偐万葉・お蔵百人一首篇(その3B)
~大和はまほろば氏の俳句に寄せて~
続きです。
讃岐では うどんを食らふ 半夏生
人めも何も あらぬとおもへば
(讃岐芸者、源氏名生半可)
山里は 冬ぞさびしさ まさりける
人めも草も かれぬとおもへば (源宗于)
やつがしら 水の溢れる 梅雨かな
芋こそ見えね 秋もまだ来ぬ
(八つ当り恵慶)
八重むぐら しげれる宿の さびしさに
人こそみえね 秋はきにけり (恵慶法師)
やつがしら 水の溢れる 梅雨かな
芋のいづこに 芋宿るらむ
(清原里芋)
夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを
雲のいづこに 月やどるらむ (清原深養父)
ひつじ草 雨に命を 貰ひけり
実にならずとも 咲かむとぞおもふ
(だめ元親王)
わびぬれば いまはたおなじ 難波なる
みをつくしても あはむとぞおもふ (元良親王)
姉上と 顔そっくの 鹿の子ゐて
ながながしかほ ひとりかも笑む
(鹿の本人真似)
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
ながながし夜を ひとりかもねむ (柿本人麿)
よく伸びた 角ふりかざす 夏の鹿
あはれことしの 秋も角切り
(角切り歌人 藤原基俊)
ちぎりおきし させもが露を 命にて
あはれことしの 秋もいぬめり (藤原基俊)
迷ひごと 答を呉れる 野萱草
さしも知らじな 忘れ草とは
(藤原誰方)
かくとだに えやはいぶきの さしも草
さしもしらじな もゆるおもひを (藤原実方朝臣)
休耕田 向日葵畑に 変はるかな
よに減反の 田は遊ばせじ (咳少納言ゴッホゴッホ)
夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも
よに逢坂の 関はゆるさじ (清少納言)
山のうへ 南風吹く 発電所
山の奥でも しかと吹くなる (青山俊成)
世の中よ 道こそなけれ おもひいる
山のおくにも 鹿ぞなくなる (皇太后宮大夫俊成)
梅雨晴を 知りて集まる 小鳥かな
またも昔の 話なりけり (昔語りの藤原興風)
たれをかも しる人にせむ 高砂の
松もむかしの 友ならなくに (藤原興風)
そよぐ風 運んで 来
る 夏の夢
ひるもたかきに ひとりかも寝む
(後京極摂政前太政大臣 昼原寝太郎良経)
きりぎりす なくや霜夜の さむしろに
ころもかたしき ひとりかもねむ (後京極摂政前太政大臣)
露地塀に へばりつきたる 牽牛花
末の松山 待ち疲れとは (清原待輔)
ちぎりきな かたみに袖を しぼりつつ
末の松山 波こさじとは (清原元輔)
短冊の 屋根より高し 星祭
願へることの 多過ぎもする (色紙無い親王)
玉の緒よ たえなばたえね ながらへば
しのぶることの よわりもぞする (式子内親王)
米作り 八十八の 手間をかけ
なほうらめしき 秋もあるかな (お天気屋藤原道信)
あけぬれば くるるものとは しりながら
なほうらめしき あさぼらけかな (藤原道信朝臣)
驕るなよ 松葉牡丹の 腰の位置
いまや目覚めぬ 須磨の胡麻すり (源やめまっさ)
淡路島 かよふ千鳥の なくこゑに
いく夜ねざめぬ 須磨の関守 (源兼昌)
自転車の 音に止みたる 蝉の声
くじけてものも 言はぬころかな
(源しょげゆき)
風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ
くだけてものを おもふころかな (源重之)
残鶯の ホーの音長し 宇治の里
日もや暮れにし 茶葉の道かな
(無理鳴き式部)
めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに
雲がくれにし 夜半の月かな (紫式部)
(注)写真は、 大和はまほろばさんのブログ からの転載です。
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