本日の銀輪花逍遥は、お馴染の「やあ~」の花たちから始めましょうかね(笑)。
キンポウゲは道の辺や野原でよく目にする花。傍らにはスミレも咲いていました。
スミレと来れば「春の野にすみれ摘みにと来しわれぞ野をなつかしみ一夜寝にける」の山部赤人の歌であるが、キンポウゲにはこのような粋な歌はない。
あるけばきんぽうげすわればきんぽうげ
(種田山頭火 昭和15年「草木塔」)
ぬれるだけぬれてきたきんぽうげ (種田山頭火 同上)
まあ、山頭火の上の句のように、キンポウゲの方からすれば身も蓋も無い句があるっきりなのである(笑)。
「山頭火」というのは納音の一つで、甲戌・乙亥の年の納音がそれであるが、山頭火の生まれ年の納音が「山頭火」なので、それを俳号に使用したのだと思っていたら、そうではなくて単に気に入っただけのことであったそうな。彼の生まれ年の納音は楊柳木である。因みに偐家持の納音は「霹靂火」である。
青空の ずっと向こうでも ひょっとして 寝転んでいる きんぽうげ咲き
(誰田霹靂火)
話が脱線しましたが、まあ、スミレとこのように並べて見れば、キンポウゲさんには悪いがそれも仕方がないか、というものでありますな。
漢字で書くと「金鳳花」と立派過ぎる名が却って仇となっているのかも知れませんな。種田山頭火さんも「きんぽうげ」と仮名書きしているのは、漢字表記のものものしさに扱いかねるものを「感じ」たのでしょう。
またまた、名の知れぬ「つれなき」花であります。菜の花の仲間ですかな。
前ページの名前の知らぬ花の名と共に、小万知さんからこの花は「草の王(草の黄)<クサノオウ>」だとご教示戴きましたので追記して置きます。(5.18.)
次は、山つつじと山藤。「にほへをとめ」と「藤娘」であります。
藤と葛は共に大木に絡み付いて自身の勢力を伸ばすのであるが、葛は古代仁徳天皇の時代に勢力を誇るが雄略天皇の時代に没落、藤は天智、天武、持統朝で基盤を築き、以来今日まで命脈を保っているあたりは、この植物のしたたかさというべきか。
藤の歌はご本家の家持さんにお任せすることと致しましょう(笑)。
藤波の 影なす海の 底清み 沈く石をも 玉とぞ我が見る
(大伴家持 万葉集巻19-4199)
最後は、オダマキ。水路の脇に咲いていました。たぎち流れる水の白とオダマキの紫との取り合わせが「をかし」とて・・。
オダマキの 花は咲きたり 花の下 たぎつ水あり 白きウズマキ
(マキ麻呂)
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