た時も弟に教えられて行った。
 そのころには、ネット上でプログレファンが多くのHPを開き、
 熱心に楽しそうに語り合っていた。

 ぼくは飽きっぽくて、いろんな事に鼻を突っ込んではやめる、の繰り返しだったが、
 今回は違ったようだ。
 OFF会で親切な人たちと会ってしゃべったり、
 西新宿や目白で懐かしいアルバムを物色するうちに、もう4年になる。

 プログレ関係のバーにも何軒か行った。
 まだ初級者だけど、目白で安くおもしろいのを探すのが楽しみになっている。
 去年('04)は100枚近くもCDを買ってしまった。(たいしたことないけど)

 プログレに再び興味を持ち出す前からジェントル・ジャイアントは好きだった。
 だから、最近出た彼らのDVDには感動している。

彼らはポストモダンが流行る20年も前から、
素晴らしく感動的に脱構築だった、

 などとよくわからん言葉を並べたくなる。


 じゃあプログレッシヴ・ロックって何?
 と尋ねられても答えられない。

 アメリカやイギリスの大学では音楽学部の学生がロックを専攻できる。
 演奏するだけでなく、批評の方でも。
 だから、学者っぽい人の論文もいくつか出版されている。
 解釈はいろいろあって、一言で述べるのは無理でしょう。
       と言ってもちょっとしか読んでいないけど。

 プログレッシヴ(progressive)とは「進化する」というような意味。
 でも、ロックは進化できるのだろうか。
 当時、ぼくはそう信じていたが。

 ロックだけではないと思う。
 詩、小説、絵画、彫刻、舞台、クラシック、ジャズ。
 芸術家は常に新しい表現手段を求める。

 ファンもそうだ。
 ありふれたメロディー、歌詞、リズムに飽き足らなくなり
 自分を表現してくれる新鮮な何かを常に求めている。

 しかし、時にそれは行き過ぎてしまう。
 そして、わずかな人にしか感動できなくなってしまう。
 そして、反動が起きる。
 もちろん、これに商売が絡むから、ますますややこしくなる。
 プログレに対する反動はすごかった。ひどいとも言える。

 日本はプログレ王国だ。
 購買力のある40代の人間が中心となって種火は尽きそうにない。
 (燃え上がることもなさそうだが)
 ライブでのマナーがよく、情熱的なファンが多い。

 ジャンル名はこの際どうでもいい。
 日本の若者から、新しい音楽が生まれてくることを私は祈っている。

 そして、確かにその息吹は感じられる。


(注:この文章は2004年9月13日の日記に加筆訂正したものです。)







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