( 承前 )
裏磐梯ロイヤルホテルのフロントで宅配便で送って置いた自転車・トレンクルを受け取り、代りに荷物を預け、銀輪散歩開始。ホテルは五色沼入口と国道459号線を挟んでほぼ向き合っているので、五色沼散策には丁度良い。それと、路線バスのバス停がこのホテルの玄関前ということもあって、ホテルを此処と決めたもの。五色沼自然探勝路は少し先の裏磐梯ビジターセンターの前から入ってゆくようだが、ホテルの前からも入る道があるので、それを行くことに。毘沙門沼の前に土産物店併設の食堂があったので、自転車を駐車場の片隅に駐輪し、先ず腹ごしらえとする。
昼食を済ませて、毘沙門沼に向かう。右手に石碑がある。表に回って見ると、水原秋桜子の句碑であった。
水漬きつつ新樹の楊ましろなり
この句は、秋桜子の句集「蘆刈」所収の句。この句碑は昭和13年10月建立のものにて、秋桜子の句碑としては第1号の石碑であるとのこと。
雪解けの春のネコヤナギの白い芽吹き・・ちょっと今の季節には合わないが、それを言っても始まらない(笑)。
秋桜
の 花は咲けども 毘沙門の
木々のもみつは しましぞ待たな (偐家持)
句碑は秋桜子でありましたが、咲いていたのは秋桜ではなく、アキノキリンソウと野菊でありました。
毘沙門沼から五色沼自然探勝路は始まっている。銀輪の散歩も時に徒歩 (かち)
ありき、であります。自転車乗り入れ禁止とあって、徒歩にて行くことに。
毘沙門沼は五色沼の中では最大のものにて、ボート乗り場もあり、鯉も居る。幸せを呼ぶ鯉とかで、ハート型模様のある鯉に出会うと幸運があるとか、入口の売店に書いてありましたが、探勝路の水際に沢山泳いでいて、その中からこれを探すのはかなり大変。とても探す気にはならない。
この中には、ひろろさんの絵のモデルになった鯉もいるのでは、なんぞと思いながら行く。若いカップルが鯉を写真に撮っていたが、幸運は彼らに譲ることとし、小生は先へと・・であります(まあ、それでもブログの構成上、1枚だけは写真に撮りました)。
そして、アケボノソウの花。この花は「アケボノ草」よりも「アケボノ荘」という字が浮かんでしまい、下町の学生下宿なんかを連想してしまうヤカモチなのであるが、花の風情は、安アパートとは無縁の楚々とした美しさを漂わせているのでありますな(笑)。
しかし、ご覧のように蝶の姿は見えず、蟻たちが屯している処を見ると、やはり「アケボノ荘」でもあるのかも、であります。
五色沼探勝路はウイークデイであるにも拘わらず結構人が歩いている。歩き易い手頃な距離で変化に富んだ景色が楽しめるということであるからだろう。エメラルドグリーンと言うのか、翡翠色と言うのか、瑠璃色と言うのか、水の色が何とも美しく、「見れども飽かず」であります。
まだ紅葉の季節ではないので、見上げると、さみどりのトンネルなのであるが、秋が深くなると、葉が「もみたひ」、紅葉と水面の色とが妙なるコントラストをなして、一層景色は映えることとなるのでしょうな。
毘沙門天とは四天王の一人、北方の守護神、多聞天のことであり、四天王の中でも最強とされる戦の神様。そのようないかめしい武人姿の神の名を持つ毘沙門沼であるが、沼の佇まい、水面の色はどこまでもやさしく、女性的な感じも受ける。その他の沼に比べれば、男性的で力強いイメージがあるということでもあるか。或いは冬の雪景色の中に置いてみると男性的な力強い姿を見せるのでもあるか。
五色沼のとっかかりで、早や字数制限です。続きは次回とします。
( つづく
)
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