萩の花が咲き匂っています。万葉集には萩の歌が141首もあります。全部は大変なので、ここでは巻8までに出て来る萩の歌を挙げて置きました。秋を心ゆくまでお感じ下さいませ。
吾妹子
に 恋ひつつあらずは 秋萩の
咲きて散りぬる 花にあらましを
(巻2-120 弓削皇子)
高円
の 野辺の秋萩 いたづらに
咲きか散るらむ 見る人無しに (巻2-231 笠金村)
高円
の 野辺の秋萩 な散りそね
君が形見に 見つつ偲はむ (巻2-233 同前)
かくのみに ありけるものを 萩の花
咲きてありやと 問ひし君はも (巻3-455)
指進
の
来栖
の小野の 萩が花
散らむ時にし 行きて 手向
けむ (巻6-970 大伴旅人)
春日野に 咲きたる萩は
片枝
は
いまだ 含
めり 言な絶えそね (巻7-1363)
見まくほり 恋ひつつ待ちし 秋萩は
花のみ咲きて 成らずかもあらむ (巻7-1364)
吾妹子が
屋前
の秋萩 花よりは
實になりてこそ 恋ひまさりけれ (巻7-1365)
ほととぎす 声聞く小野の 秋風に
萩咲きぬれや 声のともしき
(巻8ー1468 小治田廣瀬王)
わが
岳
に さ 男鹿
来鳴く 先萩
の
花嬬
問ひに 来鳴くさ男鹿 (巻8ー1541 大伴旅人)
わが
岳
の 秋萩の花 風をいたみ
散るべくなりぬ 見む人もがな (巻8ー1542 同前)

さを鹿の 萩に
貫
きおける 露の白玉
あふさわに 誰
の人かも 手にまかむちふ
(巻8ー1547 藤原 八束
)
秋萩の 散りの
亂
に 呼び立てて
鳴くなる鹿の 聲のはるけさ (巻8ー1550 湯原王)
明日香河 行き
廻
る 岳
の 秋萩は
今日ふる雨に 散りか過ぎなむ
(巻8ー1557 丹比真人國人
)
うづら鳴く
古
りにし 郷
の 秋萩を
思ふ人どち 相見つるかも (巻8ー1558)
秋萩は
盛
過ぐるを いたづらに
插頭
にささず 還
りなむとや (巻8ー1559)
妹が目を
始見
の崎の 秋萩は
この月ごろは 散りこすなゆめ
(巻8ー1560 大伴坂上郎女)
わが
屋戸
の 一むら萩を 思ふ兒に
見せずほとほと 散らしつるかも
(巻8ー1565 大伴家持)
雲の上に 鳴きつる雁の 寒きなへ
萩の下葉は もみちせるかも (巻8ー1575)
朝戸開けて もの思ふ時に 白露の
おける秋萩 見えつつもとな
(巻8ー1579
文寸忌馬養
)
さを鹿の 来立ち鳴く野の 秋萩は
露霜負ひて 散りにしものを (巻8ー1580 同前)

秋萩の 枝もとををに おく露の
消
なば 消
ぬとも 色に出でめや (巻8ー1595 大伴 像見
)
秋の野に 咲ける秋萩 秋風に
なびける上に 秋の露おけり (巻8ー1597 大伴家持)
さを鹿の 朝立つ野辺の 秋萩に
玉と見るまで おける白露 (巻8ー1598 同前)
さを鹿の
胸別
にかも 秋萩の
散り過ぎにける 盛かも 去
ぬる (巻8ー1599 同前)
高円の 野辺の秋萩 このころの
暁露に 咲きにけむかも (巻8ー1605 同前)
秋萩の 上に置きたる 白露の
消かもしなまし 恋ひつつあらずは
(巻8ー1608 弓削皇子)
宇陀の野の 秋萩しのぎ 鳴く鹿も
妻に恋ふらく 我には益さじ
(巻8ー1609 丹比真人)
秋萩に おきたる露の 風吹きて
落つる涙は
留
めかねつも (巻8ー1617 山口女王)
玉に
貫
き 消
たず 賜
らむ 秋萩の
末
わわら葉に おける白露 (巻8ー1618 湯原王)
わが
屋前
の 萩の花咲けり 見に来まさね
今二日ばかり あらば散りなむ
(巻8ー1621 巫部痲蘇娘子
)
わが
屋戸
の 秋の萩咲く 夕影に
今も見てしか 妹が 光儀
を
(巻8ー1622 大伴田村大嬢)
わが屋前の 萩の下葉は 秋風も
いまだ吹かねば かくぞもみてる
(巻8ー1628 大伴家持)
手もすまに 植ゑし萩にや かへりては
見れども飽かず
情
盡さむ (巻8ー1633)
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