ザビ神父の証言

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2011.06.19
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カテゴリ: 日本経済
東電の賠償問題を考える (2)

福島原発の被害額は、10兆円規模に及ぶと取りざたされています。これらに賠償責任が生じることから、「原子力損害賠償法」の規定を拠り所に、「想定外の巨大な天災による事故なので、東電は免責されてしかるべきだ」という声が聞かれます。

しかし、現在までに明らかにされた事実を総合すると、東電が利益重視路線に走って、予想される災害への備えを、十分にはしてこなかったこと、非常時への備えも怠っていたことなどが明らかになりました。東電の防災対策には、大きな不備があったのです。フクシマの事故は人災の側面が大きいということです。

同じく震災被害にあった、東北電力の女川原発では、事故は起きていません。立地の差があったとはいえ、東電の責任は免れがたいところです。

アメリカにも、「原子力損害賠償法」と良く似た法規が存在します。大きな原発事故が生じた場合、政府が責任を持とうというものです。ただし、アメリカの規定では、電力会社に、原発事故に対する十二分な備えが要求されています。その中には、事故を防ぐ備えと共に、事故発生時の緊急対策に属する備え、さらに事故発生時の住民の避難への備えまで含んでいます。即ち、電力会社は、近隣の自治体の協力を得て、毎年住民の避難その他の訓練や、事故発生時の対策についての啓発活動なども、自社負担で実施することが義務付けられています。

こうした、十分なる備えを、政府が電力会社に法的に強制しているがゆえに、事故への賠償については、政府が責任を持つことになっているのです。

東電は、ここに記したような、十分な対策はほぼ何もしていませんでした。対策を省略して得た利益は、株主配当や福利厚生、天下り先として作った子会社の赤字補填などに使われました。

こうした事情から、東電免責論は成り立たないと、私は考えています。
                                続く






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最終更新日  2011.06.19 10:35:10
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