ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2011.04.10
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カテゴリ: 国際関係
放射性汚染水の海洋投棄を憂う(3)

ところで、国会に提出される法案については、一般に内閣法制局にお伺いを立て、他の法律との整合性や、違憲の疑いがないかどうかを、チェックしてもらい、そのお墨付きで提案されるのが普通です。

これが国際法になると、内閣法制局では手に負えません。こちらは、条約締結の際に実務を担当する外務省内に、国際法局という局が置かれており、この部署が国際法や国家間の条約などについて、事実上解釈権を行使しています。

ところが今回は、「原子力保安院」が「ロンドン条約に規制がないから適法」と勝手に解釈して突っ走ったのです。当然ながら「保安院」には、国際法を勝手に解釈する権限などありません。それなのにそんなことが罷り通り、外務省が「保安院」を管轄する経済産業省に抗議したという話も聞こえてきません。

外務省もいったい何をやっているのでしょうか。外務官僚は、かなりの人が大使館勤務など海外勤務を経験します。そこには、マスコミなどで批判もされましたが、大量の高級ワインなどが貯蔵されています。そうしたワイン外交などで培った人脈を、まさに現在のような国難の折にフルに活用しなくてどうするのですか。

菅首相が外交音痴であることは、先刻知れ渡っているのですから、規制値の上限を大きく超える放射線汚染水を、直接海洋に投棄するという決定が、諸外国にどのような波紋を投げるか、例え「ロンドン条約」に規定がないと言っても、それが国際的に罷り通る話ではないということを、外相や首相にきちんとレクチャーしておく責任が、彼らにはあったはずです。

確かに、福島の海岸に放水してしまった「汚染水」は、超高濃度の汚染水に比べれば、比較の問題としては「低濃度」でした。高濃度汚染水の貯水先確保のためという、領海への直接投棄が、政府や「保安院」の主張通り、本当に他に代替手段のない次善の策だったのかどうかについて、私には判断する能力がありません。

ですから、今は仮に、それがより悪い状態に陥ることを避けるために、やむをえない措置だったと致しましょう。そうであればあるだけ、政府は了解への直接放水という措置をとることについて、先ずは、諸外国政府にその旨を知らせ、丁寧に状況を説明して、理解を得ておくことが重要だったのです。

結果として、海洋投棄を行なうにしても、事前説明もあるなしで、事態は決定的に違ってきます。ここでは、独走した政府と「保安院」に一義的な責任がありますが、その暴走を身体を這ってでも止める役割を負わされているのが、外務官僚なのですから、彼らの怠慢もまた、大いに責められるところです。





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最終更新日  2011.04.10 16:06:47
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