本日は若草読書会の例会。急遽、日程を決めた関係で課題図書なし。凡鬼さんが「俳句の話」と題して、俳句の歴史、和歌・連歌から現代俳句にいたるまでの流れを簡潔平明にご説明下さいました。
俳句・俳諧の源流を遡ると、それは大伴旅人に行き着くとか。俳諧とは滑稽味、風刺、諧謔の和歌の一分野を指すものであったらしいから、きっと、大伴旅人の讃酒歌がその「走り」と言うことで、大伴旅人まで遡る、と言われるのでありましょうな(万葉集巻3-338~350)。
験
なき 物を
思
はずは
一坏
の
濁れる酒を 飲むべくあるらし (巻3-338)
あな
醜
賢
しらをすと 酒飲まぬ
人をよく見ば 猿にかも似む (巻3-344)
宗祇、宗鑑、宗因、芭蕉、蕪村、一茶、子規、虚子から碧梧桐、井泉水、山頭火、放哉などの自由律俳句、桑原武夫の「俳句第二芸術論」に至るまで内容の濃いお話をして戴きました。また、吟行や句会の様子なども体験を交えたお話、俳句について余りよくは知らぬヤカモチにはどれも興味深いお話でありました。
お話の後は、凡鬼さんが事前に智麻呂邸にお届け下さっていた冬瓜を恒郎女さんが煮物にして下さっていて、それとかその他参加者が持ち寄った酒やワインや食べ物を楽しみながらの歓談でありました。
余談ですが、冬瓜は料理される前に智麻呂氏が見事な絵にして下さっていますので、追って智麻呂絵画展で皆さまにもご覧いただけるかと存じます。
ところで、「冬瓜」はいつの季語になるのか、とお尋ねしたら、「夏の季語」とのこと。冬瓜なのに夏とはこれいかに、と思いましたが、考えてみれば、この手の季語は他にもありますな。
「麦秋」は夏だし、「竹の秋」は春で、「竹の春」は秋という具合。もっとも、凡鬼さんは「東に生っても西瓜というが如し」とか仰って居りましたが。
本日の参加者は智麻呂・恒郎女ご夫妻、凡鬼・景郎女ご夫妻、祥麻呂、槇麻呂、和麻呂、小万知の各氏と偐家持の9名でありました。



(エノコログサ)
(ランタナの実)
上の写真は、智麻呂邸付近の道の辺にて撮影したものであります。
読書会とは無関係。読書会のメンバーの中で喫煙の悪癖から足を洗えていないのはヤカモチ唯一人にて、時に中座して、家の外に出てタバコ休憩することがあります。その際に撮影したものであります。そう言えばタバコの花、友人から写真を見せて貰ったことがありますが、なかなか可憐な花でありました。しかし、和歌にも俳句にもこの花は詠まれてはいないでしょうね。
あなみにく さかしらをすと たばこせぬ
人をよく見ば 猫にかも似む (偐旅人)
<追記・注>
縦長写真(エノコログサの写真3枚)が横倒しになった歪んだ画像になってしまっていたので、2020年10月29日これらを復元修正しました。
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