ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2011.08.25
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カテゴリ: 日本史
明治政府の功績と日本資本主義の特徴(22)

日本資本主義は、地租の重さに喘ぐ貧農の家族を労働力とすることで発達しました。家族ぐるみの工場労働者は。家族を養う責任意識から、次第に労働者としてのプロ意識を持ち、家族を養える賃金を求めて、労働運動にも関心を持つようになります。

しかし、日本の労働力のなかでは、こうしたプロ意識に目覚め、労働運動に身を投じる労働者は少数でした。労働者の多くは、農村の貧しい実家に片足を残している、出稼ぎ型の労働者だったのです。工場で働いている自分は、本当の自分ではない。そうした意識が、資本家に好都合に働いたのです。

しかし、この事実は好都合なばかりではなかったのです。資本主義は市場経済です。資本主義が成長すればするほど、市場に出回る商品は多くなります。沢山の商品を売り切ることが出来るのは、商品の人気と共に、広い市場が存在するからです。

しかし、日本では人口の圧倒的多数を占める貧農達が、大変厳しく、かつ貧しい生活を続けていました。農民達の多くは、工業製品を買いたくても、買える資力など持ち合わせていなかったのです。

欧米列強による植民地化を防ぐために、殖産興業政策を推進し、工業化に全力をあげている日本は、必死の努力で、資本主義の発達を図ってきました。

明治20年代、その甲斐あって工場制度は拡がりを見せるようになったのです。政府関係者はホットしたでしょうね。その気持ちは痛いほどわかります。しかし、好事魔多しです。そうなんです。大量生産が実現した途端に、狭い国内市場では捌ききれなくなったのです。

そうなんです。日本は、早熟的な過剰生産恐慌に陥ったのです。この状態を改善するには、低賃金労働者の賃金を上げ、国内市場を広げるか、海外に市場を獲得するかの、どちらかしかありません。

僅かな輸出は安価な労働力のおかげですから、労働賃金が上がっては困るのです。それゆえ、とりうる手段は、海外市場の確保。即ち植民地の獲得しかなかったのです。10年に1回の戦争の秘密はここにありました。





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最終更新日  2011.09.03 18:06:25
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